SEO
公開日2023年9月12日
更新日2024年09月27日
SEOスパムとは?種類一覧や行為によるリスク、判定基準を解説
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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サイト運営において、検索エンジン対策(SEO)は欠かせません。
しかし、あまりに過剰なSEOを行っても、迷惑行為と見なされます。
このような現象を「SEOスパム」と言い、SEOを行う上で注意が必要です。
検索エンジンからペナルティを受けると、検索順位の低下やインデックスの削除などに繋がります。
意図的に迷惑行為を行っているわけではないのにスパム認定を受けたり、外部からの悪意ある行為でサイトの評価が下がったりする可能性も考えなくてはなりません。
そこでこの記事では、実際にSEOスパムと判定されてしまう行為や基準などを詳しくご紹介します。
スパム判定されてしまった時の対処法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
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SEOスパムとは
SEOスパムとは、あまりにも過剰なSEOや不正を伴うSEOのことです。
もともと「スパム(SPAM)」はネット上の用語で、不正や迷惑行為を意味する言葉です。
例えば「スパムメール」と言えば、内容が薄かったり悪意があったりするメールを、見境なく大量に送信する迷惑行為を指します。
同じように、品質が低く悪意のあるSEO施策は検索エンジンやユーザーに迷惑をかける行為とみなされ、ペナルティが課されるのです。
SEOスパムには多くの種類がありますが、大きく分けると下記の3タイプです。
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①不正に集めた低品質の被リンク
検索エンジンがサービスを開始した当初より、外部からの被リンクは重要な評価項目の1つです。
しかし被リンクは、そのコンテンツが重要なものだと第三者が判断し、自発的にリンクを貼るからこそ価値があります。
いくら被リンクが多くても、サテライトサイトからの自作自演のリンクなど、不正な手段で得られたものは典型的なSEOスパムです。
サテライトサイトとは?作り方やペナルティのリスク、見本・事例を紹介
②不正に作成した低品質のコンテンツ
被リンクと並ぶ重要な評価項目が、コンテンツ内容そのものです。
検索エンジンでは、オリジナリティが高く、ユーザーの疑問に的確に答えるコンテンツが評価されます。
低品質のコンテンツはもちろん、不正に作成されたコンテンツも、SEOスパムです。
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③外部からの不正なリンクやハッキング
自分たちに悪意がなくても、外部からの不正行為を受けることがあります。
例えば管理権限がハッキングされ、SEOスパムに当たる操作を勝手にされてしまうケースです。
マルウェアを埋め込まれユーザー情報をハッキングされたり、低評価のサイトからリンクを送られ同じグループとみなされたりする可能性もあるでしょう。(スパムリンク)
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SEOスパムの確認方法
実際にSEOスパムをやらかしていないか、外部からの攻撃を受けていないか、確認する方法をいくつかご紹介いたします。
①Google検索を使う
サイトの規模が小さいうちは、検索機能で確認するのが有効でしょう。
Googleの検索ボックスに「site:」と入力し、その後にサイトのドメインを付け、「site:xxxxx.com」の形で検索してください。
インデックスされたページが一覧表示されますが、実際のページ数より表示件数が少ない場合、何らかの異常が発生しています。
②Googleサーチコンソールを使う
「Googleサーチコンソール」のトップ画面左側のメニューの下部にある「セキュリティと手動による対策」から「手動による対策」をクリックしてください。
特になければ下記の画面が出ますが、何らかのペナルティを受けている場合は状況や対処法などが表示されます。
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③専用のソフトウェアを使用する
SEOスパムやマルウェア攻撃などをスキャンするソフトウェアがいくつかあります。
いずれもサイトのURLを入力すると、そのサイトがスパム判定を受けているかどうかを確認できます。
またWordPressでは「Akismet」など、SEOスパムを除去するプラグインも提供されています。
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SEOスパムのペナルティのリスク
SEOスパムと判断されると、下記のようなペナルティやリスクが生じます。
直接的なリスク
まずはペナルティで起こる直接的なリスクを見てみましょう。
①検索順位が下がる
最も目に見える形でのペナルティが、検索順位の下落です。
検索順位が下がるとサイトへの流入量が減り、収益などに大きな影響が出ます。
②検索結果に表示されなくなる
さらに厳しいリスクが、検索結果に表示されなくなることです。
検索しても出てこないため、検索エンジンからの流入がゼロになります。
あるはずのページが「無いもの」として扱われる、いわゆる「Google八分」です。
③インデックスが削除される
最も大きなペナルティが、インデックスごとの削除です。
これまでの2つは、インデックスはされつつ、低評価を付けられるものでした。
しかしインデックスの削除は、Google自身が存在を認識しなくなり、クローラーの巡回頻度も低下します。
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間接的なリスク
ペナルティには下記のようなリスクもあります。
ユーザー満足度が低下する
ペナルティを受けるということは、低品質なコンテンツだと判断されたとも言えます。
SEOスパム自体、検索エンジンへの最適化が目的であり、ユーザーの利便性は考慮されていないでしょう。
そのようなページばかりではユーザーを満足させることはできません。
サイト全体の評価が下がる
個々のページの評価が下がると、サイト全体の評価も下がる傾向が高まります。
特にトップページを対象としたペナルティは、サイト全体への影響が甚大です。
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SEOスパムの種類一覧
SEOスパムを細かく分類すると下記のような一覧になるでしょう。
- リンク系スパム:
有料リンク
リンクファーム
隠しリンク
外部サイトへの投稿・コメント(ユーザー生成スパム)
トラックバック - キーワード系スパム:
キーワードの詰め込み・ワードサラダ
隠しテキスト
隠しフレーム
alt・メタディスクリプション属性スパム - コンテンツ系スパム:
クローキング
アフィリエイトプログラム
構造化データやリッチスニペットの悪用 - 盗用・コピー系スパム:
コピーコンテンツ・ミラーサイト
重複コンテンツ - 転送系スパム:
リダイレクト
ドアウェイページ
ポップアップ悪用 - 外部からのスパム攻撃:
サイト内検索スパム
マルウェアやハッキング
他サイトからのスパムリンク
Googleでは、これらの詳細に関するドキュメントを「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」として公開しています。
リンク系スパム
かつて、被リンクの数がSEOに直結していた時代がありました。
現在では被リンクの質も重視されていますが、それでも一定の判断材料です。
具体的には下記のようなものが、リンク系スパムと呼ばれます。
有料リンク
既に一定の評価を得ているサイトからの被リンクを、有料で販売しているケースがあります。
本来は自然に付くべきリンクを買うわけですから、その時点で一種の不正であり、SEOスパムとして認識されます。
運営歴の長いサイトでは、以前購入した有料リンクが残っていることもあるので注意が必要です。
リンクファーム
同じ被リンクでも第三者ではなく、自分で作ったサイトからリンクを集める方法をリンクファームと言います。
バックリンク用のWebサイト群(サテライトサイト)を作り、自作自演で相互リンクを貼り合う、古典的な方法です。
こうしたサイトの多くは元から低評価で、リンクファームの一部がバレると、芋づる式にサイト群が評価を落とす可能性もあります。
特に、テーマとして関連性のないサイト同士での相互リンクには殆ど意味がありません。
隠しリンク
人の目には見えず、検索エンジンだけが認識できるリンクを「隠しリンク」と言い、ペナルティの対象です。
例えば、リンクのテキストを背景色と同じ色にすると、ユーザーからは見えなくなるでしょう。
他にも以下の方法があります。
- CSSで非表示にする
- 画面の外にズラす
- 文字のサイズを0にする
- 画像や動画の後ろに隠す
見えないリンクはクローラーにサイト内を循環させるのに役立ちますが、ユーザーを騙していると解釈され、スパム認定されるのです。
外部サイトへの投稿・コメント(ユーザー生成スパム)
投稿やコメントを受け付けているサイトやブログ、フォーラムや掲示板に自分のサイトのURLを貼り付けると、そこから被リンクを獲得できます。
第三者が有益なコンテンツを紹介するため、特定のURLを貼るのは問題ではありません。
しかし、自作自演は不正と解釈されます。
リンクを貼ったサイトが低評価の場合、そこからのリンクは更に評価されません。
低評価のサイトでは投稿へのチェックが働かず、コメント欄が被リンク目当ての内容で埋もれてしまうこともあるでしょう。
低評価のプレスリリースサイトに記事を投稿し、そこから被リンクを得た場合も同様です。
トラックバックスパム
トラックバックは、他サイトのURLを引用のために貼った際、そのサイトの管理者に引用を通知する仕組みです。
通知が承認されると、相手のページに引用ページのURLが貼られ、被リンクを獲得できます。
本来は同じ趣味のブログなどで、相互リンクを円滑にするための機能でした。
これを悪用し、大量の被リンクを獲得するのがトラックバックスパムです。
特に、高評価のブログなどからテーマに関係ない内容を引用し、トラックバックを仕掛けた場合はSEOスパムとなるでしょう。
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キーワード系スパム
コンテンツを作る上で最も重視すべきSEOはキーワードに関する施策であり、リンク系と並び、SEOスパムの主軸です。
具体的には過剰なキーワード対策の他、ページ内のテキストに加工を行い検索結果を操作するという行為が含まれます。
キーワードの詰め込み
テーマに関するキーワードを文中に入れるのはSEOの基本です。
しかし、詰め込み過ぎは可読性を落としますし、テーマと関係の弱いキーワードの詰め込みは下記のような問題に繋がります。
- 本来のテーマを満たさず内容が希薄になる
- ユーザーの検索意図に沿わない内容になる
- 検索エンジンに専門性の高いサイトだと誤解させる
ワードサラダ
キーワードの詰め込みを更に進めたものがワードサラダです。
ワードサラダは、テーマに関連するキーワードを機械的に集め、それを入れた文章を自動生成します。
前後の流れなどを無視するため、日本語として支離滅裂で、コンテンツとしての価値は殆どありません。
以前はキーワードさえ入っていれば一定の評価を得られましたが、現在では文章の意味まで評価するため、効果は下がっています。
alt・メタディスクリプション属性スパム
サイトのページには、画面に表示される本文以外にも、多くのテキスト情報が潜んでいます。
例えば画像の説明に使われる「alt属性」や、検索結果画面での説明に使われる「メタディスクリプション」などです。
これらは検索エンジンに認識されてSEO効果を生みますが、大量のテキストを忍ばせる行為はSEOスパムに繋がります。
特にメタディスクリプションは、検索結果での表示さ文字数が120文字前後なので、それを大幅に超えるのは問題です。
他にも、リンクタグやタイトルタグなど、テキストが登録できる場所はよくあります。
このような忍ばせ手法は「キーワードスタッフィング」とも呼ばれ、不正行為です。
隠しテキスト
隠しリンクと同じく、背景と同じ色にするなどして、文字を不可視にしたのが隠しテキストです。
例えば、ワードサラダは不自然な文章ですが、いっそ見えなくしてしまえばキーワードをいくらでも好きに並べられます。
本来は見えるべきテキストを見えなくする訳ですから、迷惑行為に他なりません。
隠しフレーム(フレームタグ悪用)
画面を分割して異なるHTMLを表示させる仕組みを「フレーム」と言いますが、ユーザーに見えない小さなフレームを作り、キーワードを盛り込む手法です。
現在ではフレームを使ったページは殆どありませんが、仮に使っても検索エンジンに容易に見抜かれます。
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コンテンツ系スパム
まとまった数のコンテンツの作成は、一般的にはSEOに役立ちます。
しかし低品質のコンテンツをいくら作ってても、無駄な情報を垂れ流すだけです。
特に不正な手段で作成したコンテンツはSEOスパムと見なされます。
クローキング
クローキングは、ユーザーと検索エンジンのクローラーとで異なる内容を見せる手口で、悪意のある手法の代表格です。
例えば、クローラーにはきちんとした内容を見せる一方、ユーザーにはギャンブルやアダルトなどに関する別画面を表示します。
これにより検索順位を維持しつつ、ユーザーからの収益を高めるのです。
仮に悪意がなくても、下記のように想定外のクローキング状態になるケースもあるので注意しましょう。
- 会員ページ
登録会員が見られるページを、インデックス登録されてしまった場合です。
内容を見られると思ってやって来た一般のユーザーに、「会員登録はこちら」などが表示されます。 - デバイスでページを振り分けている
パソコンとスマホで異なるページを用意し、内容に違いを付けた場合もクローキングに抵触する可能性があります。
内容に差を付ける場合は、URL自体を分けましょう。
クローキングとは?手法の具体例やSEOとの関係、リスクを解説
アフィリエイトプログラム
アフィリエイトリンクを仕込んだページが、それだけで低評価となるわけではありません。
しかし、傾向として下記のようなケースが多いのも事実です。
- 商品の紹介文が販売元のサイトのコピペ
- 紹介文以外に付加価値的な情報がない
- 似たページやサイトが他にも沢山ある
使用感のレビューや欠点も含めて紹介するなど、オリジナル性を高める必要があります。
構造化データやリッチスニペットの悪用
構造化データは、検索エンジンにサイトの情報を効率的に渡します。
しかし、データの中身をサイトと別の情報に捏造するのは不正です。
また、検索結果画面で、URLなどと共に紹介される情報を「スニペット」と言います。
中でも画像や商品の評価など、コンテンツ的に目立つのが「リッチスニペット」です。
内容次第でクリック率の向上が見込めますが、実際とは異なる情報を出すことは不正になります。
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盗用・コピー系スパム
他サイトの情報をそのまま掲載する手法は、著作権を侵害する可能性もあり、安易な盗用・コピーは厳禁です。
コピーコンテンツ
他サイトのコンテンツを丸ごとコピーしたものを「コピーコンテンツ」と言い、モラル的にも許されません。
全体の一部であれば「引用」という形が取れますが、引用部分を明確に示し、出典元のURLも掲載する必要があります。
コピーコンテンツの問題点は、「コピーされた側」も、コピーした相手と一緒に評価が下がってしまう可能性があることです。
そうなった場合、検索エンジンに対して申し立てを行う必要があります。
ミラーサイト
コピーコンテンツはページ内の一部の話ですが、全体をコピーしたものがミラーサイトです。
完全な模倣をすることで、個人情報を抜き取る「フィッシングサイト」にもなり得ます。
そのようなサイトを作ろうという人は、流石にあまりいないでしょう。
しかし、サイトの構成や個々のコンテンツの内容を真似しすぎると、ミラーサイトと解釈されてしまう可能性もあります。
重複コンテンツ
サイトの規模が大きくなるほど、テーマに関する網羅性が高まる反面、内容が重複するコンテンツが出てくる可能性が高まります。
殆ど同じ内容のコンテンツが大量に掲載されていると、コピー元が自サイトであっても、SEOスパムに問われる可能性が出るでしょう。
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転送系スパム
ユーザーが意図しない動作や転送も、スパム的な手法としてマイナス評価となります。
転送(リダイレクト)の悪用
リダイレクト自体には問題ありませんが、ユーザーが不利益を受ける設定は許されません。
転送の目的は、サイトやページが移動した場合など、ユーザーを求める情報に繋げることです。
ユーザビリティに悪影響を与える動きは、クローキングと同様、問題があると判断されます。
ドアウェイページ
ドアウェイページは「ゲートウェイページ」や「誘導ページ」とも呼ばれます。
手口としては、クローキングに近いものです。
検索エンジン向けのWebページを作成し、そこから特定のコンテンツにユーザーを誘導します。
だからと言って、検索エンジン向けのドアウェイページが高品質ということではありません。
逆に、低品質な場合がほとんどです。
例えば、「世田谷区 クリーニング店」「中野区 クリーニング店」など、細かいキーワードを差し替えたページを大量に作ってアクセスを集めます。
しかしそこにある情報は極めて貧弱であり、より詳しい情報を見たいのならば、別のサイトに行くよう誘導するのです。
ポップアップ悪用
ブラウザのウィンドウに被さるように表示される広告などを「ポップアップ」と言いますが、それを悪用した手口です。
ポップアップを閉じようとしても何度もしつこく表示されたり、画面のどこをクリックしても別画面が立ち上がるなど、ユーザー体験を損ないます。
さらにポップアップの行き先がユーザーにとって不利益になるようなら、転送やドアウェイページと同様、スパム認定が高まるでしょう。
外部からのスパム攻撃
その他、スパムに該当する手法をまとめました。
サイト内検索の悪用
通常、サイト内検索で発生したURLは一時的なもので、インデックスはされません。
しかし、ページのURLを取得すること自体は可能です。
そこで、その機能を悪用し、外部から競合サイトの評価を落とす手口です。
まず、無意味なキーワードでサイト内検索を行い、相手サイトのページのURLを取得します。
次に、自分で用意した攻撃用のサイトにそのURLを貼り付け、記事として公開するのです。
すると、検索エンジンのクローラーは攻撃用のサイトらリンクを辿って、サイト内検索結果ページを検知します。
対象のサイトにしてみれば何の意味もない検索結果が大量にインデックスされ、検索エンジンからの評価が下がります。
サイト内検索とは?やり方や導入設置のメリット、実装方法を解説
マルウェアやハッキング
セキュリティに問題があると、外部からハッキングされ、マルウェアや迷惑行為の母体になってしまうかもしれません。
マルウェアは、悪意のあるソフトウェアです。
サイトに埋め込まれることで、詐欺ページへの誘導やウイルスのダウンロードリンクの設置など、ユーザーに損害を与える振る舞いをします。
ハッキングにより、隠しテキストやクローキングなど、SEOスパムを実行されてしまう危険もあるでしょう。
他サイトからのスパムリンク
リンク系スパムは、主には自分で運営するサイトやサイト群で行うものです。
しかし、外部から望まない被リンクを勝手に張られることもあります。
仮に善意でも、低品質なページからの被リンクは好ましくありません。
まして悪意を持った被リンクは、自サイトにとってはスパムリンクと言って良いでしょう。
サイト内検索の悪用と同様、競合するサイトの評価を下げることが目的です。
スパムリンクとは?目的やリスク、確認・判定方法、増加したときの対処法
SEOスパムの判定基準とは
SEOスパムには多くの種類がありますが、その判定基準となるのが、「Googleウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」です。
ここで示されている基準に抵触している場合、GoogleからSEOスパムと判定されます。
具体的には、以下の項目立てとなっており、それぞれ詳しく説明されているので一読してください。
- クローキング
- 誘導ページ
- ハッキングされたコンテンツ
- 隠しテキストと隠しリンク
- キーワードの乱用
- リンクスパム
- 機械生成トラフィック
- マルウェアや悪意のある動作
- 誤解を招く機能
- 無断で複製されたコンテンツ
- 不正なリダイレクト
- スパム行為のある自動生成コンテンツ
- 内容の薄いアフィリエイト ページ
- ユーザー生成スパム
SEOスパム判定された時の対処法
検索エンジンにSEOスパムと判断された場合、下記の対応を行いましょう。
- スパム判定に至った原因を確認
- 「Googleウェブマスター向けガイドライン」に従って修正
- 再審査のリクエストを申請
手動ペナルティを受けた場合は、Googleサーチコンソールで確認できますが、アルゴリズムペナルティの場合は自力で原因を突き止める必要があります。
手動ペナルティを受けた場合
Googleサーチコンソールのダッシュボードの「セキュリティと手動による対策」をクリック。
「手動による対策」を選択すると、手動ペナルティの状況が確認できます。
下記の画面の場合、手動によるペナルティは受けていない状況です。
問題があった場合は、ここにメッセージが届くので、内容に従って修正してください。
修正を終えたら、「手動による対策」で表示されている「審査をリクエスト」ボタンから再審査を申請します。
- スパムと判定された内容
- 修正のために行った手段と実施の手順
- 修正された結果
を分かりやすくまとめましょう。
審査が通ればペナルティが解除されます。
Googleペナルティとは?解除方法や確認方法、原因と対策を解説
アルゴリズムペナルティを受けた場合
Googleアルゴリズムにより順位が低下してしまった場合、Googleサーチコンソールで確認ができないので、原因の特定が難しいケースもあります。
ガイドラインや先ほど紹介したツールなどから、怪しいと思われる箇所を見直してください。
修正後は、クローラーの巡回を待ちます。
Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説
リンクファームなどの否認
外部から望まない被リンクを受けている場合、その否認を検索エンジンに自己申告できます。
Googleサーチコンソールの左メニューの「リンク」をクリック。
画面右上の「外部リンクをエクスポート」を選択してください。
形式はGoogleスプレッドシート、Excel、CSVから選べます。
エクスポートしたリストの中から否認したい被リンクを選び、テキストファイルで保存します。
Googleサーチコンソールで「リンクの否認」をクリックし、作成したテキストファイルを選択。
「送信」ボタンをクリックしてアップロードしてください。
リンク否認ツールの使い方とは?低品質サイトから被リンクを否認する方法と効果が出るまでの期間
SEOの王道は利便性の高い良質なコンテンツ作成
細かいテクニックは多々あれど、最も重要なのは良質なコンテンツの提供です。
良質なコンテンツとは、下記のように説明できるでしょう。
- ユーザーにとって利便性が高い
- E-E-A-Tを満たしている
- ユーザーの検索意図を満たしている
ユーザーにとって利便性が高い
GoogleはSEOについて、抜け道を探すのではなく、ユーザーの利便性の向上を目指すべきと明言しています。
Google検索セントラル「ウェブマスター向けガイドライン」(Google検索の基本事項)
ユーザーの悩みの解決や、ユーザーが知りたい情報にフォーカスしたコンテンツを作りましょう。
下記のような条件を満たすことも重要です。
- 独自性のある情報がある
- わかりやすい文章で書かれている
- 長すぎず短すぎない、適度な文字数
- 広告の量が多すぎず、可読性を損なわない
- スマホでも読みやすいデザインや文字サイズ
- ページの表示速度が早く、ストレスを与えない
- H1〜H6などの見出しタグが最適化されている
- テーマに適切なキーワードが使われている
- 関連ワードや共起語が豊富に入っている
- 効果測定してリライト改善を行っている
記事コンテンツSEO対策
100のチェックリスト
E-E-A-Tを満たしている
Googleが定める品質評価ガイドラインでは「E-E-A-T」という4つの軸が重要だと記載されています。
E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略です。
従来は「E-A-T」とされていましたが、それに「E(経験)」が加わり、現在のスタンダードな評価基準となりました。
E-E-A-Tとは?Googleが重要視するSEO最重要評価基準を高める施策を解説!
ユーザーの検索意図を満たしている
検索エンジンのユーザーは、欲しい情報をキーワードにして入力します。
キーワードの奥にあるユーザーの悩みや好奇心を想像し、その検索意図にマッチした内容を提供しましょう。
また、作成したコンテンツがユーザーの検索意図にマッチしているかどうかを知るためにも、検索順位の計測が必要です。
ただし、一般的にブログサイトでは100以上のキーワードに対策することがほとんど。
現実的には、それらを全て手作業で追いかけて行くのは困難でしょう。
そこで必要となるのが、キーワードに関する順位変動などを記録し、今後の施策を決める基盤となる自動化ツールです。
例えば、クラウド環境で稼働する「Nobilista(ノビリスタ)」は、強力な味方となるでしょう。
対象となるキーワードの順位を常に追いかけてくれます。
中でも、強化すべきキーワードのヒントを得られるのはSEO的に嬉しい点です。
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SEOスパムに関するよくある質問
最後に、SEOスパムでよくある質問をまとめました。
SEOスパム(検索エンジンスパム)とは?
検索エンジンが求める基準を離れ、過剰な検索エンジン対策を行う迷惑行為を指します。
具体的には、Googleのガイドラインに違反する行為がスパム認定されると考えて良いでしょう。
ペナルティを受けているか、どうすれば分かりますか?
Googleで手動ペナルティを受けた場合は、Googleサーチコンソールに通知が届きます。
クローラーでの自動ペナルティでは通知がないので、自分で判断するしかありません。
ペナルティを受けたら、どうしたら良いですか?
手動ペナルティの場合は、指摘された問題点を確認して修正し、再審査をリクエストします。
自動ペナルティでは、自分で思い至る点を修正し、次にクローラーが来るのを待ちましょう。
AIで生成したコンテンツはSEOスパムに該当しますか?
2023年2月にGoogleが公開した「AI 生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」では、「AIで生成されたという理由だけでスパム判定を下すことはしない」と書かれています。
ただし「検索ランキングの操作を目的にAIコンテンツを生成すれば、スパムに関するポリシー違反とみなす」とも書かれており、品質の低い記事を無駄に作ると、既存の基準に引っかかりSEOスパムと判定される可能性もあるでしょう。
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