SEO

更新日2024年03月06日

Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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最新のGoogleアルゴリズムアップデート速報

最新のアップデート(※1)2024年3月5日〜
対象のアルゴリズムコアアルゴリズム

※1)Google公式Twitter より

「検索アルゴリズム」は、検索順位を決める重要な要素です。
つまり、Googleアルゴリズムを知ることで、SEOへの理解をより深めることができます。
また、SEOの根本的な部分でもあるため、通用しないSEOや間違ったSEOに惑わされることもないでしょう。

Google検索エンジンで上位表示を目指すサイト運営者や担当者は、ぜひGoogleアルゴリズムについても理解を深めることをおすすめします。

ということで、今回のNobilistaブログのテーマは「Googleアルゴリズム」です。
Webの知識がない方でも理解できるよう、わかりやすくお話していきたいと思います。

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検索順位が下がった原因とは?順位急落後にやってはいけないことと対処法を解説

Googleアルゴリズムとは?

Googleアルゴリズムとは、Googleの検索結果に表示するページとその掲載順位を決めるための評価方法です。
より具体的には、検索結果を出すために必要な以下のふたつの動作を、Googleは複数のプログラムを使っています。

  • ユーザーに適したページをインデックス内から探し出す
  • 有益で質の高いコンテンツから順に、ページを並べ替えて表示する

このプログラムの中身をどのように組み、インデックスからページをどのように探し出し、検索順位を決める際にどのような方法や手順を使うか。
この方法・手順を指す言葉が「検索アルゴリズム」です。

基本的に、検索アルゴリズムは評価方法という理解で問題ありません。
ただ、この説明だけだと漠然としていて、アルゴリズムを具体的にイメージできないという方もなかにはいるでしょう。

そこで、ここからはさらに「アルゴリズムとは何か」について深堀をしていきたいと思います。
Googleアルゴリズムをより深く理解したいという方はご覧ください。

  1. 検索エンジンの仕組みとアルゴリズムの役割
  2. アルゴリズムの意味は「やり方」や「手順」
  3. Google検索エンジンには「複数のアルゴリズム」がある
  4. アルゴリズムは「シグナル」によって検索順位を決めている
  5. YahooはGoogleと「同じ」アルゴリズムを使用している
  6. アルゴリズムの内容は「公開されてない」

検索エンジンの仕組みとアルゴリズムの役割

Googleの検索順位は、人間が一つひとつ決めているわけではありません。
世界中の人々が検索するたびに順位を決めていたら大変でしょうし、そもそも不可能です。

そこでGoogleは、複数のプログラムによって、ユーザーごとに適した検索順位を自動で表示させる仕組みを作りました。

特定の検索クエリに対して最も有用または信頼できると思われるコンテンツを表示させるために、検索アルゴリズムなどの自動化システムを使用します。

引用:検索に対する Google のアプローチ

あらためて、Webサイト(ページ)が検索結果に表示されるまでの流れを見てみましょう。

  1. クローラーがWebサイトを巡回し、中身を把握する(=クロール)
  2. Webサイトの情報を持ち帰り、データベースへ格納する(=インデックス
  3. ユーザーが検索するたびに、データベース内から適切なWebページをアルゴリズムに沿って探し出す
  4. 選んだWebページを有益で品質の高い順番に並び替えて表示する

上記の 3 と 4 が、検索アルゴリズムのおもな役割です。
たとえば、Excel のソート機能(並び替え)も、アルゴリズムによって行われています。
そのソート機能をもっと複雑にしたものが、検索エンジンの検索順位と考えるとわかりやすいかもしれません。

ただ「Gogoleアルゴリズムは、Googleの検索順位を決めるプログラムのひとつってこと?」というと少し説明不足です。
厳密には、検索順位を決めるものではなく、決め方や手順そのものを指します。

クローラーとは?意味や仕組み、巡回を促す対策、拒否する方法をわかりやすく解説

アルゴリズムの意味は「やり方」や「手順」

アルゴリズムというと、IT用語のイメージが強いでしょう。
とくに、プログラミングの分野では「プログラムの処理手順」の意味で多く使われています。

ただ、本来は問題解決に至るまでのプロセス、つまり何か目的を達成するまでのやり方や手順といった意味を持つ言葉です。

「アルゴリズム」というのは、コンピューターで計算を行うときの「計算方法」のことなんですが、広く考えれば、何か物事を行うときの「やり方」のことだと言っていいでしょう。

引用:アルゴリズムってなんでしょか

そのため、料理のレシピや家具の組立説明書も一種のアルゴリズムといえるでしょう。

では「検索アルゴリズム」と「やり方・手順」という意味を結びつけるために、まずプログラミング画面を思い浮かべてください。
そうです、あのなぞの文字列が書かれた画面です。

画面の文字は、コンピュータの言語で書かれた指示といえます。
ここで少し、コンピュータへ指示する(プログラムを組む)とはどういうことかについて、簡単に触れておきましょう。

たとえば「スープを飲む」という目的を達成したいとします。
人間の場合は「スープを飲んで」と指示すれば、理解してスープを飲んでくれるでしょう。

しかし、コンピュータの場合はそうはいきません。
コンピュータへの指示は、必要な動作とその手順を一つひとつ伝える必要があります。
「スープを飲む」という指示もこのような感じになります。

  1. 右手にスプーンを持って
  2. スプーンでお皿のスープをすくって
  3. スプーンを口に持って行って
  4. 口を開いて
  5. 開いた口のなかに、スープを流し込んで
  6. スプーンを口から出して
  7. 口のなかのスープを飲み込んで

プログラミング画面の謎の文字列には、こういった細かい指示がたくさん書かれていると考えましょう。

話を戻すと、検索結果に表示するページを探すことも、検索順位を決めることも、すべてコンピュータへの指示で行っています。
その指示の出し方、つまり検索順位を決める方法や手順が「検索アルゴリズム」となるわけです。

そして、スープを飲む方法は、もちろんスプーンを使うやり方だけではありません。
つまり、アルゴリズムは、同じ目的を達成するものでも複数存在します。
お皿から直接スープを飲むというアルゴリズムもあれば、ストローを使って飲むといったアルゴリズムもあるということです。

ちなみに、このアルゴリズムが変わることで、目的を達成する速さ(=コンピュータの処理速度)が大きく変わることがあります。
たとえるなら、スプーンでちまちま飲むよりも、お皿を持ってぐっと飲んだ方が早いといった感じでしょうか。

このように、検索アルゴリズムはひと言で表すと評価方法です。
ただ、より具体的に表すのなら、検索プログラムの”組み方”といえるでしょう。

アルゴリズムは「シグナル」によって検索順位を決めている

最適なページを検索結果に表示するために、検索エンジンはアルゴリズムに沿って、さまざまなシグナルを参考にしています。

Google検索エンジンが、いくつもの評価チェックシートを持っており、一つひとつのチェック項目(=シグナル)とページを照らし合わせて順位を決めていると考えたらイメージしやすいのではないでしょうか。

もちろん、どのようなシグナルか、そのシグナルをどう使っているかは公表されていません。
ただし、良質なコンテンツ制作のために、あえてシグナルを公表することもあります。

Google のアルゴリズムは、ユーザーが検索したいものを特定できる 200 以上の固有のシグナル(手がかり)に基づいています。

引用:Penguin が Google のコア アルゴリズムの一部になりました

忘れてしまいがちですが、検索エンジンに人間のような感情はありません。
つまり、検索順位を決める評価方法は、とてもシステマチックなものだと考えましょう。

たとえば、コンテンツの信頼性を評価する際は、信頼性が高いといえる共通するシグナルをGoogleが考えてアルゴリズムに反映させます。

仮に、コンテンツ制作者の名前がネット上にどれだけ出てくるかをシグナルとした場合。
「その数が多い=信頼性が高い」と検索エンジンは判断し、上位表示をさせるといったイメージです。

もっというと、アルゴリズムを視覚的に表現したものとして「フローチャート」があります。

このフローチャートのような形でなければ、基本的にアルゴリズムは動作しません。
上の図はとても簡略化したものですが、たとえ指示が複雑になっても、ベースの部分は一緒です
いかに、検索エンジンがシステマチックか伝わったと思います。

そのため、人間の思う良質なコンテンツと、検索エンジンの思う良質なコンテンツが、かならずしも同じではないことをよく理解しておきましょう。
もちろん、このような人間との感覚のズレをなくすために、Googleは日々、アルゴリズムのアップデートを重ねているのです。

Google では、コンテンツに関して収集できるシグナルを探しています。
そして、それらのシグナルが、人間が関連性を評価する方法とどれくらい相関しているかを確認しています。

ページ間のリンクは、有名なシグナルの 1 つです。
それ以外にも多数のシグナルが存在しますが、検索結果の信頼性を守るためにそれらのシグナルは公開されていません。

引用:Googleコアアップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと
検索エンジンの仕組み・特徴とは?Google検索で順位が決まる仕組みを分かりやすく解説

シグナルの重みは検索キーワードで変わる

各シグナルは、検索キーワードによって、その重み(評価への影響力)を変えることがあります。

たとえば、東京のいまの天気が知りたいとしましょう。
「東京 天気」と検索したとき、上位表示したコンテンツの質がいかに高くても、昨日のお天気情報であればきっとユーザーは不満に思うはずです。

そこで、このような検索キーワードでは、情報の鮮度(新しさ)に関するシグナルの重みが大きくなるよう設定されます。
そうすることで、新しい情報が優先的に上位表示され、ユーザーの求める情報が提供できるからです。

SEOの観点から見ると、検索キーワードと検索意図によっては、すべきSEO対策も変わるということがこの点でわかります。

SEO対策とは?初心者にも分かりやすく上位表示の基本的なやり方を解説

Google検索エンジンには「複数のアルゴリズム」がある

検索順位の決定には、多くのアルゴリズムがかかわっています。
なかでも、「コアアルゴリズム」は、検索順位決定のベースにもなっており、ほとんどのWebページにかかわる、影響力の大きいアルゴリズムといえるでしょう。

コアアルゴリズムは、Googleのゲイリー・イリェーシュ(Gary Illyes)氏によると、何百もの小さなアルゴリズムによって構成されているようです。

何かひとつのシグナルを見つけるアルゴリズムではないため、たとえコアアルゴリズムの影響を受け順位が下がったとしても、どこかひとつを改善すれば良いというわけではないとのこと。
コアアルゴリズムが、複雑な構成をしていることがよくわかります。

YahooはGoogleと「同じ」アルゴリズムを使用

基本的に、アルゴリズムは検索エンジンごとに違います。
Microsoftの「Bing」など、Google以外の検索エンジンで上位表示をしたい場合は、それぞれのアルゴリズムを考慮してSEOを行いましょう。

ただし、Yahoo検索エンジンに関しては、採用されているアルゴリズムはGoogleと同じものです。
また、2023年現在、日本国内における検索エンジンのシェア数が、Google「7割」、Yahoo「1割」ということを考えると、日本人ユーザーが対象のWebサイトであれば、まずGoogleアルゴリズムを意識してSEOを行っておけば問題はないでしょう。

ちなみに、検索順位は検索履歴や現在地など、検索キーワード以外の情報にも大きく影響を受けています。
つまり、たとえ同じアルゴリズム、そして同じ検索キーワードでも、YahooとGoogleの検索結果が同じになるとは限りません。
もっというと、同じGoogle検索でも、ユーザーが違えば検索結果が変わる可能性は十分にあります。

そのため、SEOを行なっていく際には、正確な検索順位がわかるキーワード順位チェックツールといった専用のSEOツールを活用しましょう。
早いうちにSEOツールを導入することで、データも蓄積され、今後の施策検討の役にも立つのでおすすめです。

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アルゴリズムの内容は「公開されてない」

Googleアルゴリズムの内容やシグナルは、公開されていません。
もちろん、そこに手を加えさえすれば、質が低くても上位表示ができてしまうからです。

実際、過去に被リンクの数がシグナルであることをGoogleが公開し、リンクの売買やスパムリンクが横行した時代がありました。

1999 年、Google の創業者は、Google のアルゴリズムの中心的な新技術、PageRank に関する重要な論文を発表しました。
この論文が公開されると、スパム送信者たちは、リンクを売買し合って Google の検索結果を操作しようとしたのです。

引用:スパムを検出して関連性と信頼性の高い検索結果を提供

基本的にアルゴリズムの内容は、Googleの社員以外知らないと理解をしておきましょう。
また、たとえGoogle社員でも、機密保持契約があるため他人にGoogleアルゴリズムについて話すことは禁じられています。
それは元Google社員でも同様です。
もし元Google社員という人物がSEO対策の営業に訪ねてきたら、十中八九ウソだと思ってください。

ただし、いくつかのGoogleアルゴリズムやシグナルについては、良質なコンテンツ作りのためにGoogleが意図的に公開しているケースもあります。
次の項目では、Googleアルゴリズムにかかわる5つの要」について触れていきましょう。

被リンクの増やし方とは?良質な被リンクの獲得方法や事例を紹介

Googleアルゴリズムに関連する5つの要因

Googleは公式ページ「結果を自動的に生成する仕組み」にて、検索順位を決める主な要因を5つ挙げています。

  1. ユーザーの検索意図
  2. コンテンツの関連性
  3. コンテンツの品質
  4. ユーザビリティ
  5. ローカル情報とユーザー設定

コンテンツ制作時には、ぜひともこの5つの要因を意識するようにしましょう。

ユーザーの検索意図

まず検索エンジンは、ユーザーに有益なコンテンツを提供できるよう、検索キーワードから検索意図を読み取ります。

検索意図とは、ユーザーが検索した「理由」や「目的」です。
「ナス レシピ」という検索キーワードであれば「ナスを使ったレシピが知りたい」という検索意図が考えられるでしょう。

また、検索キーワードから以下のようなことも可能だとGoogleは言及しています。

  • 検索キーワードの誤字を見つけられる(修正を提案できる)
  • 類義語や類似した文章表現を理解できる
  • キーワードから適切なコンテンツ形式も推測できる
  • 同じ言語のコンテンツを選べる
  • 検索キーワードによっては、地域を絞った検索結果を出せる
  • 時事的なキーワード(トレンドキーワード)は、情報鮮度の新しいページを優先する

検索アルゴリズムが検索意図によって有益なコンテンツを判断するように、検索意図によって作るべきコンテンツもまた変わるといえます。
SEOの観点からいうと、まずねらうキーワードの検索意図はどういったものか、よく考えることが大切だということでしょう。

検索意図とは?分類や調べ方、分析に役立つSEOツールを紹介

コンテンツの関連性

次に、検索意図に対して、ページのコンテンツがどれだけ関連性の高いものか、検索アルゴリズムをもとに評価します。

関連性を評価する際の代表的なシグナルは、たとえばコンテンツ内の検索キーワードの有無が挙げられます。
ただし、単純にキーワードの数だけを見ているのではなく、検索キーワードと関連性の高い要素(画像や動画、リスト)が含まれているかなど、ほかのさまざまなシグナルを用いて複合的に関連性を評価しているようです。

SEOライティングのコツとは?初心者にも分かりやすく書き方の手順を紹介

コンテンツの品質

関連性の高いコンテンツを探し出した後は、ページの表示優先順位(検索順位)を決めます。
優先されるのは、有益で質の高いコンテンツを持つページです。

有益かどうか、質が高いかどうかは、たとえば、「E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)」を判定できるシグナルを活用します。

被リンクの数やサイテーション(言及)の有無は、信頼性が高いことを示す代表的な要素のひとつです。

たとえば、その判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なウェブサイトに含まれているか把握するということがあります。

引用:結果を自動的に生成する仕組み
被リンクの増やし方とは?良質な被リンクの獲得方法や事例を紹介

ユーザビリティ

ときには、Webサイトのユーザビリティを評価するケースもあるようです。

ユーザビリティとは、ユーザーがページを閲覧する際の体験の質のことです。
たとえば、ページの読み込み速度やスマホでの見やすさといった、ユーザーがページを見る際の快適性や安全性だと考えましょう。

コンテンツに関連性や品質にそれほど差がない場合に、このユーザビリティは考慮されます。

そして、このユーザビリティを評価するアルゴリズムのひとつが、2021年に導入された「ページエクスペリエンスシステム」です。
そのシグナルである「ページ エクスペリエンス シグナル」の内容はこちら。

コンテンツにアクセスしにくくなるインタースティシャルの例

ページエクスペリエンスシステムを含めて、日ごろからユーザビリティにも意識を向けることをおすすめします。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?対策や改善方法、評価を計測するツールを紹介

ローカル情報とユーザー設定

記事の冒頭でも触れましたが、ユーザーの現在地や検索履歴、使用言語などのローカル情報やユーザー設定も、検索結果には考慮されています。

たとえば、いま東京にいる状況で「動物園」と調べたら、現在地に基づいて「上野動物園」など東京都内の動物園が表示されるでしょう。
一方で、もし北海道にいるのなら、同じ検索キーワードでも「旭山動物園」といった、北海道ゆかりの動物園のほうが上位表示されやすくなります。

これは「パーソナライズド検索」といって、IPアドレスや位置情報、検索履歴に基づいた検索結果を出す検索システムです。

また、同じ検索キーワードでも、地名を盛り込むことで、そのエリアにある情報を優先して表示するシステムを「ローカル検索」といいます。

このように、検索キーワードのなかには、ローカル情報やユーザーの設定が、順位に大きな影響を与える場合があります。

具体的なシグナルについては、残念ながら書かれていませんでした。
ただ、おそらくは、以下の部分がシグナルになっているのではないでしょうか。

  • Webサイト内の地域名の有無
  • プロフィール(運営会社ページ)の住所
  • Googleビジネスプロフィールの情報
  • Googleレビューの評価
  • コンテンツ内の使用言語
パーソナライズド検索とは?オフ/無効する設定や正確な検索順位計測の方法、Google/Yahooの違いを解説

Googleアルゴリズムのアップデートとは

Googleアルゴリズムは、定期的にアップデート(更新)されるものです。
アップデートには、大きく2つのものがあります。

ひとつは、毎日行われている軽微な「マイナーアップデート」。
もうひとつは、年に数回ある大規模な「コアアルゴリズムアップデート」です。

Google ではほぼ毎日、検索結果を改善するための変更をリリースしています。
ほとんどの変更は小さなものですが、それでも漸進的な改善に役立っています。

(中略)

Google では年に数回、検索アルゴリズムとシステムに重要かつ大規模な変更を加えており、このような変更を「コア アップデート」と呼んでいます。

引用:Googleコアアップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと

ここでは、順位変動といった検索順位への影響力が大きい「コアアルゴリズムアップデート」について解説していきます。

コアアルゴリズムアップデートとは

コアアルゴリズムアップデートとは、検索順位を決めるアルゴリズムのなかでも、とくに基盤となっている「コアアルゴリズム」に対して行うアップデートです。

基盤のアルゴリズムというだけあって、変更に伴う順位変動も起こりやすいことから、SEO界隈がざわつく日としても知られています。

Googleコアアップデートとは?2023年最新情報や歴史・履歴、対策を解説

最新のコアアップデート情報を知る方法

基本的に、コアアルゴリズムアップデートや検索順位に影響する重大なアルゴリズムのアップデートは、事前にGoogleから告知がされます。

アップデートに関する告知は、GoogleのTwitter公式アカウントで行われるので、事前にフォローしておくとよいでしょう。
また、Googleの公式ページにも、Googleアルゴリズムのアップデート履歴を見られるページがあります。

そのほか、Google検索やSEOに関する最新の情報収集を行う際は、以下の記事を参考にしていただけると幸いです。

SEO最新ニュース情報が収集できるまとめサイト一覧!日本国内・海外に分けて紹介

コアアルゴリズムアップデートの頻度

コアアルゴリズムアップデートの頻度は、平均で年に2~3回。
また、アップデート完了までにかかる日数は、平均して12日間です。

アップデート開始日アップデート完了日かかった日数
2024年3月5日展開中
2023年11月2日11月28日26日間
2023年10月6日10月19日13日間
2023年8月23日9月7日15日間
2023年3月15日3月29日14日間
2022年9月12日9月26日14日間
2022年5月25日6月9日15日間
2021年11月17日11月30日13日間
2021年7月1日7月12日11日間
2021年6月2日6月12日10日間
2020年12月3日12月16日 13日間
2020年5月4日5月18日14日間
2020年1月13日1月16日3日間

※すべて米国時間(日本時間では +1日遅れ)

コアアップデートで順位が下がったら

もしコアアルゴリズムアップデートによって、検索順位が下がった場合。
まず、アップデート自体が完了していないのなら、終わるまで様子を見ましょう。

なぜなら、アップデート中しばらくは、検索順位が安定しないからです。
ここで慌てて手を加えてしまうと、かえって順位の下落につながってしまう可能性があります。

アップデート完了後、しばらくして検索順位が回復しないようなら、下がった原因を検討してみましょう。

検索順位が下がった原因とは?順位急落後にやってはいけないことと対処法を解説

コアアップデートは「仕様変更」に過ぎない

順位が下がる原因のひとつは、コンテンツの質の低さです。
ただし、質に問題がなくても、コアアップデートによって順位が下がることがあります。

アルゴリズムのアップデートとは、いわゆる評価方法が変わること。
つまり、アルゴリズムの仕様変更です。
Googleは「いま使っているユーザー」が満足する仕様に、検索エンジンを変更したに過ぎません。

そのため、評価方法を刷新したことで、いままで評価されていなかったページの順位が上がり、その一方でほかのページの順位が下がったという可能性もあります。

場合によっては、次のコアアップデートで「この評価方法やっぱいらなかったね」となり、検索順位が元に戻るということもあるでしょう。

検索順位の推移を記録する方法とツールを紹介!推移を把握するメリットとは

順位が下がったら確認したい「SEOチェックリスト」

とはいえ、次のコアアルゴリズムアップデートで検索順位が戻る保証はありません。
そして、やはりコンテンツの質が低い可能性もあります。

そこで、コアアルゴリズムアップデートの順位変動で検索順位が大幅に下がったという方向けに、考えられる順位下落の理由と質が低いかどうか判断のできる簡易チェックリストを作ってみました。

いずれも、Google社員によるアドバイスや公式ガイドラインを元に、わかりやすくまとめたものです。
ぜひ以下に沿って、コンテンツに問題がないか確認をしてみましょう。

  • 推測している検索意図は正しいか
  • 検索意図に沿ったコンテンツを提供できているか
  • 不足している情報はないか、専門性の高い内容か
  • 最新の情報や内容を扱っているか
  • 誤解を受ける表現、間違った情報、ウソの情報はないか
  • 専門的な知識や実体験などのユニークな情報はあるか
  • 競合サイトとの差別化はされているか
  • 必要に応じて画像や動画などを盛り込んでいるか
  • ユーザーを考慮した言葉選びはできているか
  • 誤字脱字はないか
  • 質の低いページがサイト内にないか
  • 似たような記事がサイト内に複数ないか
  • Webサイトのテーマに関連していないコンテンツではないか
  • コンテンツの信頼性を保証する情報は明記されているか
  • サイト運営者や運営企業の情報は明記されているか
  • コンテンツの閲覧を疎外する広告はないか
  • スマホでも見やすいか
  • SEOの基礎知識は身についているか
  • 間違ったSEOや古いSEOを行っていないか(ガイドライン違反となる行為の有無)

また「E-E-A-T」について理解を深めることも、順位回復のヒントとなるでしょう。

E-E-A-Tとは?Googleが重要視するSEO最重要評価基準を高める施策を解説!

Googleアルゴリズムの主要アップデートの歴史

ここでは、Google検索エンジンを変えた、SEO史に残る歴史的なGoogleアルゴリズムをご紹介します。

  1. PageRank(1998年)
  2. Pandaシステム(2011年2月)
  3. Penguinシステム(2012年4月~)
  4. Hummingbird(2013年8月)
  5. セキュアサイト システム(2014年8月)
  6. モバイルフレンドリーランキングシステム(2015年4月)
  7. RankBrain(2015年10月)
  8. 健康アップデート(2017年12月)
  9. ページの表示速度システム(2018年7月)
  10. BERT(2019年12月)
  11. ページエクスペリエンスシステム(2021年5月)
  12. MUM(2021年5月)
  13. ページエクスペリエンスシステム(2021年5月)

ちなみに、Googleはこれまでアルゴリズムを「○○アップデート」と呼んでいましたが、現在は「○○システム」に変更しています。

PageRank(1998年)

PageRank(ページランク)」は、Webページの品質を、被リンクの数と質で評価するアルゴリズム。
Google創設者のメンバーである、ラリー・ペイジ(Larry Page)氏とセルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏が発明しました。

アルゴリズムの数が少なかった初期の検索エンジンでは、PageRankの影響力はとても高かったようです。
ただ、現在はコアアルゴリズムに組み込まれ、昔ほどの効果はないとされています。

被リンクの増やし方とは?良質な被リンクの獲得方法や事例を紹介

Pandaシステム(2011年2月)

Pandaシステム(パンダアップデート)」は、質の高いコンテンツを上位表示させて、質の低いコンテンツの順位を下げるアルゴリズム。

とくに、コピペコンテンツや複数のWebサイトを組み合わせただけの内容の薄いコンテンツ、無作為にキーワードを詰め込むといったSEO目的の記事に影響があったようです。
2016年に、コアアルゴリズムに組み込まれました。

パンダアップデート・ペンギンアップデートとは?違いや対策を解説

Penguinシステム(2012年4月~)

Penguinシステム(ペンギンアップデート)」は、不正リンクを持つWebサイトの順位を下げるアルゴリズム。
とくに自作自演や売買による被リンク、スパムリンクなどに影響を与えたようです。
2016年にコアアルゴリズムに組み込まれました。

Hummingbird(2013年8月)

「ハミングバード」は、検索キーワードの検索意図をより正確に理解できるようにするアルゴリズム。

ハミングバード導入によって、たとえば「としまえんの跡地には何ができるの」といった話し言葉のキーワードでも検索意図を正確にくみ取れるようになりました。

ちなみに、ハミングバードとは「ハチドリ」のこと。
正確で速いという意図でつけられたようです。

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セキュアサイト システム(2014年8月)

「セキュアサイト システム」は、HTTPS化(常時SSL化)の有無をシグナルとするアルゴリズムです。

Googleは移行期間として、現在は検索順位における影響力を小さくしているとのことですが、今後は影響力を大きくするとのこと。
とはいえ、これは2014年の話で、なおかつ現在はページ エクスペリエンス システムに組み込まれているので、どれほどの影響力があるのかは不明なままになっています。

常時SSL化(https)はSEOに効果あり!SEOとの関係性やSSL化されていないサイトがどうなるのか解説

モバイルフレンドリー ランキング システム(2015年4月)

「モバイルフレンドリー ランキング システム」は、スマホでの検索において、スマホでの快適性が評価されるアルゴリズムです。

  • 文字のサイズが小さくなく適切
  • タップがしづらくない
  • 横スクロールする必要がない

このようなスマホでも快適なページは、スマホ検索でのみ優位になるというもの。
現在は、ページ エクスペリエンス システムに組み込まれています。

モバイルフレンドリーとは?対応方法やチェック用テストツール、SEOとの関係を解説

RankBrain(2015年10月)

RankBrain(ランクブレイン)」は、AI(機械学習)を用いることで、初めての検索キーワードでも関連性の高いコンテンツを提供できるようにしたアルゴリズム。
たとえば、コンテンツ内に検索キーワードと同じ語が入っていなくても、類義語や関連語を考慮して評価することができます。

とくに、検索数の少ないキーワード(ロングテールキーワード)に、強いアルゴリズムです。

RankBrain(ランクブレイン)とは?仕組みや役割、検索エンジンとSEOへの影響

健康アップデート(2017年12月)

「健康アップデート」は、医療や健康に関するWebサイトにおいて、権威のあるコンテンツ制作者または、運営元(医療機関、施設)のページが優位になるアルゴリズム。
当初は異例であった、日本語検索へのみの導入でした。(翌年「Medic」として海外でも展開)

健康アップデート以降、Googleはユーザーに大きな影響を与える「YMYLコンテンツ」は、信頼性(E-E-A-T)を重視する検索アルゴリズムを採用しています。

ちなみに、なぜ日本へのアルゴリズム導入が優先されたのかというと、当時社会問題となっていた医療系キュレーションサイト「WELQ」の問題が原因として考えられます。

いわゆる「WELQ問題」では、質の低いコンテンツが上位表示されていたのはもちろん、信ぴょう性の低い医療記事によって健康被害を受けたというユーザーがいたことが、アルゴリズム優先導入の大きな要因だったのではないでしょうか。

E-E-A-Tとは?Googleが重要視するSEO最重要評価基準を高める施策を解説!

ページの表示速度システム(2018年7月)

「ページの表示速度システム」は、スマホ検索において、スマホでのページ読み込み速度を評価するアルゴリズム。
とはいえ、よほど遅くなければほとんど影響を受けないGoogleアルゴリズムのようです。

現在は、ページ エクスペリエンス システムに組み込まれています。

Webサイト表示速度の改善方法とは?読み込みスピードを計測するツールや数値の目安を紹介

BERT(2019年12月)

「BERT(バート)」は、RankBrain同様、AIを用いることでより正確に検索意図を理解できるようにしたアルゴリズム。

BERTの特徴は、前後にある単語をセットで理解できるようになった点です。
たとえば、BERT導入前の検索エンジンでは、英文における「no/not(~でない) 」や「to(~に)」のような、別の単語とセットになることで意味を持つ単語の理解を苦手としていました。

日本語でたとえるなら「大分の有名でない温泉地」と検索すると「でない」がよく理解できないので「大分の有名温泉地」に関するコンテンツを表示してしまうといった感じです。
BERT導入後は、このような意味の取り違えが減り、より関連性の高いコンテンツを提供できるようになりました。

ページ エクスペリエン スシステム(2021年5月)

「ページ エクスペリエンス システム」は、Webサイトを閲覧する際の快適性や安全性といった、ユーザー体験の質を評価するアルゴリズムです。

2021年に導入されたものですが、厳密にはこれまでのアルゴリズム「モバイルフレンドリー ランキング システム」「セキュアサイト システム」「煩わしいインタースティシャル広告」と新しく「ウェブに関する主な指標(Core Web Vitals)」を組み合わせて、基盤のアルゴリズムにまとめたものです。

とはいえ、検索順位への影響力は、関連性や品質を評価するアルゴリズムよりも低いとのこと。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?対策や改善方法、評価を計測するツールを紹介

MUM(2021年5月)

「MUM(マム)」は、BERTの次世代となる、AI技術を用いたアルゴリズムです。
質問を多角的に捉えられ、質問に関連した情報も合わせて提示できるのが特徴。

たとえば「来年の春にギリシャ旅行をしたい。そのためにすべきことは?」という疑問があったとしましょう。
この疑問に答えるには、さらに以下のような疑問に答えある必要があります。

  • ギリシャの有名観光地は?
  • 航空チケットの取り方やお得な便は?
  • 空港から近くて、観光に便利なおすすめのホテルは?
  • 食事はどうしたらいい?
  • 事前に必要な手続きは?
  • ギリシャの春の気候に適した服装は?

これまでの検索エンジンであれば、一つひとつ検索する必要がありました。
しかし、MUMの導入によって、質問に関連する情報まで提示できるようになります。

ほかにも、画像や動画といった言葉以外の情報も理解できるため、画像とキーワードを組み合わせた検索ができるようになるなど、本格的に導入されればさらに検索エンジンの在り方を変えるアルゴリズムと言われています。
実際、Googleいわく、MUMにはBERTの1,000倍の能力があるとのこと。

ただし、現在はまだ試験段階中で、日本語検索においては限定的な使用となっています。

ヘルプフル コンテンツ システム(2022年12月)

「ヘルプフル コンテンツ システム」は、独自性の高い、ユーザーの役に立つコンテンツとそのWebサイトを評価するアルゴリズムです。
とくに、SEOを目的に書かれた記事の評価を落とすために導入されました。

何をもって役に立つと判断しているか、そのシグナルは不明です。
ただ、Googleは「ユーザーが満足のいく体験をできたと感じるコンテンツを評価する」と言っているため、満足度を測る何か手段があるのだと考えられます。

ちなみに、ヘルプフル コンテンツ システムは、Webサイト全体に影響するアルゴリズムです。
たとえば、質の高いコンテンツがあっても、Webサイト内に低品質なページが多ければ、思う評価が得られなくなります。

【おまけ】その他の知っておきたいアルゴリズム

あまり知られていないマイナーなアルゴリズムですが、SEOにおいて理解しておいたほうがよいものを2つご紹介します。

サイト多様性システム(多様性アップデート)

情報の多様性のため、検索上位に同じWebサイトのページが2つ以上表示されないようにするアルゴリズム。
ただし、関連性が高いと判断したら表示されることもあります。

鮮度システム(フレッシュネス アルゴリズム)

情報の鮮度を求める検索キーワードに対して、鮮度の高いコンテンツを表示するアルゴリズム。

今後のGoogleアルゴリズムの傾向予測

今後、ますますGoogleアルゴリズムは、進化していくと考えられます。

アルゴリズムは、そして検索エンジンは、この先どのように進化していくのか。
進化し続けるアルゴリズムに対して、私たちができることは何か。

最後に、Googleアルゴリズムの未来とSEO対策について考えたいと思います。

AIによる対話型チャットツール「Bard」

いま日本でも注目を集めている、OpenAIの対話型AIチャットツール「ChatGPT」。
なかには、すでに試してみたという方もいるのではないでしょうか。

人間のような自然な対話を見て、私もとても驚きました。
このことから、検索エンジンも今後AI技術によって、さらに人間らしくなっていく可能性が考えられます。

実際、GoogleもAIを用いた対話型チャットツールを開発しています。
その名も「Bard」。

吟遊詩人という意味を持つBardは、現在米英のユーザー限定で早期アクセスが行われているようです。
ちなみに、使った方の感想としては「まだまだ」といった様子。(参照「THE VERGE」)
また、ChatGPTと同じ、AIチャットツール特有の問題も抱えているようです。

そもそもGoogleは、Bardは検索エンジンに代わるものではないといっています。
とはいえ、ChatGPTのあの問いに対する意図の汲み取り能力は、検索エンジンにも活用されるのではないかと感じています。

「実際に見てほしい」と思えるコンテンツを

今後も引き続き、コンテンツの質が問われる時代は続くと思います。
そして、コンテンツの質を評価するGoogleアルゴリズムは、さらに進化していくはずです。

いま、高性能なAIチャットツールの登場によって、ますますコンテンツを人が作る意味が問われ始めています。
それこそ、AIが答えられるレベル、つまりすでにネット上にあるようなありふれた情報や、それを寄せ集めただけのコンテンツの価値は、この先下がっていくのではないでしょうか。

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