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更新日2023年12月15日

パンダアップデート・ペンギンアップデートとは?違いや対策を解説

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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Googleでは、低品質なWebサイトやSEOスパムを行っているWebサイトを検索結果に表示させないために、パンダアップデートペンギンアップデートを行っています。
自サイトがいつまで経っても検索上位に表示されない場合は、アップデートの対象となっている可能性があります。

本記事では、パンダアップデートペンギンアップデートの仕組みや対策方法をはじめ、それぞれの違いについてもまとめています。
パンダアップデートやペンギンアップデートの理解を深めるとGoogleが好むコンテンツがわかるため、SEO対策で何に力を入れるべきか把握できます。

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Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説

パンダアップデートとは

パンダアップデートとは、低品質なWebサイトの検索順位を下げるためにGoogleが2011年に導入したコアアップデートです。
低品質なWebサイトを検索上位から排除することにより、高品質なWebサイトがオーガニック検索で上位に表示されることを目的としています。

パンダアップデートという名前は、パンダの色のように白黒はっきりさせるという意味やアップデートに関与したエンジニアに由来しています。
アメリカのみで行われる予定のアップデートでしたが、世界に展開されて2012年7月には日本語にも適用されています。

一般的に、低品質なWebサイトのことをコンテンツファームと呼んでいるため、当初はパンダアップデートのことを「ファーマーアップデート」と呼んでいました。

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パンダアップデートが導入された背景

パンダアップデートが導入されたのは、ブラックハットSEOによってオーガニック検索上位にコンテンツファームが多く表示されたためです。
ブラックハットSEOとは、Googleのアルゴリズムの裏をかいて質の低いコンテンツを上位に表示させる行為です。

検索上位に低品質なWebサイトが表示されると、ユーザーは本当に必要としている情報を的確に探せません。
そこでGoogleはパンダアップデートを実施し、ブラックハットSEOで作成されたコンテンツファームを上位に表示させないようにしたのです。

また、ブラックハットSEOそのものが急増したのは、2009年に行われた「カフェインアップデート」が大きく関係しています。
カフェインアップデートではインデックス作成能力が大幅に向上しましたが、同時にコンテンツファームもインデックスに登録されることになりました。
結果的に、コンテンツファームによるブラックハットSEOが横行した背景があります。

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違いとは?代表的な手法一覧

パンダアップデートの対象となる低品質なWebサイトとは

パンダアップデートの対象となる低品質なWebサイトとは、下記のようなWebサイトのことを指します。

  • 内容が薄くユーザーの検索ニーズを満たしていない
  • プログラムによって生成されている
  • 他のWebサイトやコンテンツをコピーしている
  • 詳細な情報が不足している
  • コンテンツに対する広告の比率が高い
  • 多くのユーザーにブロックされている

このように、検索ユーザーが必要としている情報を得られないWebサイトやコンテンツはパンダアップデートの対象です。

ペンギンアップデートとは

ペンギンアップデートとは、SEOスパムを行なっているWebサイトの検索順位を下げるためにGoogleが2012年に導入したコアアップデートです。
主に外部リンクやスパムを対象としているアップデートで、これらを悪用しているWebサイトを検索上位から排除することを目的としています。

ペンギンアップデートの由来は、ペンギンの色のように白黒はっきりさせるという意味です。
当初は、「ウェブスパム アルゴリズム アップデート」と呼ばれており、当時Googleウェブスパムチームだった責任者マット・カッツ氏のツイートによってペンギンアップデートと呼ばれるようになりました。

ペンギンアップデートが導入された背景

ペンギンアップデートが導入された背景として、検索ユーザーのニーズを満たしていないWebサイトがリンク数やキーワードだけで上位に表示されていたことが挙げられます。

ペンギンアップデートが行われる以前は、キーワードスタッフィングと不正な方法で獲得した被リンクのみで構成されていたWebサイトが検索上位に表示されていました。

キーワードスタッフィングとは、Webページの本文内容とは関係のないSEOキーワードを羅列してGoogleからの評価を高めようとする手法です。
このような状況を改善するためにペンギンアップデートが行われました。

ペンギンアップデートの対象となるWebサイトとは

ペンギンアップデートの対象となるのは、Googleウェブ検索のスパムに関するポリシーの違反対象に該当するWebサイトです。
具体的には、下記のようなWebサイトが挙げられます。

このような方法を意図的に行っているWebサイトは、ペンギンアップデートの対象となり検索順位を下げることになります。

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パンダアップデート・ペンギンアップデートの違い

パンダアップデートとペンギンアップデートの違いを下記の順番で解説します。

  1. アップデートの対象が異なる
  2. 影響を受けるWebサイトが異なる 
  3. 現在はGoogleのコアアップデートに組み込まれている

アップデートの対象が異なる

パンダアップデートとペンギンアップデートの違いはアップデートの対象です。
パンダアップデートはコンテンツの質が対象になっているのに対し、ペンギンアップデートはリンクやキーワードが対象となっています。

下記は、Googleがパンダアップデートを行ったときのアナウンス内容です。

このアルゴリズムの変更では、低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に、良質なサイトの掲載順位をより適切に評価します。例えば、ユーザーにとってあまり価値のないサイト、利便性の低いサイト、他のサイトからのコピーで構成されているようなサイトの掲載順位は下がります。
Google 検索が、高品質なサイトをよりよく評価するようになりました

引用:Google 検索セントラルブログ

低品質なWebサイトの掲載順位を下げることで、良質なWebサイトを適切に評価するとあります。
つまり、質の低いコンテンツの順位を下げることで、良質なWebサイトは自然と上位に表示されるという仕組みです。

一方、ペンギンアップデートを行ったときは下記のようなアナウンスでした。

今回の変更では、Googleの品質に関するガイドラインに違反しているサイトについて、その掲載順位を下げるような対策を実施します。
このアルゴリズムの変更は、ウェブスパムを削減し、良質なコンテンツを促進するための私たちの新たな試みです。

引用:Googleセントラルブログ

ガイドラインに違反しているウェブスパムを削減することで、良質なコンテンツの増加を促進するとあります。
つまり、Googleのガイドラインに違反して検索順位を上げる行為を行っているWebサイトの順位を下げることで、良質なWebサイトが正しく評価されるというわけです。

どちらも、良質なWebサイトが正しく評価されるためのアップデートであることは共通しています。

良質なコンテンツとは何か?Googleの定義や作り方のポイントを解説

影響を受けるWebサイトが異なる

パンダアップデートとペンギンアップデートでは、アップデートの対象の違いから影響を受けるケースと受けないケースがあります。

例えば、コンテンツの質に問題はないものの、コンテンツと関係のない低品質なWebサイトから多くのリンクをもらっている場合はペンギンアップデートの対象となる可能性があります。
また、ウェブスパムは行っていないものの、他のWebサイトを真似して作っただけのWebサイトだとパンダアップデートの対象となる可能性があるでしょう。

そのため、最初に行われたパンダアップデートで影響がなかったWebサイトの中には、翌年に行われたペンギンアップデートで検索順位を大幅に下げたというケースもあります。
他にも、パンダアップデートとペンギンアップデートの両方が対象となったケース、2回目以降のアップデートで影響を受けたケースなど、影響の大きさはWebサイトによってさまざまです。

現在はGoogleのコアアルゴリズムに組み込まれている

パンダアップデートは2015年7月の更新が最後、ペンギンアップデートは2016年9月の更新が最後となっています。

2016年以降は、Googleのコアアルゴリズムに取り入れられたことで、パンダアップデートやペンギンアップデートはリアルタイムに行われるようになりました。
パンダアップデートやペンギンアップデートは日々改善が行われており、現在においてもなくなったわけではありません。

ただし、過去から現在にかけてのアップデートで共通しているのは、優良なコンテンツの上位表示を目的に行っていることです。
そのため、コンテンツの質を高めて適切にSEO対策を行っているWebサイトにとってはありがたいアップデートとも言えます。

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パンダアップデートへの対策方法

SEO業界において、パンダアップデートは回復が難しいアップデートと言われています。
ただし、Webサイトの品質を対象としたアップデートであるため、コンテンツの品質を向上することで検索上位を目指すことも可能です。

具体的な方法として、下記の3つが挙げられます。

  1. 検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作る
  2. リライトを行う
  3. ページエクスペリエンスを高める

検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作る

パンダアップデートへの対策方法は、Webサイトの質を高めて検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ることです。
Webサイトの質が高ければアップデートの対象外となるため、むしろ他のWebサイトの順位が下がることによって相対的に自サイトの順位は上がります。

ここで言うWebサイトの質とは、検索ユーザーのニーズを満たせるかどうかです。

例えば、投資を始めたい検索ユーザーが「投資 初心者 始め方」と検索をした場合、投資の始め方や注意点、おすすめの証券会社などがわかりやすく解説されているWebサイトが検索ユーザーのニーズを満たすサイトです。

ただし、検索ボリュームが多いキーワードだと検索ユーザーのニーズを満たせても、似たような内容のWebサイトが多くなってしまいます。
そこで次に必要となるのは、Webサイトの信頼性や独自性(E-E-A-T)などです。
例えば、「運営者の体験談」や「専門家による助言や監修」「発信元の信頼性」などがWebサイトの品質を高めるための付加価値です。

検索意図とは?分類や調べ方、分析に役立つSEOツールを紹介

リライトを行う

パンダアップデートの対策方法として、コンテンツの質を高めることを目的に行うリライトがあります。
リライトは下記のポイントを意識して行いましょう。

  • 既存コンテンツをわかりやすくする
  • 内容に変更がある場合は最新の情報に更新する
  • 専門性や独自性を意識する
  • 誤字や脱字を修正する
  • 引用元や情報ソースを明記する

また、パンダアップデートの対策として該当するコンテンツを削除することは推奨されていません。
実際、2015年にGoogleのGary Illyes氏はTwitterで下記のように述べています。

We don’t recommend removing content in general for Panda, rather add more highQ stuff
(一般的に Panda のコンテンツを削除することはお勧めしません。むしろ、HighQ コンテンツを追加することをお勧めします。)

引用:Twitter

Webサイトのリニューアルのようにサイト全体のイメージを一新する場合を除き、コンテンツの削除よりもリライトを優先して行うのがポイントです。
また、検索に表示させたくないコンテンツについては「noindexタグ」を使用することで対応できます。
コンテンツは定期的に見直し、必要に応じてリライトを行いましょう。

SEOのリライトのやり方とは?事例や効果が出るまでの時間、注意点を解説

ページエクスペリエンスを高める

パンダアップデート対策として、ページエクスペリエンスを高める方法があります。
ページエクスペリエンスとは、検索ユーザーにとってWebサイトの利便性が高いかどうかを示す指標のことです。
具体的には、下記のような対策が施されているWebページはページエクスペリエンスが高いと言えます。

これらは、パンダアップデートと同じく検索順位に影響する要素です。
そのため、高品質なコンテンツを作ってもページエクスペリエンスが低いと検索順位は上がりにくくなります。

なお、WebサイトのページエクスペリエンスはGoogleサーチコンソールにおいて下記の手順で確認ができます。

  1. Googleサーチコンソールにログイン
  2. 左メニューのページエクスペリエンスをクリック
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?対策や改善方法、評価を計測するツールを紹介

ペンギンアップデートへの対策方法

検索順位が急落した場合はペンギンアップデートによる影響が考えられます。
その場合の対策として、下記の3つの方法があります。

  1. ガイドラインに違反していないか確認して修正する
  2. 低品質な被リンクはリンク否認を行う
  3. ブラックハットSEOに頼らずホワイトハットSEOを行う

ガイドラインに違反していないか確認して修正する

ペンギンアップデートへの主な対策方法は、Webサイトがガイドラインに違反しているかどうかを調べて必要に応じて修正を行うことです。
違反事項は、本ページの「ペンギンアップデートの対象となるWebサイトとは」で紹介しています。

また、ガイドラインに違反している場合は、Googleサーチコンソールでペナルティ警告が表示されている場合もあります。
下記の順番でペナルティ警告がないかを確認しましょう。

  1. Googleサーチコンソールにログイン
  2. 左メニューのセキュリティと手動による対策をクリック
  3. 手動による対策をクリック

問題がなければ「問題は検出されませんでした」と表示されます。
ただし、キーワードの乱用やコピーコンテンツなどの自動ペナルティは、ペナルティを受けてもGoogleサーチコンソールに表示されないため注意が必要です。

Googleペナルティとは?解除方法や確認方法、原因と対策を解説

低品質な被リンクはリンク否認を行う

低品質な被リンクによって検索順位が下がっている場合は、リンク否認を行う方法があります。
リンク否認とは、リンク評価の無効化をGoogleに申請することです。

ただし、高品質な被リンクは自サイトの評価を高める要素となるため、自サイトに悪影響を与えない被リンクは否認しないように注意しましょう。
リンク否認を行う前に、被リンクを受けているWebサイトにリンク削除の依頼をおすすめします。

リンク否認については下記のサイトで詳細に解説しているので参考にしてください。

リンク否認ツールの使い方とは?低品質サイトから被リンクを否認する方法と効果が出るまでの期間

ブラックハットSEOに頼らずホワイトハットSEOを行う

ペンギンアップデートの対策方法で、もっとも効果的なのはホワイトハットSEOを行うことです。
ホワイトハットSEOとは、Googleが推奨するガイドラインを遵守した良質なコンテンツを充実させることで検索順位の上位を狙う方法のことです。
質の低いコンテンツを上位に表示させるブラックハットSEOとは、反対の行為となります。

現在でも、形を変えながらブラックハットSEOは多く行われています。
しかし、それ以上にGoogleの検索エンジンの精度は日々高まっています。
そのため、現在は通用しているブラックハットSEOであっても、次のアップデート時にはパンダアップデートやペンギンアップデートによって検索順位を大きく落とすリスクもあります。

ブラックハットSEOによって検索順位が大きく変動するのを防ぐためには、ホワイトハットSEOを意識して高品質なWebサイトを作成・運用することが大切です。
結果的に、Googleが重視しているユーザーの検索ニーズを満たすことにもつながります。

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違いとは?代表的な手法一覧

パンダアップデート・ペンギンアップデートに関するよくある質問

ここでは、パンダアップデート・ペンギンアップデートに関するよくある質問をまとめています。

パンダアップデートとペンギンアップデートの違いはなんですか?

アップデートの対象が異なります。

パンダアップデートはWebサイトやコンテンツの品質、ペンギンアップデートは外部リンクやSEOスパムなどを対象としています。
いずれも該当するWebサイトの検索順位を下げることにより、相対的にユーザーの検索ニーズを満たす高品質なWebサイトが検索上位になる仕組みです。

パンダアップデートが行われたのはいつですか?

最初に行われたのは2011年、最後に更新が確認されたのは2015年です。
期間中に合計28回の更新がありました。

現在もパンダアップデートは自動的に行われています。
ただし、Googleのコアアルゴリズムに取り入れられているため公式からアップデートに関するアナウンスはありません。

ペンギンアップデートが行われたのはいつですか?

最初に行われたのは2014年、最後に更新が確認されたのは2016年です。
期間中に合計7回の更新がありました。

現在もペンギンアップデートは自動的に行われています。
ただし、Googleのコアアルゴリズムに取り入れられているため公式からアップデートに関するアナウンスはありません。

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