SEO

更新日2024年03月14日

SEMとは?SEOとの違いや施策の使い分けの仕方を徹底解説

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

詳細を見る

公的機関におけるセミナー実績

ソーシャルメディア

 

「SEM」は、「SEO」や「リスティング広告」を含む、検索結果から自サイトへの流入を増やすことを目的とした、Webマーケティング(デジタルマーケティング)の一種。

「SEOは聞いたことがあるけれど、SEMって?」と思った方も多いのではないでしょうか。
とどのつまり、「SEO」も「リスティング広告」も、SEMの施策の一つに過ぎません。

今回は「SEM」とその施策、「SEO」や「リスティング広告」について、あらためて触れていき、違いやそれぞれの効果的な使いどころについて理解が深められるよう、解説していきたいと思います。

大手企業も続々導入中!

多機能型 検索順位チェックツール「Nobilista(ノビリスタ)」

Nobilistaは、365日完全自動で大量の検索キーワードの順位を計測するSEOツールです。
※7日間の無料トライアル実施中

Nobilistaの詳細を確認する

SEO対策とは?初心者にも分かりやすく上位表示の基本的なやり方を解説

SEMとは

SEMとは「Search Engine Marketing(サーチエンジンマーケティング:検索エンジンマーケティング)」の略で、検索エンジンを利用して、サイトへの流入を増やすことを目的とした、Webマーケティングの一種。
つまりはSEOやリスティング広告は「SEMの施策の一つ」と言えます。

ちなみに海外で「SEM」と言うと、「リスティング広告」または、リスティング広告を含めた「PPC広告(クリック課金広告)全般」を指すことが多いようです。

SEMの強みは、宣伝したい側とされる側(消費者)の互いに伝えたい事、知りたい事が合致している状態で、宣伝活動が行える点です。
自身と無関係な宣伝活動は、消費者に対して不快感を与えます。

「インターネット広告で不快に感じるものは(複数回答)、「興味がない・関係ない内容の広告」「別画面やポップアップで自動的に表示される」「画面の上や下に、常に表示される(スクロールしても固定されている)」が各3割強、「画面の上から下に降りてくる、スクロールに合わせて移動する」「画面全体に表示される」「動画サイトのスキップできない動画広告」「画面を開くと自動で再生される動画広告」などが各20%台です。
10~30代では、「動画サイトのスキップできない動画広告」の比率が高くなっています。」

引用:【 インターネット広告 】に関するアンケート調査(第3回)

その点で、SEMを適切に使うことは、消費者に好印象を持って購買を行ってもらえるメリットがあります。

SEOとは

SEOとは「Search Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション:検索エンジン最適化)」の略。
お金を出さずに検索結果で上位表示をするための施策という意味で多く使われます。
ただし、本来の意味は、検索エンジンの正しいサイト理解(=最適化)のために行うべき対策をSEOと言います。

検索エンジンは実際に人のようにサイトを見ているわけではありません。
クローラーと呼ばれるものに、下記の画像のようなソースコードを読ませることで、サイトの構造やコンテンツの内容を把握しています。

つまり、ソースコードをよりクローラーが理解しやすいように工夫することで、サイトを正しく理解してもらえ、正しい評価(正しい順位)にしてもらえるということです。

このSEOは、大きく2つに分けられます。
それが「内部対策」と「外部対策」です。

海外では「オンページSEO」「オフページSEO」「テクニカルSEO」の3つ(人によっては「キーワード調査」の4つ)に分けられることが多いですが、その点も併せて、今回は日本の分け方を中心に解説していきたいと思います。

クローラーとは?意味や仕組み、巡回を促す対策、拒否する方法をわかりやすく解説

内部対策

SEOの「内部対策」とは、Webサイトの構造やコンテンツの中身といった、自サイトに対して行う施策。

SEOライティング」や「コンテンツSEO」、海外で言うところの「オンページSEO」「テクニカルSEO」は、すべてこの「内部対策」に当てはまります。

SEOと言うと、どちらかといえばこの内部対策のことを指すことが多いです。
というのも、他者のサイトのコンテンツに左右される外部対策に比べて、内部対策はそのほとんどが自分で行えることばかり。

つまり、やることと、やってからは何かしら成果が出るという点では内部対策はやる意味が明確だからです。
内部対策の代表例は次の通りです。

SEOキーワード選定のやり方・コツとは?初心者に役立つ便利ツールも紹介

外部対策

外部対策」とは、サイト外で行われるSEO対策を総称してこのように呼びます。
代表的なものだと「被リンクの獲得」と「サイテーション」が外部対策です。

被リンクとは、他サイトからの発リンク(自サイトへのリンクを設置されること)のこと。

SEOにおいて、被リンクの効果は絶大です。
ただし、本来被リンクは、他サイトを管理するいわば他者の意志にゆだねられるものなので、対策は限られています。

サイテーションとは、サイトのタイトルやブランドネームなどの固有名詞の頻出率です。
つまり、他サイト内でどれだけ関連する固有名詞があるかで、サイトの信頼性を測るために利用されています。

被リンクの増やし方とは?良質な被リンクの獲得方法や事例を紹介

リスティング広告とは

リスティング広告とは、お金を出して検索結果の画面(SERPs)の上部や下部に、Webサイトを表示してもらうこと。Google上での正式名称は「検索連動型広告(検索広告)」と言います。

なぜ「連動」なのかというと、ユーザーが検索窓に入力するキーワードに「連動して」関連性の高い広告(自サイトへのリンク)を掲載するからです。

上の画像のとおり、リスティング広告は、お金を出していないリスティング(自然検索、オーガニック検索、オーガニック リスティング)と、見た目はそれほど変わりません。
ただし、ユーザーに広告だとわかるよう、「広告」という表示がついています。

ちなみに、海外では「リスティング広告」ではなく、「SEM」や「有料検索(Paid Search)」と呼ばれることが多く、日本でなぜ「リスティング広告」と呼ばれるようになったか、その明確な理由はわかりません。
ただ、おそらく「リスティング」が、検索結果画面に並ぶことを指すので、そこから取られたのではないかと思います。

「他のユーザーの検索語句に関連して Google 検索で表示される無料のリスティングです。」

引用:オーガニック検索結果

リスティング広告を利用するには、検索エンジンごとに「広告アカウント」への登録が必要です。
検索エンジンごとの広告アカウントは次の通りです。

ここからは、リスティング広告の仕組みについて、もう少し深堀をしていきましょう。

オーガニック検索(自然検索)とは?流入を増やす上位表示方法や流入数の計測ツールを紹介

クリックごとに料金が発生する「PPC広告」

リスティング広告にかかる費用は、「PPC(Pay Per Click:クリック課金制)」という課金方式が採用されています。
PPCとは、ユーザーがクリックをしたら「10円」というように、決まった額の広告費用が、クリックごとにかかる仕組み。
つまり、掲載するだけであれば、お金はかかりません。

PPC広告はリスティング広告以外にも、さまざまなものがあります。

  • 動画広告
  • ディスプレイ広告
  • ショッピング広告
  • アプリ広告
  • ローカル広告
  • スマートアシスト広告
  • P-MAX広告

SEMの「サイトへの流入につなげる」という定義としては、ある意味でショッピング広告もSEMと言えるかもしれませんが、購入などのCVを促す側面が強いため、今回はあえて除外します。

Googleのリスティング広告を例に、PPCの仕組みを見てみましょう。
Google広告では、広告で達成したい目標(流入を増やしたい、CVを増やしたいなど)を選ぶことで「入札戦略」が決定し、自動で広告費用を調整してくれます。

  • コンバージョン
    目標:CVの数を増やす
  • コンバージョン値
    目標:利益の差、たとえば商品ごとの価格差などを考慮し、CVの数を増やす
  • クリック数
    目標:サイトへの流入を増やす
  • インプレッションシェア
    目標:指定キーワードでサイトの露出度を上げる=上位表示をする

入札戦略を決定したら、広告主はかかる費用の上限、つまり「1クリックに対して支払える最大額はいくらか(=入札単価)」を指定し、予算内で広告が運営できるように調整を行います。

入札単価の目安は、Googleのリスティング広告なら「Googleキーワードプランナー」で見ることができます。

画像の左の項目が、過去に入札され、上部に表示された広告で、「低額」の入札単価。
画像の右の項目が「高額」の入札単価です。

ちなみに「上限」という言葉のとおり、入札単価はあくまでこの後に説明する、広告オークション(広告の表示順位を決定するもの)の参考として利用されます。
つまり、実際に支払うクリック単価の金額は、それよりも低い金額であることがほとんど(自動入札を除く)。
なぜならGoogleのリスティング広告では、広告が表示される最低ライン(広告ランクの下限値)を満たし、一つ下の競合の広告を上回るための金額を自動で算出して設定してくれるからです。

リスティング広告とSEOの違いとは?使い分け方や相乗効果を発揮する併用方法を解説

広告の表示順位は「オークション形式」で決まる

自然検索と同じく、リスティング広告も上に表示されればされるほど目立ち、ユーザーの目にとまるといえます。

この広告の表示順位を決めるのが「広告オークション」です。

一般的なオークションを想像すると、入札単価が高いほど有利に感じますが、リスティング広告では、入札単価を含むさまざまな要因を数値化した「広告ランク」によって表示順位が決められます。
広告ランクを決める「6つの要素」は次の通りです。

  • 入札単価
    1クリック最大いくらまで払えるか
  • 広告とリンク先の品質
    広告のリンク先の質や広告のクリック率など
  • 広告ランクの制限
    質の低いサイトの制限
  • ユーザーの検索状況
    検索キーワード、検索した場所、時刻、使用デバイス、自然検索の結果など
  • 追加情報
    電話番号などの広告表示オプション、フォーマットの充実率
  • オークションにおける競争力
    広告の競合サイトの状況

広告オークションは、ユーザーが広告を出しているキーワードを調べるたびに行われ、同時に最新の情報をもとに広告ランクも常に算出されています。

Nobilista
記事コンテンツSEO対策
100のチェックリスト

無料でダウンロードする

チェックリストイメージ図

無料でダウンロードする

広告の上位表示には「質の高さ」も必要

広告の上位表示で、入札単価よりも重要視されるのが「広告やLPの質」です。
その理由は、広告やリンク先の質が高いと、クリック単価が安くなるという仕組みがあるから。
つまり、費用を抑えて、広告の上位表示が狙えるわけです。

質が高いと考えられる広告やLPの一例は下記の通り。

一方で、質が低い場合は上位表示のために、入札単価(上限の額)に近いクリック単価が、余分にかかる可能性がある点に注意しましょう。
つまり、リスティング広告をお得に運用するには、広告の質を高める必要があります。

LP(ランディングページ)とは?SEOに弱い理由・サイト一体型LPで上位表示する方法と運用の進め方

「広告の品質」と「品質スコア」は違う

このとき注意したいのが「広告の品質」は「品質スコア(Yahoo!は「品質インデックス」)」とは異なるものという点。

このように解説するサイトは多いですが、これは「誤り」です。
Googleも以下のように、明言しています。

「品質スコアは、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。
あくまで診断ツールとして、あるキーワードに対して表示される広告がユーザー エクスペリエンスに及ぼす影響を示したものです。」

引用:品質スコアについて

「品質スコア」とは、競合の広告と比べた際の広告の質(広告自体とキーワード、LPの質)を目安的に1~10でスコア化する「診断ツール」です。

広告の質という意味では、広告オークションにおける「広告とリンク先の品質」と同じように感じてしまうかもしれません。
ただ、品質スコアはあくまで「推定クリック率」「広告との関連性」「LPの利便性」の3つの要素から、広告の改善点を見つけるためのツール。

その点、広告オークションでは、より多くの観点から広告の品質を測っています。
つまり、品質スコアとはあくまで、広告を出すにあたっての「最低ラインの品質」を保つために使われる診断ツールに過ぎないのです。

「診断ツールとして提供されている品質スコアを参照すると、ユーザー エクスペリエンスの水準が平均よりも低い広告を特定できます。また、改善に取り組むべき要素(広告の関連性、クリック率、またはランディング ページの利便性)についてもインサイトが得られます。」

引用:広告の品質について

変更がすぐ反映する

リスティング広告では、「表示・非表示」「入札単価の変更」「広告の文言の変更」など、細かい調整が瞬時に行えます。
リスティング広告で行える操作の代表例は次の通り。

  • 検索キーワードごとの表示・非表示
  • 予算内での広告表示
  • 入札単価の変更
  • タイトル・ディスクリプションの変更
  • ユーザーの属性(性別、地域、年齢、家族構成など)ごとに広告を出稿

リアルタイムで変更が反映されるため、ABテストに使ったり、効果のないテキストはすぐ変えるなど、無駄のない広告運用が可能です。

SEOとリスティング広告の違い

SEMの一つである「SEO」と「リスティング」。
その違いを以下の観点から見てみましょう。

  1. かかる費用や制作コストの違い
  2. クリック率の違い
  3. 結果の反映速度
  4. 成果の継続性の違い
  5. 成果の安定性の違い

かかる費用」と「コストのかかり方」が違う

結論を言うと、SEOも、リスティング広告も、それなりにコストはかかります。
そのため、まったくの無料とは言えません。
ただしどちらとも、「費用のかかり方」が違ううえに、運用の仕方で「かかる費用の金額」も大きく変わります。

SEOは「低コスト」での運用が可能(ただし注意点も)

SEOは、検索エンジンにインデックス(検索結果に表示)させること自体は「無料」です。
さらに、コーディングやWebデザイン、Webライティングを自身でやる前提で、最低限のコンテンツ作成なら、「ドメイン(安いもので数百円/年)」「サーバー代(1万数千円/年)」だけで運用ができます。

ただ、上位表示をして利益を出すとなると、かかる費用は高くなっていきます。
現在、自然検索で上位表示をするには、高い質のコンテンツ作成が必須です。

さらに、競合サイトがひしめいているなかで、頭一つ抜きん出る必要もあります。
そういった意味では、SEOを無料で行って利益を出すのは、やや厳しい時代になってきました。
例えば、上質なコンテンツ作成に必要なものは次の通りです。

  • 最新のSEOの知識
  • SEOのための有料ツール
  • 適切なコーディング
  • ユニークなWebデザイン
  • わかりやすく、調査力に長けたWebライティング
  • 専門家の監修や起用
  • コンスタントなコンテンツ作成(人員の確保)
  • 定期的なコンテンツのチューニングコスト

現在はSEOにも、それなりの費用がかかるという点には注意しましょう。

リスティング広告とSEOの違いとは?使い分け方や相乗効果を発揮する併用方法を解説

クリック率は「SEOの方が高い」

クリック率は、SEOの方が高いです。

一方リスティング広告には、「広告」という表示が出るために敬遠するユーザーが多く、上部に表示されるにもかかわらず、それほどクリック率はありません。

ただし、SEOの方がクリック率が高いというのは「検索順位が上位であること」が前提です。

ビッグワード
(語数が少なく競合性の高いKW)
ロングテール
(語数が多く競合性の低いKW)
1位18%33%
2位15%25%
3位12%20%
4位8%15%
5位6%11%
6位4%8%
7位3%5%
8位2%3%
9位1%2%
10位1%1%

引用:検索順位とクリック率の関係とは?平均CTRの目安と向上させるための具体的なノウハウ

このとおり自然検索も、1ページの最後はほとんど見られていません。
ちなみに、リスティング広告の平均クリック率は約「2パーセント」です

“The average CTR in Google Ads is 1.91% for search and 0.35% for display.”
(Google 広告の平均 CTR は、検索で 1.91%、ディスプレイで 0.35% です。)

引用:Click-Through Rate (CTR): Understanding Click-Through Rate for PPC

つまり、10位以内にサイトが表示されなければ、クリック率はリスティング広告の方が高いということになります。

ロングテールSEOとは?メリットや対策キーワードの見つけ方・選び方を紹介

リスティング広告は「すぐに結果が出る」

すぐにサイト流入やCVなどの効果がわかるのは、リスティング広告です。

広告の設定ができ次第、広告オークションが行われ、すぐに検索結果への表示が可能。
広告を出したその日には、流入やCVなどの動きが見られます。

また、広告のタイトルやディスクリプションの修正もすぐに反映されるため、ABテストとして利用されることも。
結果が早くわかるからこそ、色々な試みができ、ノウハウとして蓄積できるのもリスティング広告の強みでしょう。

一方でSEOは、コンテンツを作る時間とそのコンテンツを上位表示させることを含めて、時間がとてもかかります。

「成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。
変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。」

引用:SEO 業者の利用を検討する

SEOはそもそも、長い時間をかけてサイトを育てていくものです。
コンテンツを作っても、数か月は順位が落ち着かず、低い順位に留まっていることも多々あります。
しかしそのまま、動向を伺います。
その後、順位の変動が完全に見られなくなったら、リライトなど改善を視野にいれます。

もちろんサイトのコンテンツが少ないうちは、記事の信頼性も低く、良いコンテンツでも順位があがりません。
そのため、待っている間に記事を増やします。
これが、SEOの基本の流れです。

Nobilista
記事コンテンツSEO対策
100のチェックリスト

無料でダウンロードする

チェックリストイメージ図

無料でダウンロードする

SEOは「継続的に」成果が期待できる

SEOは一度コンテンツを作り上位表示されれば、継続的な成果が見込めます。
コンテンツは「資産として残る」というのは、リスティング広告との大きな違いでしょう。

さらにコンテンツを増やし続けることで、サイトへの流入経路が増えるという点もSEOを行うメリットです。

もちろん上位表示をし続けるには、定期的なチューニングが欠かせません。
この部分を疎かにすると、継続的な成果は期待できないでしょう。

継続性のあるSEOとは対照的に、リスティング広告は広告の配信を停止したら、その時点でユーザーの流入は確実に「0」になります。
広告を再開する以外は、そこから利益は決して生まれません。

「安定した成果」が見込めるのはリスティング広告

リスティング広告は、出稿をやめない限り確実に成果が出ます。
広告オークションによって順位は決まるものの、入札単価と品質が良ければ、基本は検索結果の上部に表示ができるでしょう。
また提供される数値から成功・失敗の判断もつきやすく「成果が明確にわかる」のは、断然リスティング広告です。

一方、SEOは継続的な成果はあるものの、良くも悪くも検索順位に依存しています。
検索順位が一つ下がるだけでも、クリック率が大きく変わるため、いかに上位であり続けるかを常に気にしなくてはなりません。

ただし自然検索の順位は、それを決めるアルゴリズムのアップデートで大きく変わることもあります。
Webサイトの成果がアルゴリズムにゆだねられているという点では、安定しているとはいえないでしょう。

また反映に時間がかかるため、行った施策の効果測定が難しいという点も、リスティング広告と大きく違う点です。

Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説

SEOとリスティング広告どう使い分ける?

SEOとリスティング広告、2つのSEM施策は、どのように使い分ければよいのでしょうか。
それぞれの効果的な使い方について、お話しします。

  1. SEO→長期的な成果を考えている
  2. リスティング広告→短期で成果を出したい

長期的に利益を考えているのなら「SEO」

SEOは、とにかく時間がかかる施策です。
そのため、SEOを行うのなら時間があること、定期的なコンテンツの作成や改善など、サイトを育てる余裕があることが大前提。
その分、一度コンテンツを作れば継続的な流入が見込めます。

また、SEO知識を持つ人やWeb制作が行える人材がすでにいるのなら、外注費を抑えられる点もSEOの強みでしょう。
効果的なSEOの利用シーンは次の通りです。

  • 最小限の予算でWebサイトを始めたい
  • 成果を待てる(時間と手間がかけられる:サイトを育てる余裕がある)
  • Webライティング、Webデザイン、コーディングなどの技術が自社にある(もしくは外注する余裕がある)
  • SEOの知識がある(または習得する意欲がある)
  • 検索ボリュームの高いキーワードで、競合サイト以上のコンテンツが作れる
  • 被リンクの獲得に自信がある

SEOは、以下のような潜在顧客や既存顧客に対するアプローチとも相性が良いです。

  • 商品やサービス、ブランドの認知度を上げる(=知ってもらう)
  • 顧客を育成する(=良さを知ってもらう、ほしいと思ってもらう)
  • リピーターやファンを作る(=もっと好きになってもらう)
  • ブランディング(=印象をもってもらう、覚えてもらう)

Webサイトで、どのような成果をあげたいですか。
あらためて目指す成果を明確にすることも、SEOを選ぶ良い判断材料となるでしょう。

被リンクの増やし方とは?良質な被リンクの獲得方法や事例を紹介

短期的に成果がほしいのなら「リスティング広告」

リスティング広告は、短期間で成果が欲しい場合におすすめです。
たとえば、一時的なイベントやキャンペーンの宣伝、新商品やリリースしたばかりのサービスなど、一気に露出を増やしたいのならリスティングは効果的といえるでしょう。

もちろんクリックごとに費用がかかるため、それなりの予算が必要です。
さらに、効果を出すには一定期間、広告の運営を続けなくてはなりません。
最適なキーワードを探したり、タイトルやメタディスクリプション、リンク先ページのABテスト、さらには入札単価の調整など。

リスティング広告の効果的な運用には、データの分析と反映が欠かせません。
その時間を作れるかどうかも、成果に大きくかかわってきます。

またリスティング広告の別の使い方として、競合サイトが多すぎて戦えない場合や、逆にすでに上位表示をしているサイトが、キーワードを独占するためにあえてリスティング広告を出すなど、さまざまな利用方法があります。
効果的なリスティング広告の利用シーンは次の通りです。

  • それなりの予算がある
  • キャンペーンやイベントなどの期間限定の宣伝
  • 一気に露出度を増やしたい、集客力が「すぐに」ほしい
  • 競合サイトが多い、上位サイトと戦えない、SEOがうまくいかない場合
  • すでにCV率の高いキーワードの上位サイトで、順位をさらに独占するため

SEOとリスティング広告は「併用」がおすすめ

SEOとリスティング広告は、併用することでより効果を高めることができます。
というのも、お互いのデメリットをカバーできるのが、この2つのSEM施策だからです。

たとえば、SEOのデメリットは時間が掛かることや順位を制御できない点。
反対にリスティング広告は、即座に上部へ表示させることができます。

このようにお互いのデメリットをカバーしつつ使い分けることで、Webサイトの成果をいっそう高めることが期待できます。

おすすめの併用の仕方は、リスティング広告で利用できる豊富なレポート(キーワードごとのCV率など)を参考に、効果の高いキーワードのコンテンツを作ることです。
またリスティング広告の反映の速度を活かし、LPサイトやタイトル、ディスクリプションなどあらゆるコンテンツのABテストを行い、そのノウハウを蓄積することも非常にためになります。

SEOとリスティング広告の併用と使い分け、ぜひお試しください。

リスティング広告とSEOの違いとは?使い分け方や相乗効果を発揮する併用方法を解説

7日間0円トライアル実施中!

※クレジットカードの登録は不要です。   
※トライアル終了後の自動課金はありません。