SEO
公開日2023年6月30日
更新日2024年07月25日
海外SEO対策の進め方とは?多言語SEOの施策例や日本との違い、アメリカ検索順位を取得する方法
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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インターネットは全世界を繋いでおり、無数のWebサイトが公開されています。
そのような中で日本国内向けのサイトだけ作っていては、大きなチャンスを逃しかねません。
そこで必要となるのが、海外からアクセスを集めるための海外SEOです。
海外向けのSEOには、国内向けとは違った知識や技術、注意点などがたくさんあります。
海外には日本とは異なる言語や文化、習慣などがあるからです。
日本語で作った原稿を単に翻訳するだけでは、十分とは言えません。
そこでこの記事では、海外SEOを進める際に必要な事や具体的な進め方、国別の特徴や注意点などを詳しく説明します。
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海外SEO対策の重要性
まず最初に、海外SEOにどれほどの重要性があるかを確認しましょう
海外SEOとは?
海外SEOは、海外に住んでいる人からのアクセス強化を目指すものです。
近い言葉に「多言語SEO」や「グローバルSEO」があります。
そもそもSEOとは、検索エンジンからの評価(検索順位)を高めるための対策です。
そのための手法や原則は、海外でも変わりません。
世界各地の様々な人が、様々なニーズをキーワードにして打ち込みます。
そのニーズに的確に答えるサイトが、検索の上位に表示される仕組みです。
つまり、現地の人が使うキーワードを探し当て、それにマッチした内容のコンテンツを提供することが目標になります。
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海外SEOが重要な理由
一筋縄では行かない海外SEOですが、多少の面倒があっても進めるべき理由があります。
単純に海外SEOと言うと、英語対策をすれば良いのでは?と思う人もいるでしょう。
しかし世界では、英語以外の言語を話す人の方が多く、主要な言語だけでも片手では足りません。
さらに、多言語展開は実は国内に向けても有効です。
今や日本でも多くの外国人の方が生活し、出身国や使う言語も様々です。
中には日本語に堪能な人もいるでしょうが、全員がそうとも限りません。
その人たちが母国語で見られるサイトがあれば、国内でもリーチできるターゲットが広がります。
特に飲食店など地域に密着したビジネスでは、サイトの多言語化は有効な手段となるでしょう。
既に海外とビジネスをしていたり、これから海外展開を計画している企業なら、なおさら海外SEOに取り組むべきです。
なお、海外向けのSEO対策を行なう場合、検索順位のモニタリングも行いましょう。
例えば、検索順位チェックツール「Nobilista」なら、アメリカやイギリス、インドなどの英語圏を中心に14カ国の検索順位取得に対応しています。
多言語SEOにおける順位取得を行いたい場合、ぜひNobilistaをご活用ください。
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海外SEOを行うメリット
メリットの多い海外SEOですが、具体的に内容を見ていきましょう。
- 顧客や売上が増える
- ブランド認知が高まる
- サイト全体の評価に好影響がある
顧客や売上が増える
海外からのアクセスが増えれば、それだけ顧客の母数も増すでしょう。
例えば、英語を話す人は、日本語を話す人の10倍以上いると言われます。
中国語を話す人も同程度いますし、インドの人口も膨大です。
海外SEOを進めれば、そうした大きな市場、潜在顧客にアプローチできます。
そこから売り上げが増えれば、海外SEOのコストも回収できるでしょう。
さらに、先述のように、日本国内の海外出身者からのアクセスも期待できます。
グローバル企業はもちろん、ローカル企業にも取り組むべきメリットがあるでしょう。
ブランド認知が高まる
すぐに売り上げに繋がらなくても、アクセスが増えればブランド認知やイメージ向上が期待できます。
同じことを広告等で行う場合、相当なコストがかかります。
Webサイトの対策であれば、それより安価に済む可能性が高いでしょう。
海外SEOは、長期的な観点で企業の価値を高める手段になります。
サイト全体の評価に好影響がある
検索順位を決める要素の中には、アクセスの多さも含まれます。
アクセスが多いほど、ユーザーから支持されていると判断されるからです。
サイトを多言語化して海外SEOを進めれば、サイト全体へのアクセスは日本語だけの時より増えるでしょう。
各地から被リンクを獲得できれば、サイトのドメインパワーも高まります。
つまり、海外SEOはそれ自体で検索エンジンからの評価を上げる効果があると言えるのです。
Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説
海外SEOのリスク
海外SEOには多くの利点がありますが、リスクもゼロではありません。
ここでは海外SEOに関する注意点をお伝えします。
- コストや時間がかかる
- サイト全体の評価を落とすことがある
- ニーズを読み間違う
- 競合が多くなる
コストや時間がかかる
海外SEOでは言語ごとにページを用意するため、必然的にコストや時間が発生します。
コンテンツ数が多いほど、作業量も増えるでしょう。
しかし、良質なコンテンツを作るという部分は、決して疎かにしてはなりません。
他にも現地に即したキーワードの選定や競合調査など、すべきことが沢山あります。
日常的な運用コストも掛かります。
キーワードの検索順位チェックや、リライトなどのサイト改善、問い合わせが入るようになればサポート体制の強化も必要でしょう。
良質なコンテンツとは何か?Googleの定義や作り方のポイントを解説
サイト全体の評価を落とすことがある
先ほど海外SEOのメリットとしてサイト全体への好影響を上げましたが、これは諸刃の剣でもあります。
多言語化したサイトの質が悪いと検索エンジンからの評価が下がり、既存の国内向けサイトの評価につながる可能性もあるからです。
注意が必要なのは、機械的な直訳です。
日本人向けの表現をそのまま外国語に翻訳しても、上手く意味が伝わるとは限りません。
特に和製英語は、どの言語にしても伝わりにくくなるだけです。
例えば「トイレ」は直訳すると「toilet」ですが、実際には「便器」という意味になります。
「場所を示すトイレ」を言うなら、「restroom」としなければなりません。
下記は、分かりやすく画像検索してみたものです。
※「toilet」の検索結果
※「restroom」の検索結果
単語の誤用1つでユーザーや検索エンジンからの評価は下がります。
ニーズを読み間違う
日本で使われているキーワードが、他の言語でもニーズがあるかは分かりません。
例えば「入園式の服装」は、日本国内のGoogleでは623万件という検索数です。
しかしアメリカ国内のGoogleでは、158万件に留まります。
アメリカの人口は日本の2倍以上ですから、ニーズは弱いと想定できるでしょう。
競合が多くなる
幅広い市場にリーチできるメリットは、競合の多さにも繋がります。
先ほど「英語人口は日本語人口の10倍」と説明しましたが、単純に考えると、同じテーマの英語サイトが国内の10倍になるかもしれません。
その中での上位表示は、国内以上に難易度が高まります。
検索では「1位や2位が勝ち組」「2ページ目に行く人は少数」など、順位における格差が甚大です。
上位表示に成功しないと、得られるリターンも少なくなります。
海外SEOと日本国内SEOの違い
海外SEOを進める場合、国内向けのSEOとの違いを理解しておくと進めやすいでしょう。
ここでは両者の違いを端的に説明していきます。
- 検索エンジンが違う
- 言語が違う
- 背景となる文化が違う
- 回線速度が違う
検索エンジンが違う
日本では、多くの人がGoogleやYahoo!JAPANを使っています。
77% | |
Yahoo! | 13.39% |
bing | 8.02% |
CocCoc | 0.33% |
DuckDukGo | 0.29% |
Yandex | 0.13% |
Baidu | 0.12% |
出典:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan/#monthly-202205-202305
しかし、Yahoo!JAPANの検索エンジンは、実はGoogleの流用です。
そのため、国内ではGoogleのみを考えていれば問題は殆どありません。
それに対し海外では、Google以外の検索エンジンが主流のケースも少なくありません。
例えば、中国ではBaidu、韓国ではNaver、ロシアではYandexが主流です。
検索エンジンが変わると、採用しているアルゴリズムなども変わるため、それに合わせたSEO対策をしなくてはなりません。
検索エンジンの仕組み・特徴とは?Google検索で順位が決まる仕組みを分かりやすく解説
言語が違う
日本人は日本語が母国語なので、国内向けでは他の言語を扱う必要性はありません。
しかし世界を見れば、様々な言語があります。
同じ国で複数の公用語があることも珍しくなく、1国=1言語を用意すれば良いとは限りません。
逆に英語やフランス語のように、複数の国で使われる言語もあります。
同じキーワードでも言語によって表記が変わることもあるので、正確さが問われます。
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背景となる文化が違う
言語だけでなく、国や地域、民族ごとに文化的な傾向も異なります。
結果、Webサイトのデザインにも影響が出るでしょう。
例えば、日本では文字数や情報量を詰め込んだ、スーパーのチラシのようなデザインも散見されます。
対して欧米では、文字数を抑えたシンプルなデザインが好まれやすいでしょう。
家電の機能やリモコンのボタンでも、日本人は何かと増やして詰め込み、並べがちです。
その結果、何が重要なのか分かりにくくなったりします。
Webサイトのコンテンツも、h1からh6の見出しタグで構造化されますが、日本人は「全部重要だから、全部h2にしよう」となりかねません。
それに対し欧米では、要素を構造化して強弱を付け、見た目のインパクトを重視する傾向があります。
一方、中国のサイトは日本と同じく詰め込み型ですが、色使いが日本以上に派手な傾向があるでしょう。
文化の違いは、コンテンツ内容の差にも繋がります。
例えば、宗教によっては豚や牛などの肉食を禁じているため、該当する食事ネタは不適当です。
見出しタグ(h1やh2タグ)のSEO上の役割とは?付け方や使い方、設置時の順番のルールを事例を交えて解説
回線速度が違う
日本では高速なネットワーク回線が概ね全国で提供されていますが、そのような回線が普及していない国や地域もあります。
その場合、国内よりもサイトの表示スピードが落ちるでしょう。
ユーザーの体験価値を損なう他、検索エンジンからの評価も落とす危険があります。
Googleはサイトの表示速度を重要な評価基準として明言しており、スピード評価を点数化する機能も提供しています。
対象とする国や地域で、どの程度の回線速度が普及しているか、調べておく必要があるでしょう。
Webサイト表示速度の改善方法とは?読み込みスピードを計測するツールや数値の目安を紹介
多言語SEOの進め方と具体的な施策
ここでは多言語SEOをどのように進めたら良いか、具体的な順番と共に説明します。
- 国内向けサイトの品質を高めておく
- ターゲット像を設定する
- 対策する検索エンジンを設定する
- 適切な開発環境やプラグインを決める
- 利用するサーバを決める
- 言語ごとに個別のURLを準備する
- キーワードの選択とコンテンツの作成
- 隠れた部分の翻訳の徹底
国内向けサイトの品質を高めておく
よほどの例外を除き、海外展開の前に国内向けのサイトを運営しているでしょう。
内容によってはゼロからコンテンツを作成する場合もありますが、既存のコンテンツを元に多言語展開する方が効率的です。
しかし、サイトの評価が低い場合、そのまま多言語化しても効果はあまり期待できません。
事前に国内向けのサイトを見直し、改善の余地があれば先に済ませておきましょう。
ターゲット像を設定する
国内向けのサイトと同様、最初に対象となるターゲット像を決めることが重要です。
日本国内の場合は単なる顧客像でも構いませんが、海外に展開する場合、どこの国や地域を対象にするのかを考えます。
その上で、そこにどのような人が住み、どんなことを考えているかを理解することが必要です。
同じ英語のサイトでも、イギリス向けとアメリカ向けとでは、好まれるセンスが異なるでしょう。
アメリカに向けたサイトでも、アジア系とアフリカ系とでは、文化背景に違いがあります。
もっと言えば、同じアジア系でも日本人と中国人では、見かけほどは内面性が同じではありません。
対策する検索エンジンを設定する
ターゲットが決まれば、対策が必要な検索エンジンも決まります。
現地で使われている検索エンジンの特徴に合わせ、早い時点でSEO施策を進めましょう。
コンテンツの作成を始めてからでは、実態と目指すべき方向がズレる可能性があるからです。
併せて、該当の検索エンジンでの検索結果を調査します。
競合となる上位サイトを見て、どのような点が高評価を得ているのか確認し、対抗策を考えましょう。
適切な開発環境やプラグインを決める
勝機があると判断できたら、プロジェクトを推進させます。
やるべきことは同時に複数ありますが、そのうちの1つが、望ましい開発環境を考えることです。
Webサイトの作り方は沢山あります。
データベースから自動でコードを吐き出す方法から、手動での打ち込みまで様々です。
大手企業なら、社内の関係部署や外部の開発会社を巻き込み、大きな規模になるでしょう。
小さな企業でWebサイトの管理運営も社内で行っている場合、特定の担当者に負荷が集中するかもしれません。
いずれにしても、国内だけを対象にしたサイトと多言語サイトとを同一視するのは危険です。
既存のやり方に囚われず、用いる開発環境を見直す意義があります。
使い勝手が良いのは、WordPressやJoomlaなどのCMSでしょう。
独自に作成、開発されたWebサイトより拡張性に優れています。
多言語化を担うプラグイン(追加機能)の種類も豊富で、コストも殆どかかりません。
ただし、一定以上の規模になると速度や保守コストに影響が出るので、想定されるアクセス数やサイト規模を元に検討しましょう。
利用するサーバーを決める
ターゲットとなる現地に所在するサーバーを使うのも効果的です。
サーバーの距離が近いほど速度的に有利ですし、現地のサーバーにデータをアップロードする方が、検索エンジンからの評価も高まります。
また、国内のサーバーでは海外からのアクセスを制限しているケースもあり、そうなるとSEO自体が無意味になってしまうでしょう。
特定の国や地域に絞り込めない場合は、AWS(AmazonWebServices)を使うのもおすすめです。
クラウド型なので、どこからアクセスされても表示が早く、拡張性も高いからです。
言語ごとに個別のURLを準備する
国内企業用のドメインである「co.jp」は、多言語化に即しません。
新たにドメインを取得する必要があります。
その際に重要となるのが、どのようなURL構造とするかです。
一旦決めたら後から変更するのは大変なので、最初に決定しておかねばなりません。
大原則は、展開する言語や地域ごとに、個別のURL構造とすることです。
URL構造を混ぜるとユーザーが混乱し、検索エンジンの識別にも悪影響を与えます。
多言語展開サイトで使用できるURL構造は、下記の5つです。
- 汎用トップレベルドメイン(gTLD):www.◯◯◯◯.comなど
- 国別トップレベルドメイン(ccTLD):www.◯◯◯◯.jpなど
- サブドメイン:www.jp.◯◯◯◯.comなど
- サブディレクトリ:www.◯◯◯◯.com/jpなど
- URLパラメータ:www.◯◯◯◯.com?lang=jaなど
それぞれ長所と短所があるので、簡単に説明していきましょう。
SEOとURLの関係性とは?SEOに効果的なURLの設定方法を解説
汎用トップレベルドメイン(gTLD)
「com」や「info」、「net」など、全世界で汎用的に使えるドメインがgTLDです。
gTLDをサイト単位で使うことで、複数サイトの運用を行えます。
- アメリカ向け:www.◯◯◯◯.com
- 中国向け:www.◯◯◯◯.info
- フランス向け:www.◯◯◯◯.net
この方法では、サイトの数だけドメインが必要です。
保守もバラバラになるので運用コストがかかり、ドメインを見てもどこ向けのサイトか分かりません。
国別トップレベルドメイン(ccTLD)
ccTLDは、「jp」や「fr」「uk」など、国に紐づけたドメインです。
- 日本向け:www.◯◯◯◯.jp
- フランス向け:www.◯◯◯◯.fr
- イギリス向け:www.◯◯◯◯.gb
この方法もサイトの数だけドメインが必要ですが、どこ向けのサイトか分かりやすくなります。
反面、ドメインが別れるので、サイト全体のドメインパワーには繋がりません。
ドメインパワーの計測方法・調べ方とは?上げる方法や無料チェックツールも紹介
サブドメイン
サイトごとにドメインを分けず、1つのドメインで複数の多言語サイトを運用するのが、ここから紹介する3つの方法です。
1つ目のサブドメインは、gTLDの手前に識別用の略語を置くことで、あたかも独立したサイトのように運用できます。
- 日本向け:www.jp.◯◯◯◯.com
- フランス向け:www.fr.◯◯◯◯.com
- イギリス向け:www.gb.◯◯◯◯.com
各サイトは、検索エンジンからは独立したサイトとして認識されます。
被リンクが付いても、他のサイトには反映されません。
ただし、本体部分のドメインは共通なので、全体のブランディングイメージの向上に寄与します。
また、サブドメイン下のサイトデータは各地のサーバに分散配置でき、表示速度や検索エンジンからの評価を損ないません。
サブドメイン・サブディレクトリとは?どっちがSEOに有利?違いやメリット・デメリット、使い分けのやり方を解説
サブディレクトリ
サブディレクトリは、共通のドメインの下にディレクトリ(フォルダ階層)を作ってデータを置く方法です。
- 日本向け:www.◯◯◯◯.com/jp
- フランス向け:www.◯◯◯◯.com/fr
- イギリス向け:www.◯◯◯◯.com/gb
この方法では、下位階層で得られた被リンクなどを全体のメリットとして受け取れます。
データもシンプルな階層構造となるので、管理上も混乱しにくいのがメリットです。
ただし、サブドメインと異なり、データは一箇所にまとめる必要があります。
表示速度や検索エンジンからの評価は損ねる危険があるでしょう。
URLパラメータ
URLの末尾にパラメーターを含めて表示を切り替える手法です。
- 日本向け:www.◯◯◯◯.com/page?lang=jp
- フランス向け:www.◯◯◯◯.compage?lang=fr
- イギリス向け:www.◯◯◯◯.compage?lang=gb
一見スマートに見えますが、動的な生成を伴うためインデックス登録に悪影響を与えます。
Googleも推奨していない方法なので、できれば避けた方が賢明です。
インデックスとは?SEOとの関係や確認方法、登録方法を解説
キーワードの選択とコンテンツの作成
ここまで準備できたら、いよいよコンテンツの作成です。
まずはキーワードを的確に選びましょう。
キーワードはSEOにおける根幹です。
ターゲットに設定した言語や地域の中で、ニーズのあるキーワードを探します。
月間平均検索ボリュームや、検索上位のサイトも調べましょう。
Googleキーワードプランナーや、各種のキーワード調査ツールも役立ちます。
運用を始めて問い合わせが入るようになったら、その中からも実需のあるキーワードが拾えるでしょう。
キーワードが決まったら、コンテンツの作成に進みます。
ネイティブレベルの人材を使い、執筆や文章校正、監修などを任せましょう。
ほんの僅かでも違和感があると、現地の人からの信頼は大きく落ちます。
少なくとも、自動翻訳のままの状態で出すのは避けてください。
細かい点としては、下記のような点にも注意が必要です。
- 日付や時刻の表記
- 長さ、体積、重量の単位
- 通貨の単位や表記、記号など
SEOキーワード選定のやり方・コツとは?初心者に役立つ便利ツールも紹介
言語選択メニューの用意
多言語サイトでよく見る機能として、言語選択メニューがあるでしょう。
現地でユーザーがどの言語を使っているのか、実際の所は分かりません。
例えば、国内サイトでは日本語版が表示されますが、英語が母国語の人なら表示を英語に切り替えたくもなるでしょう。
比較的見つけやすい場所に、言語選択メニューを配置するのが親切です。
なお、選択メニューで国旗を使用するのは、必ずしも妥当ではありません。
フランス語を使うカナダ人や、スペイン語を使うメキシコ人もいるからです。
記事コンテンツSEO対策
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隠れた部分の翻訳の徹底
多言語化で必要なのは、目に見えるコンテンツ部分の翻訳だけではありません。
もっと細部まで手を入れる必要があります。
例えば、下記のような部分です。
URLスラッグ
ドメイン名の下部に続き、各ページのURLを構成するのがスラッグ(パーマリンク)です。
例えば、支払いに関するページのURLなら、以下のように、現地の表記に合わせる必要があります。
- イギリス向け:www.gb.◯◯◯◯.com/payments
- フランス向け:www.fr.◯◯◯◯.com/paiements
パーマリンクの意味とは?決め方やWordPressのおすすめ設定方法、SEO上の注意点
メタデータ
各ページの「タイトルタグ」や「メタディスクリプション」は、検索エンジンが情報として収集する大事な部分です。
内容は検索結果にも表示されるため、既存のコンテンツを流用した時には、忘れずに翻訳しなくてはなりません。
メタデータには重要なキーワードを入れる必要もあるので、自動翻訳任せも禁物です。
メタタグ(meta tag)とは?確認方法やSEOに効く書き方、設定方法を初心者にもわかりやすく解説
その他の情報
下記のような情報にも的確な翻訳が必要です。
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- 運営者情報
- 問い合わせフォーム
- ヘッダーやフッター
- テキストの入った画像
- 画像の代替テキスト
- エラーメッセージ
言語設定の最適化
翻訳以外にも必要な対応があります。
XMLサイトマップを作成する
XMLサイトマップは、検索エンジンにWebサイトの構造を理解させ、情報を効率的に渡すために必須です。
特に、ディレクトリ方式で、同一ドメイン内に複数の言語サイトが収まる場合は欠かせません。
CMSの場合、自動で作成する機能があるので活用しましょう。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)とは?作り方やSEO効果、Googleへの送信方法を解説
hreflangタグを使用する
XMLサイトマップと並んで必須となるのが、hreflangタグです。
このタグは対象ユーザーの言語や地域と、ページで使用されている言語とを一致させます。
複数のタグを使うことも可能です。
例:
<link rel=”alternate” hreflang=”en-US” href=”https://◯◯◯◯.com/us/”>
<link rel=”alternate” hreflang=”en-GB” href=”https://◯◯◯◯.com/gb/”>
アメリカ在住の英語ユーザー(en-US)に「us」のページを、イギリス在住の英語ユーザー(en-GB)には「gb」のページを表示します。
例:
<link rel=”alternate” hreflang=”ja” href=”https://◯◯◯◯.com/ja/”>
<link rel=”alternate” hreflang=”de” href=”https://◯◯◯◯.com/de/”>
<link rel=”alternate” hreflang=”x-default” href=”https://◯◯◯◯.com/en/”>
日本語ユーザーには「ja」のページを、ドイツ語ユーザーには「de」のページを、それ以外のユーザーには「en」を表示させる記述です。
langタグを使用は不要
言語設定には、「lang」タグを使う方法もあります。
ただし、海外SEOでは特に推奨されていません。
使うことで悪影響が出るわけではありませんが、あえて重視する必要はないでしょう。
同じ地域や言語のサイトから被リンクを得る
以前ほどではないにせよ、現在でも被リンクは重要視される評価項目です。
特に属性の近いサイトからの被リンクは評価が上がります。
日本向けのサイトであれば、同じ日本のサイトからの被リンクです。
同じように、現地のサイトや同じ言語のサイトから、できるだけ被リンクを集めましょう。
SNSやプレスリリースサイトからの被リンクもおすすめです。
なお、ここまでの方法をもとに海外向けのSEO対策を行ったら、検索順位のモニタリングも行いましょう。
例えば、検索順位チェックツール「Nobilista」なら、アメリカやイギリス、インドなどの英語圏を中心に14カ国の検索順位取得に対応しています。
多言語SEOにおける順位取得を行いたい場合、ぜひNobilistaをご活用ください。
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被リンクとは?増やし方や獲得方法の例、SEOとの関係
参考:【2024最新】海外SEO対策とは|基礎から成果を出すコツまで解説
国別海外SEO対策
ここでは、いくつかの国や地域別にSEO対策の特徴をご紹介します。
- 北アメリカ
- 中国
- 韓国
検索エンジンのランキング!日本・世界のシェア率を一覧で紹介!
北アメリカ
北米の検索エンジンのシェアです。
90.3% | |
Bing | 5.79% |
Yahoo! | 1.96% |
DuckDuckGo | 1.58% |
Yandex | 0.15% |
Ecosia | 0.06% |
出典:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/north-america#monthly-202205-202305
北アメリカでは、日本と同じくGoogleが主流です。
ただし、Bingにも一定の利用率があるので、考慮しておくと良いでしょう。
アメリカやカナダでは、現地からの被リンク獲得も重要です。
また英語の競合サイトが多いので、うまくニッチなワードを探しましょう。
中国
中国内の検索エンジンのシェアです。
Baidu | 56.39% |
Bing | 19.09% |
Sogou | 10.85% |
Yandex | 5.08% |
3.39% | |
Haosou | 2.82% |
出典:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/china/#monthly-202205-202305
自国開発のBaidu(百度)が普及し、次いでbingやSogouが使われます。
Googleは少数なので、最大手のBaidu対策が中心です。
meta情報がGoogle以上に参照されるので、しっかり設定しましょう。
Baiduにはサイト登録ができる他、日本の経済産業省に当たる中国工信部にもサイト登録が申請できます。この2つは必須です。
また、中国本土のサーバーを使う場合、中国政府からのICPライセンスを取得する必要があります。
中国本土に法人か駐在所があることが取得条件です。
韓国
韓国内の検索エンジンのシェアです。
60.82% | |
NAVER | 33.9% |
Bing | 2.53% |
Daum | 0.97% |
CocCoc | 0.84% |
Yahoo! | 0.43% |
出典:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/south-korea#monthly-202205-202305
Googleが過半数を占めますが、国産のNAVERも1/3を超えており無視できません。
NAVERは検索結果がカテゴリー単位でまとめられるので、どのカテゴリーを攻めるかが重要です。
また、企業の公式サイトは露出が極めて低くなるので、ブログでアプローチした方が良いでしょう。
BingのSEO対策は必要!ウェブマスターツールやガイドラインを踏まえた基本的なやり方を解説
海外SEOに関するよくある質問
最後に、海外SEOでの質問をまとめます。
海外SEOと多言語SEOとは違いますか?
多言語SEOは、多様な言語を話す人に向けてサイトを使いやすくすることです。
例えば、街中の飲食店が近隣に住む外国人向けに、お店の宣伝をしたい場合も含まれます。
もちろん、海外から来たアクセスへの対応にも寄与するでしょう。
一方の海外SEOは、初めから海外からのアクセスを目指すものです。
イギリスからのアクセスが欲しければ、ロンドンや紅茶の小ネタを挟む手もあります。
中国からのアクセスが欲しければ、漢字を効果的に使ったデザインに特化するのも良いでしょう。
海外SEOに向いたドメインは?
日本の会社を示す「co.jp」は、海外からアクセスを集める用途には向いていません。
「com」などの汎用ドメインなら安全です。
国別ドメインの「jp」や「gb」などを使うのも良いでしょう。
コンテンツは翻訳するのとゼロから作るのと、どちらが良いですか?
既存のコンテンツを再利用すべきか、新しく作成すべきかは、見極めが肝心です。
これまでにない新しいキーワードなら、ゼロから作るしかありません。
既に類似のキーワードに対するコンテンツがあるなら、資産を活かす判断もあるでしょう。
既存コンテンツを翻訳する場合でも、ターゲットとなる国や地域にマッチした内容に寄せる必要があります。
どの程度の活用が妥当かも含め、企画段階からネイティブレベルの人に関わってもらいましょう。
サイトを作った後に必要なことは何ですか?
実際の検索順位を確認し、必要に応じてリライトなどのテコ入れを行いましょう。
ニーズの高いキーワードを追加したり、重要なキーワードを見出しとして格上げすることも有効です。
調査のためのツールはGoogleなどからも提供されていますが、より詳細なデータを取得するなら、専用ツールを使った方が良いでしょう。
例えば、検索順位チェックツールの「Nobilista(ノビリスタ)」なら、アメリカやイギリスなど、9カ国の検索順位計測に対応しており、検索ボリュームなどのデータも取得できます。
クラウド型なのでブラウザ上で利用でき、MacやWindowsなどOS環境を問いません。
複数のデバイスや、複数メンバーでの利用も可能です。
特に海外SEOの初手で必須となる「既存の国内向けサイトの品質を高めておく」ため、Nobilistaを使って検索順位の向上を図りましょう。
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