SEO

更新日2024年08月22日

SEO分析とは?解析手順や見るべき項目、おすすめツールを紹介

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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WebサイトをSEOの視点で分析する「SEO分析」。

SEO上の課題や今後やるべきSEO施策が明確になります。
そのため、SEO対策の前に行うことが多いです。

今回のNobilistaブログでは、このSEO分析について解説しましょう。

SEO分析の重要性代表的な分析項目解析手順など、SEO初心者向けにわかりやすくお伝えします。

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SEO分析とは

SEO分析とは、SEOの状況を把握するための調査です。
具体的には、以下の点を明確にする調査と言えるでしょう。

  • SEO上の課題と改善点
  • 成果の出ているコンテンツ
  • やるべきSEO施策
  • 優先すべきSEO施策(取るべきSEO戦略

また、SEO施策の成果を計測する「SEOの効果測定」をSEO分析と呼ぶ場合もあります。

SEO外注時もまず「SEO分析」から始まる

SEO対策会社やSEOコンサルに依頼した際も、必ずSEO分析から始まります。
もちろんSEO状況を把握するためです。

実際にSEOの見積もりを見てみましょう。
「初期費用」や「初期調査・分析費用」という項目があるはずです。
ここにSEO分析が含まれています。

逆に「SEO分析をしない」というSEO業者には注意しましょう。
後述しますが、SEO分析はSEOの成果を左右する重要な作業だからです。

SEOの外注は、依頼先によっても成果が大きく変わります。
失敗しないためにも、以下記事の「SEO対策会社への依頼はなぜ『失敗するのか』」や「契約してはいけない悪質SEO業者の特徴」も併せてご覧ください。

東京・大阪のSEO対策会社・コンサル会社おすすめ比較ランキング!選び方や代理店ごとの評判を解説

そもそも「SEO」とは?

SEO(検索エンジン最適化)とは、Web集客のひとつで、検索結果の最初にWebサイトを表示させる「上位表示」を目的とした一連の施策のことです。

検索行為が当たり前の時代に、検索結果の目立つ位置にWebサイトが表示できれば、それだけ多くの人にブランドを認知してもらえます。
また、商品やサービスの利益に繋がる可能性もあるでしょう。

なお「上位表示のための施策」というのは、本来の意味とは異なるものです。
さらにSEOと言っても、テクニカルSEOコンテンツSEOなど様々な種類があります。

SEO対策とは?初心者にも分かりやすく上位表示の基本的なやり方を解説

SEO分析の重要性

SEO分析は、SEOの成果も左右する重要な作業です。
SEO分析をしないと、たとえば以下のような問題が考えられます。

  1. 優先すべきSEO施策がわからない(非効率なSEO)
  2. 適切な目標が設定できない
  3. リソース不足になる

まずはSEO分析の重要性について理解しましょう。

優先すべきSEO施策がわからない(非効率なSEO)

SEO分析を行わないと優先すべきSEO施策がわかりません。
その結果、行き当たりばったりの非効率なSEOになってしまうでしょう。

たとえば、クロールやインデックスに問題のあるWebサイトがいくら良質なコンテンツを作っても、望む成果は得られません。
インデックスされなければ、上位表示どころか検索結果にすら表示されないからです。

効率的なSEOのためにも、SEO分析は重要と言えます。

インデックスとは?SEOとの関係や確認方法、登録方法を解説

適切な目標が設定できない

物事を達成するには、適切な目標設定が欠かせません。
そしてそれはSEOも同じです。

この目標を「目指せ100万PV!」のようにふんわりと決めてしまい、達成できずに終わるWebサイトの話はよくあります。

そこで、SEOを成功させる目標設定のために必要なのがSEO分析です。
SEO分析を行えば、明確な根拠に基づいた具体的な目標が設定できます。

また、具体的な目標はモチベーションの維持にも繋がるでしょう。
目標に対して自分がどの位置にいるのか、達成度がはっきりとわかるからです。

SEO対策のKPI設定の手順と指標を紹介!オウンドメディアのKPIツリーの作り方とは?

リソース不足になる

SEO対策でリソース不足に陥るWebサイトは多いです。
その主な要因が、事前に必要なリソースを把握できていないというもの。

SEO施策にかかるリソースは、自サイトのSEO状況によって変わります。
Webサイトの状態や競合サイトの有無、対策するキーワードのジャンルなど。

だからこそ、正確にリソースを把握するためには、SEO分析が欠かせません。

たとえば「YMYL」ジャンルのコンテンツがわかりやすい例でしょう。
YMYL(Your Money or Your Life)とは、検索ユーザーの人生に大きな影響を与えるコンテンツジャンルです。

YMYLジャンルのコンテンツは、ユーザーの安全性のために上位表示の品質水準、たとえばE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)といった要素が厳しく評価されます。

そのため、コンテンツ制作時に監修を依頼するなど、通常よりも制作コストや人的リソースがかかることが多いです。

一般的にSEOは低コスト・低リソースでできる施策と思われています。
ただし必ずしもそうとは限りません。

リソース不足に陥らないためにも、SEO分析は重要といえるでしょう。

YMYL領域とは?ジャンル例やSEO対策のポイント、個人ブログはYMYL以外を狙うべき?

SEOで分析すべき項目

ここからは、SEO分析で見るべき代表的な分析項目を紹介します。

  1. 検索キーワード
  2. 流入キーワード
  3. インデックス数
  4. キーワードの検索順位
  5. アクセス数(クリック数、PV数など)
  6. 質の高い被リンク数・サイテーション数
  7. PLPの一致率
  8. コアウェブバイタル(Core Web Vitals)

なお、各項目の分析には専用のSEOツールを利用します。
おすすめのSEO分析ツールは、最後にまとめているのでご覧ください。

検索キーワード

SEOが常に最善の集客方法とは限りません。
場合によっては「SEOに注力しない」という選択肢も考えられるでしょう。

そこで見たい項目が「検索キーワード(対策キーワード、SEOキーワード)」です。
検索キーワードを分析すれば、SEOでの集客は期待できるか、大まかに判断できます。

たとえば、検索キーワードの検索意図を分析するとユーザーの人物像が浮かび上がります。
検索意図とは、ユーザーが検索した目的や理由です。

検索ユーザーと商品やサービスを売りたい「ビジネスのターゲット」は近いか。
両者の人物像を照らし合わせることで、SEOの集客効果を推測できます。

もし両者がズレていれば、いくらSEOを行っても結局は利益に繋がりません。
他のWeb集客を優先した方が、集客効果は期待できるでしょう。

また、キーワードの数や検索回数(検索ボューム)が少ないといった、検索需要が低い場合も同様です。

SEOは「検索エンジンを使うユーザー」を集客する施策です。
ビジネスのターゲットが検索活動をしていなければ、SEOでの集客は期待できません。

流入キーワード

流入キーワードとは、Webサイトに訪れたユーザーが検索で使ったキーワードです。
上位表示できないコンテンツは、この流入キーワードを分析しましょう。

たとえば、流入キーワードがほとんど狙ったキーワードではなかった場合。
キーワードの検索意図とコンテンツの内容が大幅にズレている可能性が高いです。

インデックス数

インデックス数を分析することで、クロールやインデックスの状態が確認できます。

インデックス数が増えない、インデックス数が急激に減るなどの異常があった場合は、何かしらの問題を疑いましょう。

さらに、昨今はインデックスされないWebサイトが増えているようです。
その主な理由は「コンテンツの質が低い」らしく、インデックス数はコンテンツ品質の判断にも繋がると言えるでしょう。

インデックス数とは?SEOとページ数の関係や無料調査ツール、増えない時の原因別対処法

キーワードの検索順位

キーワードの検索順位はSEO分析の基本です。
検索順位を分析することで成果の出ていないコンテンツ、つまり改善の必要なコンテンツリライトの優先順位が判断できます。

検索順位リライトの優先度
2~10位

被リンクサイテーションWebサイトの権威性などコンテンツ以外の影響も大きい。
11位~20位

少しの改善で、よりクリック率の高い1ページ目に表示される可能性がある。
21位以降

順位の変動がまだ大きいため、落ち着くまで待つ。基本的に大幅なリライトが必要。低品質コンテンツは早めに対処。

低品質コンテンツは、Webサイト全体にマイナスの影響を及ぼします。
優先度に関係なく、見つけ次第すぐに対処しましょう。

SEOリライトのやり方とは?効果や記事選びのコツ、反映されるタイミングを解説

アクセス数(クリック数、PV数など)

アクセス数は、SEOの成果を測る基本の数値です。

アクセス数が多ければ、それだけ成果を出しているということ。
成果の出たコンテンツを分析すれば、今後のコンテンツ作りのヒントとなるでしょう。

また、高度なアクセス解析では、コンテンツの問題点や改善点を詳細に把握できます。

アクセス数を調べる・増やす方法とは?GA4の見方やサイトの数値目安を解説

質の高い被リンク数・サイテーション数

被リンクとは、他サイトに張られた自サイトへの外部リンクのこと。
そしてサイテーションとは、他サイトが自サイトについて言及することです。

たとえば、あるメディアサイトに弊社の検索順位チェックツール「Nobilista(ノビリスタ)」が取り上げられた場合。
弊社はサイテーションを1つ獲得したことになります。

ただし、SEO目的で張られた自作自演のものは、評価の対象外です。
自然発生したナチュラルリンク(サイテーション)のみ評価されます。

だからこそ、SEO分析では「質の高い」被リンク「良質な」サイテーションの数に注目しましょう。

サイテーションとは?SEO効果や獲得方法、数量の調査方法を解説

PLPの一致率

SEOでは、意図しないコンテンツが検索結果に表示されるケースがあります。
その主な原因がキーワードのカニバリゼーションです。

キーワードのカニバリとは、同じサイトのコンテンツ同士(重複コンテンツ)が同じ対策キーワードで順位を争う現象のこと。
カニバリが起こると、重複コンテンツが交互に表示されるといった挙動が見られます。

その結果、SEO評価が分散します。
いずれのコンテンツも、最終的に順位が下落して終わることが多いです。

このカニバリ対策に有効なのがNobilista(ノビリスタ)の、「PLP(Preferred Landing Page)」という機能です。

PLPとは、対策キーワードごとに上位表示して欲しいページのURLを登録できる機能です。

PLP機能を使えば、検索結果に表示されているページが異なる場合。
つまり意図しないページが表示されている場合にも、すぐに気づくことができます。

そこでSEO分析では、PLPの一致率を見てみましょう。
重複コンテンツやカニバリの早期発見に繋がります。

また、カニバリを起こす重複コンテンツの原因は「キーワード選定の甘さ」です。
特に検索意図の近いキーワードをまとめる「グルーピング」の作業が不足していると考えられます。

PLP一致率が低い場合は、キーワード選定検索意図の調査方法の見直しも視野に入れましょう。

PLP(PreferredLandingPage)とは?管理・対策のやり方と便利SEOツールを紹介

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)

昨今のSEOでは、コンテンツ閲覧時の「快適さ」も評価の対象となっています。
その代表と言えば「コアウェブバイタル」でしょう。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、Webサイトのユーザビリティ(使いやすさ)を示す、Googleによって設定された指標です。

コアウェブバイタルの数値が低いということは、閲覧性や操作性が悪いということです。
ユーザーがコンテンツを見る際にストレスを感じている可能性もあるでしょう。

ユーザビリティの低いWebサイトは、Googleから評価してもらえません。
実際にGoogleは、コアウェブバイタルがランキング要因であると明言し、数値の改善を推奨しています。

SEO分析では、適宜コアウェブバイタルの数値も確認しましょう。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?対策や改善方法、評価を計測するツールを紹介

SEO分析から施策立案までの流れ・手順

SEO分析の方法からSEO施策の決定まで、大まかな流れを見ていきましょう。

  1. Webサイトの目的を明確にする
  2. SEOに関わる分析項目をツールで確認する
  3. 競合サイトのSEO分析を行う(競合調査)
  4. 明確になった課題からやるべきSEOを決定する

①Webサイトの目的を明確にする

SEO分析の前にWebサイトの目的を明確にします。

何のためにWebサイトを上位表示させたいのか。
その答えが、まさにWebサイトの目的と言えるでしょう。

  • 購入や利用に繋げたい
  • 知ってもらいたい
  • 良い印象や特定のイメージを持たせたい
  • ファンを増やしたい

Webサイトの目的によっては、SEO分析で重視すべき項目が異なります。

認知度の向上が目的であれば、認知された数なので「新規ユーザーの数」に注目し、逆にリピーターの獲得では「再訪問ユーザーの数」に注目する必要があるでしょう。

②SEOに関わる分析項目をツールで確認する

SEOツールを使い、先ほど紹介したSEO分析の主要項目を確認しましょう。
このときWebサイト全体だけでなく、ページ単位でも分析します。

成果の出ていないコンテンツやWebサイトが持つSEO上の問題など、現状の課題は全て洗い出してください。

SEOツールおすすめ16選!無料・有料、Google公式ツールまで価格や機能を比較

③競合サイトのSEO分析も行う(競合調査)

SEO分析は、競合サイト(ライバルサイト)に対しても行いましょう。

上位表示の座は、常に競合サイトとの争奪戦だからです。
競合サイトに勝つには、コンテンツを差別化したり、戦略的にキーワードを選んだり、競合サイトごとにSEOの打ち手を変える必要があります。

そこで行いたいのが、ライバルを深く知ること。
つまり上位サイトの分析「競合調査」です。

競合調査を行うことで、たとえば以下のようなことがわかります。

  • 上位サイトが評価されている理由
  • 自サイトとの違い
  • 上位サイトに不足している内容や改善点

上位サイトと似たようなものを作っても、Googleからは評価されません。
上位表示するには、上位サイト以上の価値が提供できるコンテンツや他サイトにはマネできない、唯一無二の価値を持つコンテンツを意識しましょう。

競合サイト順位比較ツール|分析方法と無料調査、ライバルサイトの見つけ方も解説

④明確になった課題からやるべきSEOを決定する

課題が明確になれば、自ずとやるべきSEO施策も明確になります。
SEOへの影響の大きさ、費用対効果など優先度の高いものから対応していきましょう。

このとき併せて、KPI(重要業績評価指標)を設定するのもおすすめです。

各SEO施策ごとに目標を設定することで、SEOの達成度がわかりやすく、モチベーションの維持にも繋がります。
KPIの設定方法は、以下の記事をご覧ください。

SEO対策のKPI設定の手順と指標を紹介!オウンドメディアのKPIツリーの作り方とは?

SEO分析項目別のおすすめツール

SEO分析は主にSEOツールを使って行います。
ここでは、SEO分析におすすめのツールを紹介しましょう。

キーワード選定:ラッコキーワード

料金無料
(回数制限・使用制限あり)
分析項目の例検索キーワード

キーワードのSEO分析でおすすめなのが「ラッコキーワード」です。

無料ながらSEOキーワードに関する機能が豊富。
サジェストキーワード以外にも、共起語関連キーワードなど、様々なSEOキーワードが抽出・分析できます。

自サイトに関連する語句を入力して、どのようなキーワードがあるか調べてみましょう。

【無料あり】キーワードツールおすすめ10選!Google検索ワード調査ツールの使い方と注意点

テクニカルSEO:Googleサーチコンソール

料金無料
分析項目の例・流入キーワード(クエリ)
・インデックス数
・アクセス数(クリック数)
・被リンク数
・コアウェブバイタル

Webサイトの内部構造に関わる、技術的なSEO施策をテクニカルSEOと呼びます。
クロールやインデックス、コアウェブバイタルの分析には、このテクニカルSEOの分析ツールを利用しましょう。

そこでおすすめなのが、Googleの提供する「Googleサーチコンソール」です。
ご覧の通り、テクニカルSEOに関する分析はこのツールでほぼ完結します。

Googleサーチコンソールとは?できることや使い方、登録方法・設定方法を解説

アクセス解析/コンテンツSEO:Juicer(ジューサー)

料金無料
(一部機能は有料)
分析項目の例アクセス数(訪問者数、PV)

アクセス解析やコンテンツSEO分析でおすすめのツールが「Juicer(ジューサー)」です。

注目したいのは「ペルソナ自動生成」や「ユーザー分析」といった機能。
いずれも、訪れたユーザーを細かく分析できるというもので、コンテンツ改善やリライトの効率化に効果が期待できます。

アクセス解析ツールおすすめ4選!種類ややり方、有料・無料別に比較

検索順位チェック:Nobilista(ノビリスタ)

料金有料
(月額990円~)
分析項目の例・キーワードの検索順位
・アクセス数(想定アクセス数)
・PLP一致率
・競合調査(順位比較)

キーワード検索順位をはじめ、様々なSEO分析に強い弊社の「Nobilista(ノビリスタ)」も併せてご紹介させてください。

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