SEO
公開日2023年5月23日
更新日2024年07月08日
記事ライティング外注時のマニュアルの作り方と具体例
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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ライティングマニュアル(レギュレーション)とは、ブログ記事などの執筆におけるルールや留意事項、必要情報をまとめた資料です。
対策キーワードや構成案(見出し)など、依頼内容ごとに作る「依頼書」と違い、基本的に使いまわしができる内容となっています。
そのライティングマニュアルの作成は、記事の外注、とくにクラウドソーシングでの記事発注には欠かせません。
筆者は過去に、記事を依頼する側、つまり編集者やサイト運営者の立場で外部のWebライターとやりとりをしていたことがあります。
その際に必要性を感じたのが、このライティングマニュアルでした。
また、Webライターとしてクラウドソーシングで、記事を依頼される側も経験しています。
その際、ほとんどの案件で、何らかのマニュアルが事前に用意されていました。
そして実は、Webライターにとってもこのライティングマニュアルは、なくてはならないものなのです。
今回のNobilistaブログは、クラウドソーシングで外部Webライターにブログ記事を依頼する際に用意したい「ライティングマニュアル(レギュレーション)」についてお話ししましょう。
また、マニュアルに書いてほしい項目やマニュアル作りの際の注意点など、Webライター側の視点や体験談も交えたリアルな部分もお伝えしたいと思います。
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記事の外注でライティングマニュアルは必要か?
結論からお伝えすると、ライティングマニュアル(レギュレーション)は必要です。
ライティングマニュアルを作るメリットには、たとえばこのようなものが挙げられます。
- 単純な記事の修正が減る(修正コストの削減)
- スキルの足りていないWebライターでも、記事の質を上げることができる
- WordPressへの入稿がラクになる
ところで、ブログ記事をクラウドソーシングで依頼して、失敗をするという方が後を絶ちません。
なかでも、よくある失敗の理由が「思っていたもの(質)と違う記事が納品された」というもの。
このときよく「Webライターのスキルが足りていなかったんだろう」と片付けられがちですが、本当にそれだけでしょうか。
たしかに、クラウドソーシングには、未経験のWebライターも多くいます。
実際に筆者も「もうちょっとどうにかならないか」と、修正依頼を出すたびにやきもきさせられた経験が何度もありました。
しかし、なかにはライティング経験者にもかかわらず、思うような記事が納品されなかったケースもあるようです。
このとき、失敗の原因と考えられる可能性が2つあります。
- Webライターに丸投げをしている
- 記事に関することで、お互いの認識がズレている部分があった
この2つの原因を回避するために必要なのが、まさにライティングマニュアル(レギュレーション)です。
どういう意味か、具体的に見てみましょう。
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「どのような記事を作ってほしいか」を伝えられる
どれほどスキルの高いWebライターに外注しても、丸投げではまず成功はしません。
たとえば、以下の物語を見てください。
あなたは有名な料理人です。
ある日、来たお客から「何か料理を作ってよ」といわれました。
そこであなたは、最高級の食材を使って、得意の中華料理を作って出します。
すると、お客はこのような独り言をつぶやきました。
「はあ。イタリアンが食べたかったな。それに中華料理って興味ないし、なんか知らない食材を使ってて食べる気も失せるし、とにかくこんなに質が低い料理をだされるなんて思ってなかったな。ここの料理人って腕がイマイチみたい。」
お客はしぶしぶ支払いをして出ていきます。
料理人は残念そうにお皿を片付け、厨房にある食材の余りを見つめるのでした。
お互いが不幸になってしまった、残念なお話です。
とはいえ、どんなものが食べたかったのか、好きなものや使ってほしい材料、苦手なものなど情報を事前に伝えていれば、このようなことは起きなかったのではないでしょうか。
ブログ記事の外注にも同じことがいえます。
「どのような記事を作ってほしいか」を伝えなければ、Webライターも独自の視点で記事を書くほかありません。
もちろん、その記事が気に入ればよいですが、ほとんどは的外れなものとなるでしょう。
要するに、思っていたものと違うものができあがるのは、その「思っていた」を事前に伝えられていない、または思っていたものを作るために必要な情報やデータがWebライターに十分提供できていない可能性があるのです。
このように、ライティングマニュアルがあれば、依頼する側が思い描く理想の記事に近いものをWebライター側もくみ取って執筆できるようになるでしょう。
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お互いの認識にズレがないか確認できる
SEOの知識や検索意図の考え方、文章の書き方など、依頼側とWebライター側の考え方・認識がズレており、その結果「思っていたものと違う」記事ができあがってしまうことがあります。
さきほどの「料理人」と「お客」を思い出してみましょう。
実際、料理人は最高級の食材を使い、絶品の中華料理を作ったつもりでした。
しかし、相手はそもそも中華料理を求めておらず、もちろん使った食材の価値も評価できず、絶品とも思えなかったわけです。
記事を依頼する際にも、同じことがいえます。
たとえば「SEOを考慮した記事」といっても、ライターによっては「記事のなかにキーワードを多く入れること」と認識をしている可能性があります。
また「質の高い記事」や「上位表示する記事」といった表現も、上位サイトと同じコンテンツを作ることだと思っているWebライターもいるかもしれません。
そこで「お互いの認識を合わせる」ために役立つのが、ライティングマニュアルです。
依頼する側が自サイトのSEO知識を伝えたり、質の高い記事の執筆方法や具体例を伝えたりすることで、Webライターも同じ認識のうえで記事を執筆することができます。
ライティングマニュアルがあれば、思っていたものと違う記事を未然に防ぎ、お互い効率的なやりとりをおこなうことができるでしょう。
検索意図とは?分類や調べ方、分析に役立つSEOツールを紹介
(補足)Webライターに自発的な対応を求めるなら「事前に」その旨を伝える
ここまでの話で、なかにはこのように思う方もいるのではないでしょうか。
「ライティングマニュアルがなくても、記事についてWebライター側から自発的に聞いてくれればいいのに。」
そう思う気持ちは、よくわかります。
事前に料理人が、食べたいものや好みを聞けばよい。
プロ意識があるから、きっとWebライターから積極的に必要な情報や確認事項を聞いてくれるだろう。
筆者も依頼する側だった頃は、そう思っていました。
しかし、Webライターとしてクラウドソーシングで依頼を受けるようになってから、それがいかに難しいことだったか理解することになります。
なぜなら、クラウドソーシングでWebライターが自発的な行動をとると、採用率が下がるうえに、最悪依頼が取り消されることもあるからです。
その理由をくわしく見てみましょう。
①自発的な行動を求められることが少ない
まず、クラウドソーシングで記事執筆を依頼する発注者は、基本的に自発的な行動や積極性を求めていません。
どちらかというと、ライティングマニュアルに則った記事執筆を望んでいます。
その理由は、Webライターを多く抱えているというのがひとつ。
そしてやはり、やり取りという「コスト」がかかるということもあげられるでしょう。
この点は、実際に依頼をする側も経験しているのでわかります。
記事制作会社のように直接会って話すことも、通話やオンライン会議をすることもないため、やり取りだけでもどうしても時間がかかってしまいます。
また、こちらの意図がうまく伝わらないということもありました。
つまり、率直にいうと、あれこれ聞いてやりとりの手間が増えるWebライターよりも、ライティングマニュアルを見て、黙々と対応してくれるWebライターの方がラクなのです。
②依頼を簡単に取り消すことができる
もうひとつ、クラウドソーシングは良くも悪くも、匿名で気軽に仕事の発注・受注ができます
言い換えると、気軽に依頼を取り消すことも、また放棄することもできるのです。
もちろん、実際にされたら、お互いたまったものではありません。
このように、Webライターにとってクラウドソーシングでの自発的な行動は、災いの元となりやすいといえます。
まさに「触らぬ神に祟りなし」。
実際に筆者も、検索意図に沿わない構成だったことをやんわり(すでに何度か自発的な意見をして痛い目を見ているので「やんわり」)と伝えたつもりが、秒で依頼を取り消されるという苦い経験をしています。
そのため、依頼する側から自発的な行動を求められない限り、Webライターが率先して行動をすることはまずないでしょう。
これは経験あり・スキルありの本業Webライター(専業ライター)ほど、その傾向が強いといえます。
「Webライター側からいろいろ聞いてほしい」ということであれば、その旨をしっかりと伝えることをおすすめします。
SEO記事制作代行会社おすすめ6選!外注費用相場やサービスの選び方を解説
ライティングマニュアルに含めるべき項目と具体例
ここからは、ライティングマニュアルに書くべき「項目」と「具体例」を紹介します。
その前に、マニュアル作りの大前提として、以下のことを理解しておきましょう。
- マニュアル作り=やってほしいこと・やってほしくないことを明確にする作業
- マニュアルにないことは基本やってもらえないと思う
Webライターからすると、事前にマニュアルで書けたであろう内容を修正時に指摘されるのは非常に困ります。
実際に、細かい修正が続いた結果、Webライターと連絡が取れなくなったというトラブルもあります。
お互いに疲弊しないよう、ライティングマニュアルはしっかりと作りこむようにしましょう。
ではあらためて、ライティングマニュアルに書くべき項目の一覧はこちらです。
- Webサイトのメインキーワード
- Webサイトのコンセプトとターゲットユーザー
- 記事で達成したいコンバージョン
- 競合他社の情報
- 作業範囲・依頼の流れ
- 作業方法・流れ
- 画像選定、スクリーンショットの有無
- SEOの知識
- 表記ルール(表記についての確認事項)
- 執筆ルール(文章を書く際の確認事項)
- 納品方法・納品形式
上記の項目は、筆者が使ったことのあるライティングマニュアルの内容を総まとめしたものです。
実際ここまであるとWebライターとしては助かりますし、初歩的な修正や認識のズレも少なく済みます。
ここまでは難しくとも、基本的な項目として最低限「記事で何をしたいのか(何をしてほしいのか)」「何をやっていいのか」「何をやっていけないのか」はかならず明記しましょう。
1.Webサイトのメインキーワード
Webサイトやメディアが、どのような対策キーワードをねらっているかを伝えます。
記事でねらうキーワードでなく、Webサイト全体のキーワードなので、ビッグキーワードがほとんどです。
ビッグキーワードとは?ミドル・スモールキーワードとの違いやSEO上位表示する方法を解説
2.Webサイトのコンセプトとターゲットユーザー
Webサイトのコンセプトとターゲットユーザーを伝えます。
ときどきWebサイトのコンセプトが「Webマーケティングに関するメディアです」といったありきたりのことしか書かれていないことがありますが、これではいけません。
コンセプトからは、競合サイトとどのように違うのか、差別化している部分はどこかがわかる説明を入れましょう。
そして、Webサイトのターゲットユーザーとは、コンバージョンのターゲットです。
既存の顧客を参考に、どのような人物がターゲットユーザーになるか、できる限りくわしく書くことをおすすめします。
また、ペルソナの設定があれば、それも併せて共有しましょう。
3.記事で達成したいコンバージョン
コンバージョン(記事の最終ゴール)は、記事で達成したい目標であり、記事を作る目的です。
コンバージョンには、以下のようなものが挙げられます。
- 商品の購入、サービスへのお問い合わせ、アプリのダウンロード、会員登録
- 商品やサービスの紹介(商品やサービスの特長を認知してもらう)
- ブランドネームの認知
- ブランドイメージの認知(親近感や信頼性など)
つまり、記事でどのような利益を出したいかです。
同時に、コンバージョンにかかわる商品やサービスなどの情報もくわしく伝えましょう。
- どのような特徴(メリット)があるか
- どのような価値(ベネフィット)があるか
- 競合他社との差別化、特長
商材について理解が深められれば、より戦略的かつ効果的に記事からコンバージョンへ誘導することができます。
記事コンテンツSEO対策
100のチェックリスト
4.競合他社の情報
競合他社のサイトも事前に伝えておくべきです。
知識の参考として、また情報の引用においても、事前に注意することができます。
▼「1~4」のライティングマニュアルの具体例
メインキーワード:SEO、Webマーケティング、コンテンツマーケティング
競合他社:「○○○○」(URL)と「○○○○」(URL)
記事を掲載する『Nobilistaブログ』は、SEOをはじめWebマーケティングに関する基礎知識を学べるブログです。
とくに以下の方をターゲットにしています。
・アフィリエイトやブログを始めたばかりのSEO初心者(とくに中小企業のWebサイト担当者や個人サイト運営者)
・サイト流入が少なく、成果が出ていないことに悩んでいるSEO中級者
当ブログのコンセプトは、身近な人や部下にも自信を持って説明ができる、Webマーケティング学習ブログです。
わかった気になって終わるのでなく「なぜそうなるのか」「なぜそういえるのか」といった、その知識に対して根底から理解できるような記事を発信したいと思っています。
そのためには、納得のいく理由や根拠を示す必要性があり、また一つひとつの知識を深掘りしつつ、ていねいにわかりやすく解説する必要があるでしょう。
たとえば、根拠となる実験データを引用したり、具体例を順序立てて説明したり。
ぜひこの部分を意識していただけたらと思います。
また、海外を含めた最新のSEO情報も、積極的に発信したいため調査のほどお願いします。
コンバージョンは、「Nobilista」というキーワード順位チェックツールのお問い合わせや認知です。
無理のない範囲で、記事中にブランド名やツールに関する情報を盛り込んでください。
5.作業範囲・依頼の流れ
記事の依頼をしてから、納品までの流れを伝えます。
ここでポイントとなるのが、進捗報告やチェックのタイミング。
どの時点で、一度確認を挟むか、また連絡をすればよいかを明確にしてあげましょう。
▼「依頼の流れ」ライティングマニュアルの具体例
本案件「構成作成」のご依頼の流れは、以下に則ってお願いいたします。
1、【担当者】依頼書のお渡し
2、【ライター様】構成作成
3、【ライター様】構成ができ次第チャットで○○宛に連絡
4、【担当者】構成の確認(目安:返答後○日以内)
5、【担当者】チャットツールにて返答(OKならここで終了)
6、【ライター様】修正があった場合はご対応(以降OKが出るまで③~⑥のくり返し)
ご不明点があった場合は、チャットツールにて○○宛にお気軽にご質問・ご相談ください。
6.作業方法・流れ
構成作成や記事執筆の流れ・作業方法を記載します。
どのように構成を作るか、記事執筆時の情報収集の仕方など、すべて具体的に伝えてあげましょう。
とくになければ、参考となる記事のリンクを共有するだけでもよいです。
ほかにも、記事で意識してほしい点やおこなってほしい作業があれば、ライティングマニュアルに事前に記載しておきます。
記事構成案の作り方とは?SEO記事のプロットを作るコツや初心者におすすめのテンプレート
7.画像選定、スクリーンショットの有無
画像選定が必要かどうか、スクリーンショットの有無についても明確にしておきましょう。
画像選定が必要な場合は、どこから画像を用意したらよいか、画像の選定場所や選定方法、記事へ画像を挿入する方法や挿入箇所など、すべて記載します。
こだわる方は、画像選定のみのマニュアルを作ってもよいかもしれません。
実際に筆者は、画像選定マニュアルを別に用意したことがあります。
▼「画像選定、スクリーンショットの有無」ライティングマニュアルの具体例
記事の執筆とともに画像選定も併せてお願いします。
画像は<h2>の見出しごとに挿入します。
・画像選定の場所
https:×××
上記にて【画像のIDのみ】を記事に記載してください。
——————
(記載例)
<h2>○○○○</h2>
【ID:××××】
<h3>○○○○</h3>
<h3>○○○○</h3>
<h3>○○○○</h3>
<h2>○○○○</h2>
【ID:××××】
——————
また、文中に必要な場合は、スクリーンショットの利用も可能です。
スクリーンショットツールや画像のサイズは、とくに指定しません。
8.SEOの知識
依頼する側とWebライター側のSEO知識を揃えるために、記事の参考リンクや資料データなども、積極的に共有することをおすすめします。
筆者が過去に記事を依頼したり、されたりしたなかで、とくに気になったのがこのSEO知識の相違です。
持っているSEO知識が古い、または間違っているということが多々ありました。
実際、検索意図とズレた記事を作ってくるWebライターを何度も見ています。
事前にSEO知識が共有できれば、その心配もありません。
参考リンクは、基本的に自分が参考にしているものと同じものを共有してください。
とくになければ、弊社「Nobilistaブログ」の記事をおすすめします。
▼Webライター向け「Nobilistaブログ」のおすすめ記事
- SEO対策とは?初心者にも分かりやすく上位表示の基本的なやり方を解説
- 【アクセス2.4倍!】SEOに効果的なタイトル(titleタグ)のつけ方を解説!
- 検索意図とは?分類や調べ方、分析に役立つSEOツールを紹介
- SEOライティングのコツとは?初心者にも分かりやすく書き方の手順を紹介
- 良質なコンテンツとは何か?Googleの定義や作り方のポイントを解説
- Googleペナルティとは?解除方法や確認方法、原因と対策を解説
9.表記ルール(表記についての確認事項)
記事の「表記」に関するルールがあれば、事前に伝えましょう。
たとえば、以下のような部分です。
- 漢字の使用率
漢字が多いとその分硬い印象を受ける - 漢字表記とひらがな表記
「その時」と「そのとき」「完璧」と「完ぺき」 - 英語とカタカナの併記や記載
「description(ディスクリプション)」、「Nobilista」と「ノビリスタ」のどちらを使うかなど - 数字やアルファベットの表記
半角か全角か
10.執筆ルール(文章を書く際の確認事項)
記事の「執筆」に関するルールを伝えます。
たとえば、以下のようなものがあります。
- 文体、語尾・文末表現
- 禁止事項やNGワード
- 箇条書き、表の使用
- 引用文
- トンマナ(ブランドイメージ)
- 記事のフォーマット
- その他の積極的におこなってほしいこと
文体、語尾・文末表現
文体や語尾・文末表現についての執筆ルールです。
たとえば「である調」にするか「ですます調」にするか。
「~ます。~ます。」と同じ語尾が続かないようにするなど。
禁止事項やNGワード
禁止事項やNGワードは、当たり前と思うようなこともあえて記載します。
- NGワード
例:競合他社の名前は使わない - 「受けれる」「考えれる」などの「ら抜き言葉」
- 二重否定文
- 記号の使用
「!」や「?」「……」顔文字など - 話言葉の使用
「ちゃんと」「~ですよね。」など - 他サイトのリライト
- 記事のコピペ
- 権利の侵害となること
- 不快にさせる表現や攻撃的・差別的な表現
- 専門用語の多様
- ChatGPTなどのAIツールの利用
禁止事項やNGワードは、Webサイトによって大きく変わる部分ですが、いずれの場合でも厳密に決めるようにしましょう。
箇条書き、表の使用
箇条書きや表は、使ってよいのかどうかも明確にしておきます。
使ってよい場合は、どのように記事に記載したらよいかまで念のため伝えましょう。
引用文
引用する際のルールや記載方法についてもはっきりさせます。
URLの記載はコメント機能でおこなう、記事内に直接URLは記載する、引用とわかるよう「”」で囲むなど。
引用タグのSEO効果とは?blockquoteの使い方や画像・口コミをブログで引用する場合のルールについて
トンマナ(ブランドイメージ)
言葉遣いや単語選びによって、文章の雰囲気やイメージは大きく変わります。
たとえば、以下の2つの文章を見てください。
①「SEOについて知りたい……」そう感じているSEOビギナーさんも多いと思います!
さっそくこの記事で一緒に学んでいきましょう!
②SEOについて知りたい、そのように感じているSEO初心者の方も多いのではないでしょうか。ぜひ当記事で知識を身に着けてください。
「1」は、そのテンションから親近感があり、やや若者向けといったイメージがあります。
一方で「2」は、落ち着いており丁寧で誠実な印象、またプロフェッショナル感といったものも感じられます。
そこでWebライターとして把握しておきたいのが、文章の「トンマナ」です。
Webライティングにおける「トンマナ」とは、文章の与えるイメージ(雰囲気)を、Webサイトの雰囲気やブランドの持つイメージ、商品・サービスのコンセプトに合わせることを言います。
引用:SEO上級者だけがやっている5つのSEOテクニック
ようするにトンマナとは、読み手にどのような印象を持ってもらいたいかと考えてください。
簡単そう、やさしそう、レベルが高そう、親身になってくれそうなど。
厳密にトンマナがないというWebサイトもあるため、その場合は既存の記事に合わせることが多いですが、もし設定があったら一緒に共有しておくことをおすすめします。
記事のフォーマット
記事のフォーマットもルール化しておくことで、WordPressへの入稿などを効率的におこなうことができます。
とくに以下の点を、Webライターに伝えてあげるとよいでしょう。
- 導入文、まとめ文の有無
- 見出しの表現方法(フォントサイズを変える、タグを記載する、マーカーを引くなど)
- 装飾の有無
- 改行(一文につき改行するのか、二行につき改行するのか)
- 一文の長さ(○文字以上にならないようにする、など)
その他の積極的におこなってほしいこと
ほかにも記事の執筆で意識してほしいことや積極的におこなってほしいことは、明記しましょう。
たとえば、以下のようなものがあります。
- 最初に結論を伝える
- 文章はリズム感を意識する
- 体言止めを適度に使う
11.納品方法・納品形式
納品時に関する留意事項についても、事前に伝えておきましょう。
とくに以下の点は、かならず記載します。
- GoogleドキュメントやWordなどファイル形式の指定
- ファイル名のルール
- WordPressなどCMSへの直接入稿は投稿の手順
▼「納品方法・納品形式」ライティングマニュアルの具体例
記事の執筆は、WordまたはGoogleドキュメントでお願いします。
提出時のファイル名は【日付_対策キーワード】で統一するようお願いします。
(ファイル名の例※キーワードが「ライティングマニュアル」)
20230523_ライティングマニュアル
マニュアル作りにおける注意点やポイント
質の高い記事を作ってもらうために、マニュアル作りにおいて意識したいポイントや注意点を紹介します。
- マニュアルの内容は具体的に記載する
- マニュアルに固執しない・定期的に見直す
- 「チェックシート」としても活用する
マニュアルの内容は具体的に記載する
ライティングマニュアルにおいて、抽象的な表現は使わないようにしましょう。
たとえば「しっかりと情報収集をお願いします」だけでは、どのような情報収集をするかWebライター側で判断しなくてはいけません。
もしかしたら、上位3サイトを見るだけが、本人にとって「しっかりとした情報収集」の場合もあります。
そのため、具体的にどのような方法で情報収集をすべきか「上位20サイトを見る」「書籍も参考にする」などを明確に記載するようにしましょう。
SEO競合サイトの調査方法とは?他社サイト分析に役立つ無料ツールも紹介
マニュアルに固執しない・定期的に見直す
既存のライティングマニュアルに固執して、使い回し続けるのはおすすめしません。
Webライターが混乱する原因となります。
たとえば、過去に受けたとある依頼のマニュアルには、PREP法という文章の型を使って検索意図に沿った記事を書くというルールがありました。
また、とくに理由もなく「3,000文字程度にとどめる」とも書かれており、非常に頭を悩ませた記憶があります。
なぜなら、検索意図からして 3,000文字におさめるのは到底無理な話であり、PREP法も記事の内容としては不適切だったからです。
このようなことにならないよう、ライティングマニュアルは定期的(記事を依頼するたび)に見直しして、古い内容のものや依頼に合わないものは書き換えるようにしましょう。
またWebライターの反応も、見直しの参考となります。
わかりづらかった部分や認識が異なる部分は、積極的に意見を求めて改善。
理想は、Webライターと一緒により良いライティングマニュアルへとブラッシュアップしていくことです。
もし、ライティングマニュアルを定期的に見直すのが難しい場合は、普遍的な内容(どの記事にもいえること)のみをまとめてください。
たとえば、検索意図によって変わる文字数や、PREP法のような文章の型などは、記事によって変わる、または使用できないものです。
混乱の原因となるため、事前に避けるようにしましょう。
「チェックシート」としても活用する
ライティングマニュアルは、チェックシートとしても活用しましょう。
スプレッドシートであれば、実際にチェック項目を設定することができます。
▼スプレッドシートでチェック項目を設定する方法
- 右クリックで「セルでの他の操作項目を表示」
- 「データの入力規則」を選択
- 右側のデータの入力規則のボックスにある「ルールを追加」を選択
- 「条件」の項目を「チェックボックス」に変更→設定完了
執筆完了後に、Webライター自身もチェックができる確認シートとして使ってもらえれば、お互いに修正の手間も減らすことができます。
高品質な記事を納品してもらうために他に依頼主がすべきこと
Webライターに高品質な記事を書いてもらうには、ライティングマニュアル以外にも以下のような点に気を配ってみてください。
- 最新のSEO知識を把握しておく
- 記事のフィードバックを細かくおこなう
- Webライターに意図や理由を聞いてみる
- いつでも質問ができる雰囲気や環境を用意しておく
- ユニークな情報やデータは積極的に共有する
最新のSEO知識を把握しておく
高品質な記事を作るには、依頼する側も同じく、最新のSEOを把握しておく必要があります。
実は、依頼する側のSEO知識が古い、間違っているといったケースも過去に多く見られました。
筆者が経験したなかでは、コンバージョンにつなげるという指示がある一方で、まったくコンバージョンに関係のないキーワードだったなんてことも。
SEO知識は、Googleの検索アルゴリズムのアップデートや公式の発言によって、速いスピードで変わっていきます。
最新の情報をつねに追うのは大変ですが、Webライターと情報を共有しつつ、一緒に知識をアップデートできるとよいでしょう。
Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説
記事のフィードバックを細かくおこなう
依頼をしてから最初の4〜5回は、かならず細かく修正を入れます。
たとえライティングマニュアルがあっても、人間なので最初からすべて完ぺきに守れるわけではありません。
そのため、マニュアルどおりにできていないからと感情的な言葉で修正を指示したり、頭ごなしに否定したり、責めたりというのはやめましょう。
冷静に「どこを」「どのような理由で」修正したらよいか。
「なぜなら~」に続く形で、論理的な説明とともに修正を依頼することをおすすめします。
▼修正指示の例
一文の間に、箇条書きを挟まないようにお願いします。
なぜなら、読者は箇条書きのあとの文章まで読まないと、箇条書き部分で何を伝えたいのか、その意味を理解することができないからです。
こうすることで、Webライターも根本的にいけない理由が理解でき、似たようなミスをくり返さずにすみます。
誠実なWebライターであれば、同じミスをくり返さないよう注意するはずです。
回数を重ねていくことで、だんだんと依頼する側の修正も減ることでしょう。
また、個人的におすすめなのは、良かった点もフィードバックすることです。
Webライターも良かった部分を把握することで、依頼する側がどのような記事を求めているのかをより具体的にくみ取ることができます。
記事コンテンツSEO対策
100のチェックリスト
Webライターに意図や理由を聞いてみる
ときには、Webライター側の意見を取り入れてみるのもよいかもしれません。
筆者も、ある文章表現の修正をWebライターにお願いする前に、どのような意図があるのか尋ねたことがあります。
すると、思っていた以上に深い考えのもと、その表現が使われていたことがわかり、逆に勉強になったということがありました。
「魂は細部に宿る」というとおり、スキルの高いWebライターは一字一句を考え抜いて選んでいるといいます。
修正の前に、一度その意図を尋ねてみてはいかがでしょうか。
いつでも質問ができる雰囲気や環境を用意しておく
外部のWebライターと一緒に、高品質な記事を作るには、コミュニケーションを密にとることをおすすめします。
そのための、気軽に質問のできる雰囲気や環境を用意してあげましょう。
たとえば、チャットツールを導入することは非常に効果的です。
ユニークな情報やデータは積極的に共有する
いまのSEOでは記事の独自性、つまりオリジナリティが重要視される傾向にあります。
そこで、記事に使えそうなユニークな一時情報やデータは、積極的にWebライターに共有するようにしましょう。
たとえば、弊社「Nobilista」はキーワード順位チェックツールを提供している会社です。
Nobilista運営チームでサポートをしているWebサイト様から善意で、コンテンツSEOの成功事例として紹介させていただいているのが、「コンテンツSEOとは?メリットや成功事例、始め方・進め方を解説」の記事になります。
もちろんここまでの内容は、それなりにスキルのあるWebライターであることが大前提です。
ここまで質の高い記事が書けるWebライターは、それほど多くありません。
そこでWebライターの見つけ方や特徴を、以下の記事でくわしく紹介しています。
Webライターの見つけ方と採用後のマネジメントのやり方とは?高品質な記事を納品してもらうためにできること
外部のWebライターへのデータ共有ならNobilistaがおすすめ
ところで、Webライターと長く関係を続けるために重要なこととは、なんだと思いますか。
もちろん、報酬を高く設定したり、報酬額をアップしたりすることも大切です。
ただ、それと同じくらいWebライターにとって価値のあるもの。
それが、検索順位やコンバージョン数といった「記事の成果(実績)」です。
副業などお小遣い稼ぎではなく、本気でWebライターとして食べていこうと思っている本業ライター(専業ライター)にとっては、報酬と同じくらい記事の成果には価値があります。
もし、さまざまな事情ですぐに報酬がアップできないという場合には、積極的に記事の成果を共有してあげましょう。
このとき上位表示している記事を伝えるだけでももちろんよいですが、キーワード順位チェックツールのデータを共有してもらえる方が、Webライターとしてははるかにうれしいです。
そこで、実際に弊社でも使用している、クラウド型キーワード順位チェックツール「Nobilista」の共有機能を今回は紹介したいと思います。
▼「Nobilista」計測画面のイメージ
Nobilistaには「共有URL」という機能があります。
こちらは、URLを送るだけなので、外部Webライターへのデータ共有が非常に簡単。
画像:共有URLの使い方
もちろん、同時ログイン・閲覧も可能なため、複数の外部Webライターと一緒にツールを使っていただけます。
もし途中で共有をやめたい場合も「URLの削除」ですぐに無効化ができます。
Nobilistaの料金プランは下記の通りです。
パーソナルプラン | ビジネスプラン | エンタープライズ |
990円/月(税込) | 1,290円~/月(税込) | 要相談 |
登録キーワード:150 | 登録キーワード:200~ | 登録キーワード:カスタム |
興味のある方はぜひお試しのうえ、検討いただけますとうれしいです。
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