SEO
公開日2024年7月23日
更新日2024年07月23日
アクセス数とSEOの関係とは?アクセスが増えることでSEOにどんな影響がある?
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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「アクセス数の多さは、SEOにも影響を与えるのだろうか?」
「アクセス数が多いほど、上位表示に有利なのだろうか?」
このように、アクセス数とSEOの関係性について疑問に感じている方は多いと思います。
結論からお伝えすると、アクセス数が直接SEOに影響を与えている可能性は高いです。
ただし、あくまで可能性の域を出ないというのが正直なところでしょう。
とはいえ、クロール頻度や被リンクの獲得など間接的な影響はあると言えます。
今回のNobilistaブログでは「アクセス数はSEOに影響を与えているのか」その関係性について、最新SEO情報を踏まえたうえで解説します。
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アクセス数とSEOの関係
アクセス数がSEOに影響を与える可能性は高いと言えます。
その理由を2つ見てみましょう。
インタラクションデータとの関係が考えられる
Googleは、クリックや離脱などユーザーのWeb上における行動のデータ(インタラクション データ)を検索結果に利用しています。
匿名化して集計したインタラクション データに基づいて検索クエリと検索結果の関連性を評価することもしています。
実際、2023年にGoogle社員は、改めてインタラクションデータを検索結果に使用している旨を明言しました。
このインタラクションデータに、アクセス数が入っている可能性は大いにあるでしょう。
もちろん、Googleはあくまで「インタラクションデータ」と抽象的な表現をしており、可能性の域を出ない点には注意すべきです。
検索順位とクリック率(CTR)の関係とは?1位と2位のアクセス数の差は?
E-E-A-Tとの関係が考えられる
アクセス数は、昨今のSEOで重要な「E-E-A-T」とも関連性があると考えられています。
E-E-A-Tとは、以下4つの頭文字です。
- 経験(Experience)
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trust)
E-E-A-Tは、ランキング要因(検索順位を決定する要素:シグナル)ではありません。
つまり、SEOに直接の影響は与える要素ではありませんが、GoogleはE-E-A-Tの優れたコンテンツを上位表示させたいと、常にシステムの改善を行っています。
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
たしかに昨今は E-E-A-Tに優れた、もっと大雑把に言うと、認知度の高い有名企業や大規模なWebサイトが上位表示される傾向にあります。
それらのWebサイトの総アクセス数が多いのは、言うまでもありません。
また、権威性や信頼性のあるコンテンツを判断する方法として、まずアクセス数が多いものを上位表示の候補として選ぶのは、決して不思議なことではないでしょう。
つまり、検索順位に大きな影響を与えるE-E-A-Tの判断に、アクセス数が考慮されている可能性は少なからずあるということです。
E-E-A-Tとは?Googleが重要視するSEO最重要評価基準を高める施策を解説!
(補足)上位サイトほどアクセス数は増加する
ちなみに、上位表示しているWebサイトほどアクセス数は多い傾向にあります。
その理由のひとつは、検索順位が高いほど、クリック率が比例して高くなるからです。
検索順位別のクリック率を見てみましょう。
ビッグキーワード | ロングテールキーワード | |
1位 | 18% | 33% |
2位 | 15% | 25% |
3位 | 12% | 20% |
4位 | 8% | 15% |
5位 | 6% | 11% |
6位 | 4% | 8% |
7位 | 3% | 5% |
8位 | 2% | 3% |
9位 | 1% | 2% |
10位 | 1% | 1% |
上位表示しているからアクセス数が多いのか。
それともアクセス数が多いから上位表示しているのか。
タマゴが先か、ニワトリが先かのような話ですが、少なくともアクセス数と検索順位には、何かしらの関係性があると考えてもおかしくはないでしょう。
SEO検索順位とクリック率(CTR)の関係とは?1位と2位や1ページ目と2ページ目のアクセス数の差は?
アクセス数が増えることによるSEOへの間接的な影響
すでにお伝えした通り、アクセス数のSEOに対する直接的な影響は不明瞭です。
ただ、アクセス数が増えることで、間接的なSEO効果は期待できます。
アクセス数の間接的なSEOへの影響を見ていきましょう。
クロール頻度が高まる
アクセス数が増えることで、クローラーがWebサイトに訪れる頻度(クロール頻度)が高まると考えられます。
クロール頻度が高まれば、その分検索結果への反映も早くなるでしょう。
基本的にSEOは、効果が出るまでに時間のかかる施策です。
いかに早く検索結果へ掲載されるか、その反映速度は重要と言えます。
クロール頻度を決める要素のひとつに「クロールの必要性」があります。
クロールする必要性が高いWebページほど、頻繁にクロールされるというものです。
さらに、その必要性を決める要素のひとつとしてGoogleは、コンテンツの「人気度」を挙げています。
人気度: インターネット上で人気の高い URL ほど、Google のインデックスで情報の新しさが保たれるよう頻繁にクロールされる傾向があります。
つまりは、人気のコンテンツや需要の高いコンテンツほど、ユーザーに最新情報を反映しなくてはならず、その分クロールの必要性も高くなるという仕組みのようです。
この人気度は、アクセス数を指標にしていると考えられます。
アクセス数が増えれば、クロール頻度も高まると言えるでしょう。
クローラーとは?意味や仕組み、巡回を促す対策、拒否する方法をわかりやすく解説
被リンクやサイテーション獲得の可能性が高まる
アクセス数が増えることで、被リンクやサイテーション獲得の可能性も高まります。
被リンクは、以前よりSEOと関係があると明言されているシグナルです。
アクセス数が増えることで、良いコンテンツだとユーザーに知ってもらえれば、それだけ被リンクを獲得できる可能性も高まるでしょう。
そして、もうひとつの「サイテーション」とは、サイト名や運営者の名前など、サイト固有の単語(サイテーションワード)が他サイトで使われることです。
「Citation」は日本語で「引用」や「言及」という意味を持ちます。
被リンクとは異なり、サイテーションにはリンクを貼る必要がありません。
たとえば、他サイトの記事で弊社の「Nobilista」や「ノビリスタ」という単語が登場すれば、サイテーションをひとつ獲得したことになります。
サイテーションもまた、SEOに関係のあるシグナルです。
また、E-E-A-Tの評価との関係性も示唆されています。
システムは、関連性のあるコンテンツを特定した後、最も役立ちそうなコンテンツを優先しようとします。そのために、どのコンテンツが専門性、権威性、信頼性を示しているか判定するために役立つシグナルを特定します。たとえば、その判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なウェブサイトに含まれているか把握するということがあります。含まれていれば、多くの場合、その情報の信頼性が高いことを示す十分なしるしとなります。
被リンクと同様にオンライン上での露出が増えるほど、サイテーションを獲得できる可能性もまた増えるでしょう。
サイテーションとは?SEO効果や獲得方法、数量の調査方法を解説
アクセスはただ増やせば良いのか?
ただアクセス数を増やせば、上位表示ができるというわけではありません。
その理由やどうすれば上位表示ができるのか見ていきましょう。
アクセス数だけ増やしても「上位表示できない」
アクセス数だけ多くても、SEOへの効果は期待できません。
というのも、それでは人為的なアクセス数の増加で上位表示ができてしまうからです。
たとえば、SEOスパムのひとつ「スパムコメント」の例を見てみましょう。
スパムコメントは、他サイトのコメント欄に関係のないコメントを書き込む迷惑行為です。
ひと昔前はブラックハットSEOとして、自サイトへのリンクを書き込み、被リンクの獲得やアクセス数の増加に繋げるなど悪用されていました。
もちろん、現在は通用しないSEO手法です。
Googleからペナルティを受けるだけなので、注意しましょう。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違いとは?代表的な手法一覧
複雑な仕組みとなったGoogle検索アルゴリズム
過去のGoogleは、ブラックハットSEOのような騙し行為が通用するほど、ある意味では精度が低かったと言えます。
一方で現在のGoogleは、比べ物にならないくらい、精度が高まりました。
同時に検索順位を決めるGoogle検索アルゴリズムの内容や仕組みも複雑化し、アクセス数が多いだけのコンテンツを評価するような、単純なものではなくなっています。
過去のGoogle公式ブログの発言を見てみましょう。
Google のアルゴリズムは、ユーザーが検索したいものを特定できる 200 以上の固有のシグナル(手がかり)に基づいています。
上記の通りであれば、2016年時点ですでに、200以上のシグナルがあったことになります。
現在は、検索アルゴリズムの統一などで多少の増減はあるものの、その複雑さはさらに増していると考えられるでしょう。
加えてGoogle検索エンジンでは、検索キーワードごとにシグナルの重み(重要度)を細かく変えることできるようです。
たとえば[オリンピック 男子バレー 結果]の検索キーワード。
検索ユーザーは何よりも、最新の点数や試合の結果がわかるコンテンツを見たいはずです。
このように情報の鮮度が重要となる検索キーワードでは、情報の新しさに関するシグナルを検索エンジンは自動で重みづけします。
Googleがいかに複雑な挙動によって、検索結果を出しているか。
そして「アクセス数を増やせば上位表示できる」といった考えは、もはや現在のSEOでは通用しないことがわかっていただけたと思います。
Googleアルゴリズムとは?仕組みやランキング要因、アップデートの歴史を解説
アクセス数の増加だけを目的にするとSEOは失敗する
Googleは、常にユーザーのためになるコンテンツを上位表示したいと考えています。
ユーザーにとって常に役に立つ検索結果でなければ、Googleを使うユーザーが減ってしまうからです。
Google の自動ランキング システムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。
だからこそ、アクセス数を増やすことばかりに目を向けているとSEOは失敗します。
SEOを成功させたいのであれば、ユーザーの役に立つ良質なコンテンツを作ることを目標にしましょう。
Googleが示す良質なコンテンツの定義は大まかに以下の3つです。
- ユーザーの検索目的が「すぐに達成される」
- 検索ユーザーに絶対「不利益を与えない」とわかる
- そのコンテンツにしかない「特別な価値」を持つ
各項目の詳しい内容は、引用元の記事をご覧ください。
そして上記のような良質なコンテンツを作るには、まず以下を意識することをおすすめします。
- ユーザーの検索意図を深掘りする
- オリジナリティのあるコンテンツを作る(上位サイトと差別化する)
- スマホでも見やすいか確認する
- コンテンツは磨き続ける(最新情報の提供と継続的な改善)
ユーザーの検索意図を深掘りする
Googleが求めるコンテンツとは、ひと言で言うと「検索を終えられるコンテンツ」です。
ユーザーが満足できるコンテンツといえるでしょう。
そこで重要となるのが、ユーザーの検索意図をどれだけ深掘りできるかです。
検索意図の深掘りには、たとえば以下のような方法があります。
- クエリタイプ(キーワードを検索意図別に分類したもの)を考える
- サジェストキーワードや関連キーワードを見る
- SERPs(検索結果の画面)の状況を確認する
- 上位サイトの内容を確認する
- Q&Aサイトの質問を参考にする
- SNSの生の声を見る
- ECサイトのクチコミやレビューを参考にする
- 検索ユーザーになりきって検索意図を考える
- なぜ?どうして?と問いを立て続けてみる
検索意図とは?分類や調べ方、分析に役立つSEOツールを紹介
オリジナリティのあるコンテンツを作る
上位サイトと似たようなコンテンツを作っても評価はされません。
なぜなら、上位サイトを見ればユーザーは満足してしまうからです。
それほど変わらないコンテンツを上位表示させる意味がないとも言えるでしょう。
そこで上位表示には、オリジナリティを意識してコンテンツを作ることをおすすめします。
別の言い方をすれば、そのコンテンツの「どこが上位サイトよりも優れているか」や「差別化されている部分か」を説明できるかどうか、改めて自問自答してみましょう。
スマホでも見やすいか確認する
コンテンツ制作をPCでされる方は多いと思います。
そこで見落としがちなのが、スマホでのユーザビリティ。
「スマホで見ると文字ばかりで、何だか読む気が失せる。」
このようなコンテンツはよく見かけます。
また、コンテンツを覆うような閲覧を妨げる広告、いわゆる「インタースティシャル広告」も、場合によってはSEOにマイナスとなるため注意しましょう。
モバイルフレンドリーとは?対応方法やチェック用テストツール、SEOとの関係を解説
コンテンツは磨き続ける
コンテンツを作って終わりではいけません。
コンテンツを放置し、SEO効果がなかなか出ない方。
さらには、成果が得られずにリソース不足で終わってしまう方の話はよく聞きます。
SEOは、基本的に以下のサイクルが必須です。
- コンテンツの制作やSEO施策の実施
- アクセス解析ツールによるSEO数値の日々の計測(SEOモニタリング)
- コンテンツの成果を確認(SEO効果測定)
- コンテンツの問題点や改善点を確認→記事のリライトや最新情報の追加を検討する
- 改善後「2」に戻り、SEOのモニタリングで変動を確認する
コンテンツが完成したら、必ず検索順位チェックツールなど専用のSEOツールで日々のSEO状況や変動を確認しましょう。
もし、大きな変動や下落が起こったら、適宜対処しなければなりません。
また、変動の傾向を読み取って自サイトだけのノウハウにするのもおすすめです。
一般的にSEO効果が出始めるのは「3か月~1年」。
3か月が経ち、順位が安定している様子であれば、コンテンツの成果を確認します。
検索順位によっては、記事のリライトを検討しましょう。
また、最新情報など更新事項があれば適宜、コンテンツを更新します。
SEOリライトのやり方とは?効果や記事選びのコツ、反映されるタイミングを解説
SEO成功の裏には「使える計測ツール」あり
SEOで成果を得るには、本当に使い勝手の良いSEOツールを選ぶことも大切です。
たとえば、クラウド型検索順位チェックツール「Nobilista(ノビリスタ)」には、検索順位別にコンテンツ数を表示してくれるグラフ機能が搭載されています。
このグラフ機能は、今どれだけ改善すべきコンテンツがあるか把握する際に便利です。
また、検索順位の推移がわかる変動グラフは、リライトのタイミングを見極める際に欠かせません。
Nobilistaは、スマホやタブレットからでもご利用いただけます。
外出時や移動中に、スマホからいつでも順位をサクッと確認。
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