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更新日2024年07月08日

DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは?申請方法や悪用された時の異議申し立てのやり方

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは、米国の著作権に関する法令です。
日本国内であっても、米国企業が運営するオンラインサービス上であれば、このDMCAに則って対応が行われます。

たとえば、著作権侵害の通報で申請する「DMCA通知」は、最も身近な例でしょう。
なお「DMCA侵害の通知が届いた」ということは、対象コンテンツが著作権違反と判断され、すでに削除された状態にあるということです。

今回のNobilistaブログでは、このDMCAをわかりやすく解説します。

DMCA通知による削除申請方法申請内容の確認方法。
さらには、DMCA通知が届いた際にやるべきこと虚偽のDMCA通報など悪用行為への対処法にも触れているのでぜひご覧ください。

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DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは

DMCA(Digital Millennium Copyright Act:デジタルミレニアム著作権法)とは、米国の著作権に関する法令です。

従来の米国著作権法(17 U.S.C.)を改正するために1998年に制定されました。
まずはDMCA制定の理由や法令の内容を見ていきましょう。

DMCA制定の理由と意味

DMCA制定の理由はざっくり言うと、デジタルコンテンツ(オンライン上にある作品)の著作権保護を強化するためです。

米国著作権法の制定は1790年
そして、米国でインターネットの民間利用が広まったのが1990年代

DMCAが制定された1998年の米国は、まさにインターネット社会真っ只中でした。
その変化に適応するために制定されたのが、DMCAというわけです。

DMCA制定によって、従来の米国著作権法にはデジタルコンテンツの著作権に関する新たな条項が追加され、また、一部条文は修正されています。

DMCAによる主な改正点は「3つ」

DMCAによって、米国著作権法はどのように変わったのでしょうか。
主な改正のポイントを3つ見ていきます。

  • 著作権侵害におけるオンラインサービス提供事業者の保護
  • 技術的保護手段(TPM)の回避を違法化
  • 著作権管理情報(CMI)の削除と変更・虚偽の提供を違法化

なお、DMCAの削除申請では、どのように著作権が侵害されているか説明を求められます。
このときこれら米国の著作権法を理解しておくと、著作権侵害の事実をより明確に伝えられおすすめです。

著作権侵害におけるオンラインサービス提供事業者の保護

一般的に「ノーティス・アンド・テイクダウン制度」と呼ばれる条項です。

最初に触れたDMCA通知も、この改正内容に含まれます。
とはいえ、実際はオンラインサービス提供事業者を守るための条項と言えるでしょう。

なお、オンラインサービス提供事業者とは、GoogleやX(旧 Twitter)などオンライン上でサービスを提供している企業や組織と考えてください。

そもそも従来の著作権法では、サービスを提供している事業者自身も、著作権侵害に加担していると責任を求められる可能性がありました。

そこで改正によって追加されたのが「ノーティス・アンド・テイクダウン」の仕組みです。
簡単に言うと、特定の対応を行えば、著作権侵害の責任を負う必要はないというもの。

詳しくは後述しますが、ひとまず以下の2点を理解しておけばよいでしょう。

  • 事業者は、著作権侵害の通報(DMCA通知)を受けた際に、すぐ該当コンテンツを削除すれば責任を負う必要はない
  • 事業者は、虚偽の通報など削除が不当だったと後で判明しても、削除における損害を賠償する必要はない

技術的保護手段(TPM)の回避を違法化

不正アクセスやコンテンツのコピー防止には、様々な技術があります。

たとえば、コピーガードやパスワードの設定、暗号化はよくある例でしょう。
一般的に「技術的保護手段(TPM)」と呼ばれるものです。

DMCAでは新たに、このような保護技術を回避・ハッキングする行為を違法とする条項を追加しました。

また、TPMの回避方法や回避技術を他者に提供する行為も違法です。
例を挙げるなら、コピーガードの解除方法をネットで公開するなどでしょう。

著作権管理情報(CMI)の削除と変更・虚偽の提供を違法化

これは特定の状況下で虚偽のCMIを故意に提供・配布する行為を違法とする条項です。

少しわかりづらいので、先に事例を見てみましょう。
たとえば、他者のイラストを盗作し、自分のアカウントで公開する、いわゆる自作発言はこの条項によって違法となる可能性があります。

他人が描いたイラストのサイン(=CMI)を消し、自分のサイン(=虚偽のCMI)へ書き換え、ネット上に公開(=虚偽のCMIを故意に提供・配布)しているからです。

まず「CMI(Copyright Managent Information)」の意味から見ていきましょう。
CMIとは、日本語では著作権管理情報と訳されます。

あえてひと言で表すのなら「著作権の判断として有効な情報」でしょうか。
条文では、CMIの例に以下が挙げられています。

  • 作品が特定できる識別情報:タイトル名、著作権表示に記載された情報など
  • 作者がわかる識別情報:名前など
  • 著作権の所有者がわかる識別情報:名前、著作権表示に記載された情報など
  • (特定の場合のみ)作品の出演者・脚本家・監督に関する特定情報:名前、クレジット情報など
  • 作品の利用条件:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなど
  • これらの情報がわかる、またそのような情報へのリンクとなる識別番号や記号:シリアル番号、ISBN番号など
  • 著作権登録機関が規則で定めるその他の情報

つまり、嘘や偽りの著作権情報でコンテンツを公開することを違法とした条項と言えます。

ただし、それは「特定の状況下」に限る話です。
特定の状況下とは「著作権侵害を誘発/可能化/容易化/促進/隠ぺいする意図や目的がある場合など」と条項では定義されています。

わかりやすく言い換えると、盗作など著作権侵害となる行為を誘発(可能化、容易化、促進)する意図や著作権侵害の事実を隠ぺいする目的を持ってる状況です。

先ほどの自作発言の例を見てみます。
自分のサインを加えるのは盗作だとバレないためであり、まさに著作権侵害の隠ぺいに該当するでしょう。

さらに、同じ状況下で以下の行為も条項で禁止されています。

  • 権限のない人物が、意図的にCMIを削除・改変する行為
  • CMIが削除・改変されたことを知りながら、その著作物のコピーや虚偽のCMIを広めようとする行為

参考文献:

DMCAの日本居住ユーザーへの影響

DMCAは米国の法令ですが、日本ユーザーにも影響を与えます。
というのも、GoogleやXのように米国企業が運営するオンラインサービスでは、著作権侵害時に米国の法令に則った対応がされるからです。

日本ユーザーが知っておくべきDMCAの基本事項を4つ紹介しましょう。

  1. 著作権侵害コンテンツの通報と削除ができる「DMCA通知」
  2. 虚偽のDMCA通報による迷惑行為「DMCA攻撃/DMCA砲」
  3. 悪用される理由「ノーティス・アンド・テイクダウン」の仕組み
  4. MCAの虚偽申告には罰則がある

著作権侵害コンテンツを通報できる「DMCA通知」

日本ユーザーが、まず知っておきたいものといえば「DMCA通知」でしょう。
「DMCA通知」とは、米国企業が運営するオンラインサービス上で著作権侵害にあった際に、侵害コンテンツの通報・削除申請が行える手続きです。

オンラインサービスにもよりますが、通報後は著作権侵害の事実確認・調査が行われ、そのうえでコンテンツは削除されます。

一方で、通報した相手には削除した旨のDMCA通知が届きます。
DMCA通知には、通報者の情報や通報した理由などが記載されており、もし削除の撤回を求める場合は同様に異議申し立ての手続き(反対通知の申請)が必要です。

虚偽のDMCA通報による迷惑行為「DMCA攻撃/DMCA砲」

もうひとつは「DMCA攻撃(DMCA砲)」です。
これはDMCA通知を悪用した迷惑行為と考えましょう。

DMCA通知はある意味、強制的にコンテンツの削除が行える手段とも言えます。
実際のDMCA悪用事例を見てみましょう。

  • 気に入らない人物(アカウント)に対する攻撃・嫌がらせのため
  • オリジナルのコンテンツを削除して自作発言(盗作)を行うため
  • 都合の悪い事実を隠ぺいするため(その事実が書かれたコンテンツを削除するため)
  • 競合他社を排除するため逆SEO
逆SEO対策とは?順位を下げる効果や手法、自分でできるやり方、誹謗中傷被害にあった場合の対策

悪用される理由「ノーティス・アンド・テイクダウン」の仕組み

なぜ、DMCA通知は悪用されてしまうのでしょうか。
主な理由は「ノーティス・アンド・テイクダウン(the notice-and-takedown:通知と削除)」と呼ばれるDMCA通知の仕組みにあります。

すでに触れた通り、この条項はオンラインサービス提供事業者を過度な侵害責任から保護するため「この手順で対応すれば責任を負わなくていいよ」と規定するものでした。
その「対応」に当たる、保護条件の一部を見てみましょう。

  1. DMCAの通報が常に行える状態にする(=DMCA通知の申請場所を明示する)
  2. 通知を受け取ったら、速やかにコンテンツを削除/アクセスできないようにする
  3. 削除した旨と申請内容を削除対象者に通知する
  4. 対象者が、常に異議申し立て(反対通知の申請)できる状態にする
  5. 反対通知を受け取ったら、通報者にその旨と申請内容を通知する
  6. 反対通知を受け取った通報者が訴訟を起こさなければ、10~14営業日以内に削除を取り消しコンテンツを復活させる

注目したいのは「2」です。
DMCA通知を受け取ったら、速やかにコンテンツを削除することが条件となっています。

一方で著作権侵害の事実確認・調査は義務付けられていません。
これは「とにかく削除すればいい」とも受け取れるでしょう。

実際、この仕組みによって審査が機械的となり、著作権侵害の事実確認・調査が甘くなっている可能性が指摘されています。

DMCAの虚偽申告には罰則がある

虚偽申告などDMCA通知の悪用には罰則が設けられています。

Penalties are provided for knowing material misrepresentations in either a notice or a counter notice.

(日本語訳:通知または異議申し立て通知のいずれかに重大な虚偽があることを知りながら記載した場合、罰則が規定されている。)

引用:U.S. Copyright Office – ” THE DIGITAL MILLENNIUM COPYRIGHT ACT OF 1998
U.S. Copyright Office Summary “

さらに、米国の条項を見ると、罰則は相手への損害賠償だけに留まらないようです。
たとえば、相手の代理人費用やオンラインサービス提供事業者に対する賠償責任も発生する旨が条項には記載されています。

実際、2023年米Google社は、他国でもあるベトナム在住のDMCA悪用者を提訴しており、軽い気持ちで使うものでないことがよくわかります。

DMCA削除通知の申請方法(Googleの場合)

Google検索上にあるDMCA侵害コンテンツの通報・削除申請方法を見てみましょう。
まずは「著作権侵害の報告:ウェブ検索」にアクセスします。

なお、YouTubeやGoogleマップなどGoogle検索以外のサービスは「Google 上のコンテンツを報告」からの申請がおすすめです。

以降は、各項目に情報を入力するだけです。
それぞれの項目を順に見ていきましょう。

1. 「著作権侵害による削除通知」の項目を記載

最初の「著作権侵害による削除通知」では、主に申請者の個人情報を記入していきます。

まず申請者の「氏名」です。
詳しくは後述しますが、この氏名はネット上で公開される可能性があります。

しかしながら、本名を記入しなければなりません。
嘘や偽りでは虚偽申告となるからです。

代理人が申請する場合は、代理人自身の名前を入力してください。
また、企業や組織として申請する場合は「会社名」も記載しましょう。

「対象となる著作権者」のチェックは、申請者が著作権者本人であれば「本人」を。
次の「私は、当該コンテンツの……」にもチェックをします。

代理人の場合は「その他」を選んでください。
「ご自身が代理を務める……」と出るので、ここで著作権者の氏名を入力します。

最後にメールアドレスを入力し、在籍地の国名に間違いはないか確認しましょう。

2. 「対象著作物」の項目を記載

次の「対象著作物」では、対象コンテンツや著作権侵害の内容について説明します。
まず「申し立ては、予定されているライブイベントの……」とあるので適切な方を選んでください。

「対象著作物の特定と説明」では、著作物を特定するための説明を行います。

対象の著作物はどれか。
どのように著作権が侵害されているか。

これらをわかりやすく、具体的に記載しましょう。

(例1)
弊社が運営する下記ページの記事の見出し『DMCAの日本居住ユーザーへの影響』の全文が無断で使用されている。
著作権を持つ根拠として「Wayback Machine」の情報も以下に添付する。
https://example.net/web/20240222114445/https://example.jp/

(例2)
以下URLの2枚目の画像にある柴犬のイラストが無断で使用・加工されている。
対象の画像URLを添付(https://.example.com/uploads/0000.jpg)。
また、記載していたサインが無許可で削除され、虚偽のCMIも確認でき悪質である。
※画像URLは【画像を右クリック→画像のアドレスをコピー→貼り付け】で可能

英文の方が伝わりやすい可能性があるため、余力があれば翻訳ツールを使い、日本語と英文を併記するのもひとつの手でしょう。

なお、侵害されている著作物が複数ある場合は、別々に記載します。
後で出てくる【新規グループを追加】から、記述ボックスの追加を行ってください。

続いて「正当な対象著作物を確認できる場所」には、オリジナルコンテンツが掲載されているページURLを記載します。

対して「権利を侵害している著作物の場所」には、著作権を侵害しているコンテンツ(通報・削除したいコンテンツ)があるページのURLを記載します。

3. 「誓約文」のチェックと「署名」を行う

「誓約文」の内容をよく確認したうえで、最後にチェックを入れましょう。
あとは申請者名と同じ名前で「署名」を行い、送信ボタンを押せば完了です。

DMCAの申請状況は、以降「Report content on Google」のダッシュボードで確認します。

  • 承認されたURL:検索結果から削除済みのURL数
  • 拒否されたURL:申請を却下されたURL数
  • 保留中のURL:審査中のURL数
  • インデックス未登録のURL:申請したURLがインデックス未登録だった数

Googleいわく、DMCA申請から削除までにかかる時間は、平均で6時間程度とのことです。
ただし、コンテンツの配信方法や言語や申請情報の不備によっても左右されます。

Googleから追加で情報を求める通知が届くこともあるため、適宜対応しましょう。

(補足1)申請内容は「Lumen」で公開される

GoogleのDMCA通知は「Lumen」と呼ばれるWebサイトで申請内容が公開されます。
このときLumenに共有される情報は以下の通りです。

  • 申請者の名前
  • 著作権者の名前
  • 削除申請のあったURL
  • 申請された国
  • 申請日
  • 削除申請の内容や根拠(著作権侵害と言える理由)

参照:Google – Lumen と共有するデータの種類

個人の連絡先情報(電話番号、メールアドレス、住所など)は掲載されません。
また、Googleでは申請者や著作権者の名前も公開されないことの方が多いようです。

Google は通常、このフォームに記入された個人データ(リクエストを行う個人の名前など)を Lumen と共有しません。例外として、個々の事例に応じた評価の結果、個人データの共有に高い公益性が認められる場合は Lumen と個人データを共有する可能性があります。その場合には Google から情報共有の旨をお伝えいたします。

引用:Google – 著作権侵害の報告: ウェブ検索 ” Lumen に関する情報 ”

とはいえ、誓約文では以下のようにも書かれています。

法的通知はすべてその写しが Lumen プロジェクトに送付され、公開されたり注釈を付けられたりする場合があることを理解しています。…(省略)…多くの場合、個人名は削除されないことも理解しています。

引用:Google – 著作権侵害の報告: ウェブ検索 “ 誓約文 ”

絶対ではない、ということでしょう。
現状のLumenを見るに、会社名を記載した場合は、そちらの表示が優先されるようです。

DMCA申請は対象者に通知されるのはもちろん。
Googleの場合はさらに、検索ユーザーに対しても共有がされます。

具体的には、そのコンテンツが表示されるはずだった検索結果上で「米国デジタル ミレニアム著作権法に基づいて申し立てが寄せられていることから、……」という記載がされ、Lumenへのリンクが添付されるといったイメージです。

(補足2)コンテンツはネット上に残る

GoogleのDMCA通知は、掲載サイトからコンテンツを削除するものではありません。
インデックスの削除、つまりGoogleの検索結果に表示されなくなるだけです。

つまり、コンテンツがあるWebサイトをブックマークしておけば、引き続きそのサイトにアクセスして侵害コンテンツを見ることができます。
対象コンテンツが、ネット上から無くなるわけではないため注意しましょう。

(補足3)すべてのDMCA通知が受理されるわけではない

すべてのDMCA通知が、必ず受理されるとは限りません。

基本的には、オンラインサービス提供事業者による審査が行われるからです。
たとえば、Googleでは以下のような声明を出しています。

Google は有効な削除通知を受け取ると、情報の完全性やその他の問題の有無を慎重に審査します。通知が完全で他の問題も見つからない場合、検索結果から該当の URL を除外します。

引用:Google透明性レポート

参考として、Google透明性レポートの「リクエストを探す」では、直近のDMCA通知でGoogleが削除した申請とそうでない申請を挙げています。

(補足4)DMCA申請が拒否された場合の確認ポイント

GoogleのDMCA削除申請が受理されない場合は、4つのポイントを確認しましょう。

  1. 著作権侵害に関する情報が不十分
    →対策:どのように侵害しているか説明を具体的にする
  2. 著作権侵害のコンテンツが見つからな
    →対策:URLに間違いはないか確認/対象コンテンツの説明をより具体的にする
  3. 虚偽のDMCA申請と判断した
    →対策:入力情報に間違いはないか確認する
  4. 対象のコンテンツは「フェアユース(公正利用)」であると判断した
    →対策:フェアユースでないと思う根拠を提示する

参照:Google – URL が除外される場合と、されない場合があるのはなぜですか?

「フェアユース」とは、米国で著作権侵害とならない可能性のある利用方法です。
たとえば、以下のような使用シーンが挙げられます。

  • コメント・感想・レビュー
  • 作品の解説・批評
  • ニュース報道での利用
  • 教育・学習での利用
  • 研究・調査での利用
  • パロディ要素が大きいコンテンツ

フェアユースと判断されやすい4つのポイントを見てみましょう。

なお、異議申し立ての手続きでは、事前にフェアユースについて尋ねられます。
DMCA通知を受け取った方もぜひご覧ください。

1. 利用の目的と特性

非営利目的での利用は、フェアユースと判断されやすいです。
対して商用など金銭が発生する営利目的は、フェアユースになりづらいです。

また、オリジナルのコンテンツから、どれだけオリジナル要素が加えられているか。
この「付加価値の有無」もフェアユース判定に影響を与えます。

たとえば、大部分がオリジナル要素であればフェアユースとなる可能性は高いでしょう。

2. 著作権のある著作物の性質

事実を伝えるコンテンツや事実を基にしたコンテンツなど、広くその事実が知られる要素の多いコンテンツを利用することは、フェアユースとなる可能性があります。
たとえば、ある研究論文の内容を取り上げ、ニュース記事として公開するなどです。

3. 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性

コンテンツの利用量が非常に少ない場合は、フェアユースと判断されることがあります。
ただし、それがコンテンツの本質、つまり重要な部分や根幹を担う部分であれば、その限りではありません。

4. 著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する利用の影響

オリジナルコンテンツの市場価値をどれだけ損失させているか。
つまり、オリジナルのコンテンツが本来得るべき利益をどれだけ奪っているか、コンテンツの影響力もフェアユースの判断に影響を与えます。

参考文献:

DMCA申請内容をLumenで確認する方法

DMCAの申請内容は「Lumen(ルーメン)」で見ることができます。

「Lumen」とは、DMCA通知を共有・公開するデータベースサイトです。
ハーバード大学が管理する研究プロジェクトのひとつであり、そのデータベースを各事業者が利用している形と言えるでしょう。

ここでは、LumenでDMCA通知の申請内容を確認する方法を解説します。
といっても簡単で、申請者の名前や削除対象のURLなど、関連するキーワードをトップページの検索窓に入力するだけです。

上部のタブからは検索結果のフィルタリングが行えます。
おすすめは、申請者名(代理人名)で絞り込みができる「Sender▼」や日付での絞り込みができる「Date▼」です。

該当の申請をクリックすると申請内容を見ることができます。

  • SENDER:申請者名
  • RECIPIENT:オンラインサービス提供事業者名(Googleなど)
  • KIND OF WORK:コンテンツの種類(Videoなど)
  • DESCRIPTION:著作権侵害についての説明
  • ORIGINAL URLS:著作権を持つオリジナルコンテンツのURL
  • ALLEGEDLY INFRINGING URLS:著作権侵害の恐れがあるコンテンツURL(削除対象のURL)

削除対象のURLは、ドメインのみの表記となっています。
完全なURLを見たい方は「Click here」からメールアドレス登録を行いましょう。

DMCA通知を受け取った時の対処法

ここでは、DMCA侵害の通知を受け取った際にやるべきことを紹介します。

ただし、まずは虚偽のDMCA通知でないかの確認をしましょう。
実際、有名企業から個人に対してDMCA通知が届き、相次いでコンテンツが削除されたものの、実はなりすましによる通報だったというケースもあるからです。

虚偽のDMCA通知を見分けるポイントとして、まず以下をチェックしてください。

  1. 申請者の情報に違和感はないか(氏名や住所の間違いなど)
  2. 削除対象URLは無差別でないか(著作権者のコンテンツも含まれているなど)
  3. 対象コンテンツはたしかに著作権侵害と言えるか

【著作権侵害でない場合】異議申し立てを行う

コンテンツが著作権侵害でないと考える場合。
または、虚偽申告や身に覚えがない場合は、異議申し立ての手続きを行います。

Googleの場合は、受け取ったDMCA通知に添付されている異議申し立て通知リンクか「Google 上のコンテンツを報告」の専用フォームから反対通知の申請が可能です。

【著作権侵害だった場合】確実に削除されたか確認する

著作権侵害が事実だった場合は、特にすべきことはありません。
すでに該当コンテンツは削除されているはずだからです。

念のために、確実にコンテンツが削除されているかを確認してみるのもよいでしょう。

DMCA通報を悪用された時の対処法

DMCA悪用の対抗策は、現状「異議申し立て」が基本となります。

もちろん、異議申し立ての説明で著作権侵害でないことを証明しなければなりません。
以下のポイントを参考に、いかに削除が不当であるかを具体的に伝えましょう。

  • 異議申し立ての理由を具体的に説明する
  • オリジナルのコンテンツを明確に示す
  • 著作権を持つ証拠として「Wayback Machine」の情報を盛り込む
  • CMIやフェアユースなど米国の著作権に触れて説明する
  • 日本語と英文を併記する

ただし、相手が個人情報の取得を目的にしている場合には注意が必要です。
オンラインサービスによっては、氏名や連絡先、住所など個人情報が相手に渡ってしまう可能性があるため、できれば代理人を立てるのが望ましいでしょう。

DMCAに関するよくある質問

X(旧 Twitter)のDMCA通知について教えてください。

XでのDMCA申請は「知的財産権に関する問題のヘルプ」から行えます。
申請内容も基本的にはGoogleと同じです。

日本企業のオンラインサービスでDMCA通知はありますか?

日本企業の場合は、日本の法令が適用されます。
この場合「プロバイダ責任制限法」が近い法令でしょう。

お困りの際は、オンラインサービスごとの専用お問い合わせフォームか「違法・有害情報相談センター」からの相談がおすすめです。

DMCAの違反通告が受理されたコンテンツには、どのようなものがありますか?

たとえば、以下のようなコンテンツが審査のうえで削除されています。

  • 記事の構成や言い回しが異なるだけのコピペ記事
  • 動画サイトに無断転載されたMV
  • 二次利用禁止のイラストを使ったSNSアイコンやヘッダー画像
  • 無断転載された会員登録者限定のコンテンツ
  • 利用規約の範囲を超えた使い方がされた無料写真素材

著作権侵害コンテンツを見つける方法を教えてください。

著作権侵害コンテンツの発見には、専用のツールやサイトを使うのがおすすめです。

記事であれば「コピペチェックツール」を。
画像であれば「類似画像検索サイト」をうまく利用します。

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