SEO

更新日2024年09月27日

canonical(カノニカル)とは?設定方法や書き方、重複URLの正規化によるSEOへの影響

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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「代替ページ(適切な canonical タグあり)」
「送信された url が canonical として選択されていません」

Googleサーチコンソールに出てくる「canonical」という言葉。
「canonicalって何?」と気になった方も多いでしょう。

canonical(カノニカル)とは、重複コンテンツのなかの「正規ページ」を伝えるためのHTMLタグです。
SEOにおいては「正規化」の代表的な方法として出てきます。

今回のNobilistaブログは、このcanonicalの使い方から設定方法までをくわしく解説。
また、canonicalが必要な具体的なシーン例も併せて紹介します。
canonical設定における注意点にもこの記事で触れているので、ぜひ確認してください。

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重複コンテンツを避ける方法とは?判定基準や原因別の対策方法、SEOへの影響を解説

canonicalタグとは

canonical(カノニカル)とは、重複コンテンツの意図しないURLが正規URLとしてインデックスされている、または検索結果に表示されている場合に、正しい正規ページを検索エンジンに伝えるためのタグです。(正確には、link要素の属性値のひとつ)

canonicalの設定は、以下のタグを重複ページに設置することで行えます。

<link rel=”canonical” href=”正しい正規ページのURL”>

つまり、rel=canonicalタグを設置しているページは、Googleに対して「このページの正規ページはこのURLです」と伝えている状態と想像するとわかりやすいかもしれません。

よりcanonicalに対する理解を深めるために、なぜ重複コンテンツにcanonicalが必要なのか、その意味についてもっと見ていきましょう。

  1. 重複コンテンツの問題点
  2. 正規ページ(正規URL)とは
  3. 重複URLと代替URL
  4. canonical設定がなくても正規化はされる
  5. canonicalタグで正規化を行う意味

重複コンテンツの問題点

重複コンテンツ」とは、内容の類似した、またはまったく同じページ同士をこのように呼びます。
もちろん、一語一句が同じでなくても、似たような内容であればGoogleが重複コンテツとみなすケースもあるようです。

また、ページに対して複数の異なるURLが存在する場合も、検索エンジンはURL単位でページを認識しているため重複コンテンツに該当します。
重複コンテンツは、ときにSEOにマイナスの影響を与えることがあります。

このような問題点を起こさないためにも、重複コンテンツがある場合、そのなかで代表となるページを決める必要があります。
それが正規ページ(正規URL)です。

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正規ページ(正規URL)とは

正規ページとは、重複コンテンツのなかの代表となるページです。
正規とされたページは、代表でインデックスされ、ほかよりも高い頻度でクロールされます。
また、検索順位を決めるページも検索結果に表示されるページも、基本この正規ページと考えましょう。

Google では、重複する複数のページから正規 URL のみをインデックスに登録できます。

引用:Google – 正規 URL

Googleはページをインデックスする際に、まず内容の類似しているページやひとつのページにアクセスできる複数のURLを、ひとまとめにグループ化します。

そして、そのなかでもっともユーザーに適したページURLを判断します。
そのページが、正規ページ(正規URL)というわけです。

ちなみに、この正規ページを決めることを一般的に「正規化」と呼びます。

同様に、コンテンツがほぼ同じページが存在している場合、Google はそれらのページをグループ化できます(例: 価格やアイテムの色などを基準とした並べ替えやフィルタリングが異なるだけで、それ以外のコンテンツは同じであるページなど)。
そして、グループ化したうちの 1 つを正規 URL として選択します。

引用:Google – 正規URL

重複URLと代替URL

正規ページが決まるとそれ以外の重複ページは「重複URL」とみなされます。
つまり「このページは重複版だ」と検索エンジンも認識できるため、重複コンテンツの問題点を気にする必要がなくなるのです。

重複URLと認識されると、被リンクなどの評価を正規ページに移してくれたり、クロール頻度を下げてほかのページへのクロールを優先したりといったことを自動で行ってくれます。
一方で、重複URLはインデックスされず、検索結果にも表示されません。

ただ、例外があります。
それが、重複URLのなかでも、代替URLと認識されたものです。
代替URLとは、スマホ用ページのようなデバイスやユーザーによって、正規ページよりも適切と判断されることのあるもの。
つまり、何かの代替としてあえて作られたコンテンツといえるでしょう。

通常、重複URLは検索結果に表示されませんが、代替URLのページはデバイスやユーザーによって、例外的に検索結果に表示されることがあります。

canonical設定がなくても正規化はされる

お気づきの方もいると思いますが、実はcanonicalの設定がなくても、Googleは重複コンテンツがあると認識した時点で、適切なページを正規ページとして選んでくれます。
つまり、何もしなくても正規化というものはされるのです。

もちろん、Googleも適当に正規ページを選んでいるわけではありません。
正規ページを選ぶ基準を見てみましょう。

  • 主要なデバイスに適したページURL
  • 「http」か「https」か
  • コンテンツの質の高さ
  • サイトマップへ記載されているURLかどうか
  • rel=canonial タグの有無

このように、Googleによる正規化でも、的外れページが選ばれるということはまずないでしょう。

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canonicalタグで正規化を行う意味

では、なぜcanonicalタグというものがあるのでしょうか。

それはcanonicalの意味でお伝えしたとおり、意図しないページが正規ページとなっていることがあるからです。
また、Googleがそもそも重複コンテンツと判断せず、同じ重要度があるコンテンツとして正規化をしないといった可能性もあるでしょう。

つまり、Googleが絶対正規化を行ってくれると言い切れず、また100パーセント望むページを正規化されるとは限らないからこそ、個人による正規化、つまりcanonicalタグがあるのです。

ちなみに「canonical」は、直訳で「基準となる」「標準的な」という意味。
そして、正規化は英語で「canonicalization(カノニカライゼーション)」といいます。
ただ、実はcanonicalタグ以外にも、たとえば「301リダイレクト」や「サイトマップ」など、正規化を行う方法はあります。

状況によってはcanonicalタグの正規化よりも、301リダイレクトやサイトマップの方がよい場合もあるため、のちほど触れる「canonicalタグの使用ケース」を参考に、最適な正規化の仕方を選ぶようにしましょう。

URL正規化とは?SEOに必要な理由や最適化のやり方

canonicalタグによるURL正規化とSEOの関係

canonicalタグを使用する正規化によって、SEOにはどのような影響があるのでしょうか。具体的に見てみましょう。

  1. 被リンクなど評価の分散を防ぐ
  2. クロールの節約(クロール効率の向上)
URL正規化とは?SEOに必要な理由や最適化のやり方

被リンクなど評価の分散を防ぐ

canonical設定によって正規化を行うと、重複ページ(重複URL)への評価がすべて正規ページに統一されます。

たとえば、重複ページが被リンクを受けた場合。
Googleは、正規ページへ被リンクを受けたものとして扱ってくれます。

クロールの節約(クロール効率の向上)

正規化が行われると、クローラーはおもに正規ページを回遊するようになります。
一方で、重複ページ(重複URL)へのクロール頻度は減ります。

つまりcanonical設定は、クロールの不要な重複ページへの回遊を減らし、クロールの節約といった効果があるといえるでしょう。

GoogleもひとつのWebサイトに対して、無限にクロールしてくれるわけではありません。そのため、主要ページのクロールやインデックスが遅くならないよう、とくに大規模サイトでは「クロールバジェット(クロールの割り当て)」を意識したほうがよいとされています。

▼クロールバジェットの影響を受けるサイト形態

  • 大規模サイト(100万ページ以上)+更新は週1回以上
  • 中規模サイト(1万ページ以上)+更新はほぼ毎日
  • フィルターやソート機能など大量の自動生成ページを持つWebサイト
  • 大量のリダイレクト(リダイレクトチェーン)をしているWebサイト

上記のようなクロールバジェットの影響を受けやすいWebサイトは、canonicalタグの設置によってクロール効率を高めることをおすすめします。

クロールバジェットとは?大規模サイトの最適化方法やGoogleの見解を解説

canonicalタグの使用ケース

重複コンテンツによって、適切なページがインデックスされていない。
正規ページ以外のURLにユーザーからアクセスされていて、評価の分散が起こっている。
このような場合、個人で正規化することを検討してください。

ただ、さきほどもお伝えしたとおり、正規化には複数の方法があります。
そのなかで、rel=canonicalタグが適切なのはひと言でいうと、重複ページも残さなければならない場合です。
具体的に、canonicalタグの使用例を見てみましょう。

  1. パラメータ付きURLなどの自動生成ページ
  2. 自己参照canonical
  3. 内容が類似しているページ
  4. スマホサイトが別に存在する
  5. 複数のカテゴリに同じ記事がある
  6. 同じ記事を他サイトやメディアにも掲載する
  7. 重複ページにリダイレクトが利用できない場合

パラメータ付きURLなどの自動生成ページ

パラメータ付きURL(クエリパラメータ)とは「?」のついたURLです。
おもに、以下のような機能を使うとき、パラメータ付きURLが生成されます。

このパラメータ付きURLのように、ユーザーの行動によって自動で生成されるページにcanonical設定がおすすめです。

たとえばフィルタ機能は、ユーザーのフィルタ条件によって何通りものページ(URL)が生成されます。
しかし、内容は並びや一部分が違うだけで、ほとんど同じコンテンツといえるでしょう。

そこでcanonical設定で正規化を行い、重複したコンテンツであることを検索エンジンに示す必要があります。

また、Googleアナリティクスなどのアクセス解析でもパラメータは利用されます。(「?utm_source」がついたものなど)
アクセス解析用のパラメータも、表示されるコンテンツは同じでURLだけが異なっている状態なので、canonical設定が適切といえるでしょう。

URLパラメータとは?付け方・書き方や種類一覧、SEO観点での注意点を解説

自己参照canonical

パラメータ付きURLをはじめ、重複コンテンツは思わぬところで、しかも大量に作られていることが多々あります。
このような把握しきれない重複コンテンツの正規化に最適なのが、Googleも推奨する「自己参照canonical」です。

自己参照canonicalとは、本来は重複ページに設置するcanonicalタグを、正規ページ自身に設置して自分自身のURLを示す(自己を参照する)というもの。

どのような状態かというと、正規化したいAというページがあるとしましょう。
そのページAに自己参照canonicalを行うことで、Googleに「このページ(Aページ)の正規ページはこのURL(AページのURL)です」と伝えていることになります。
つまり、Gogoleに対して正規ページを念押しできるのが、自己参照canonicalです。

もしここで、存在が把握できていない、内容の重複した「ページB」が生成されたとします。
GoogleはページAとページBをグルーピングし、重複ページがどちらか判断しようとするでしょう。
もちろん、存在を知らないページBにcanonicalタグの記述はできません。

自己参照canonicalを行っていない場合、GoogleがページBを正規ページと認識する可能性があります。
一方で、自己参照canonicalを行っていれば、正規ページがすでにページAで示されているため、GoogleもページBが重複コンテンツだと認識しやすくなります。

このことから、検索結果に表示したい全ページに自己参照canonicalを設定することが、本来は理想といえるでしょう。

なお、自己参照canonicalをはじめとしたURL正規化を行なったら、きちんと検索結果にせいきURLが表出できているか確認が必要です。
具体的には、検索結果のサイトリンクにカーソルを合わせると、GoogleがせいきURLとしてインデックスしたURLが表示されます。

ただ、確認の必要があるURLが大量にある場合は話は別です。
大量のURLのインデックス状況を一つ一つ確認していくのは、骨が折れる作業となってしまいます。

そこで利用したいのが、「Nobilista(ノビリスタ)」のような検索順位チェックツールです。
Nobilistaを利用することで、登録したキーワードごとにランクインしているURLを把握できます。

また、URLが500を超えるような場合でも、CSVで出力することで、さらに効率よくURL正規化の進捗を把握できます。

自己参照canonicalに限らず、URL正規化の施策を実施した後は、ぜひNobilistaで効果測定まで実施してみてください。

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内容が類似しているページ

内容が似ている、またはほとんど同じページができてしまう例は多いです。
たとえば以下のようなケース。

  • 不動産の物件ページ
  • ECサイトのカラーやサイズ違いの商品ページ
  • ABテスト
  • 広告用のLP
  • AMPページ

上記のような重複ページは残しておく必要があるため(リダイレクトできないため)、基本的にcanonical設定による正規化を行う必要があります。

スマホサイトが別に存在する

PCとスマホ用のページが別々に存在する場合も、canonicalタグを使います。

  • PC版サイトの記事URL:
    https://example.com/category/topic
  • スマホ版サイトの記事URL:
    https://m.example.com/category/topic

ちなみに、このときcanonicalタグを設定するのは、スマホサイトです。
くわしくは後述しますが、PCサイトには別にスマホサイトがあることを伝えられる「rel=”alternate」というHTMLタグを使います。

alternateタグ(Link rel=alternate)の意味とは?記述方法や多言語・スマホサイトなど事例を解説

複数のカテゴリに同じ記事がある

ブログECサイトなどで、複数のカテゴリに同じ内容の記事やページがある場合も注意しましょう。
たとえば、ECサイトで「新着商品」と「人気商品」というカテゴリがあり、同じ商品ページがそれぞれのカテゴリに入っているといったケース。

カテゴリが変わると同時にURLも変わる設定であれば、検索エンジンは別のページと認識します。
URLで見ると、以下のような感じです。

https://example.com/new/ex
https://example.com/bestsellers/ex

基本的に、検索エンジンはURL単位でページを見ています。
URLが一文字でも違えば、別のページと認識するため注意しましょう。

ブログ記事のカテゴリー分けの方法とは?やり方のコツや事例を解説

同じ記事を他サイトやメディアにも掲載する

すでに投稿している自サイトの記事を、他サイトや他のメディアに掲載する「シンジケーションコンテンツ」。
こちらも、場合によってはcanonical設定が必要といえます。

すでにお話ししたとおり、重複ページと判断されるとインデックスはされません。
そのため、自サイトの記事をインデックスしてもらうためにも、またコピーコンテンツと認識されないためにも、記事を提供する場合はcanonical設定をおすすめします。

ちなみに、canonical設定は別のドメインに対しても有効です。

【2023年7月追記】
Googleからのアナウンスで、現在シンジケーションコンテンツはcanonicalタグではなく、他サイトやメディア側へのnoindexタグ設置が推奨となっています。
noindexタグについては、以下の記事をご覧ください。

noindexタグとは?設定方法やSEOへの影響、実装ページの確認方法を解説

重複ページにリダイレクトが利用できない場合

重複ページが不要であれば、基本的に301リダイレクトによる正規化が推奨されています。

ただし、Webサイトによっては301リダイレクトが利用できないこともあるでしょう。
その際に、canonicalタグで代用するといった方法があります。

ちなみに、URLの「www」や「index.html」、URL末尾の「/(スラッシュ)」が何か、ご存じでしょうか。
URLの仕組みや意味を知っておくと、SEOをより深く理解することができおすすめです。興味のある方は、以下の記事でくわしく紹介しています。

SEOとURLの関係性とは?SEOに効果的なURLの設定方法を解説

canonicalの書き方や設定方法

ここからはシーン別のcanonicalタグの設定方法を紹介します。
といっても、基本は以下のタグを「重複ページの<head>内に」記述するだけです。

<link rel=”canonical” href=”正規化したいページのURL”>

<head>内でないと、効果が無効となるので注意しましょう。

「href」のあとには、正規URLを入れてください。
自己参照canonicalを行う際は、正規ページにも同様にrel=canonicalのタグを記述します。
このときも、入力するURLは正規ページのURLです。

ここからは、canonical設定が必要なシーンごとに、具体的な書き方を解説していきます。

  1. 「WordPress」でのcanonical設定方法
  2. 「スマホサイト」のcanonical設定方法
  3. 「ampページ」でのcanonical設定の方法
  4. PDFファイルなど「HTML以外」のcanonical設定の方法

「WordPress」でのcanonical設定方法

WordPressの場合、使用テーマによっては、デフォルトで自己参照canonicalが設定されるようになっているものもあります。
また、個別でcanonicalを設定したい場合も、投稿画面から簡単にできるものもあるため、まずは確認してみましょう。

もし使っているテーマでcanonicalの設定ができないようであれば、プラグインを使います。

たとえば、王道のプラグイン「All in One SEO」。
最新版(2023年現在)の場合、プラグインが有効化されていれば、自動で自己参照canonicalが設定されるようになっています。

また個別で設定したい場合は、投稿画面の下の「Advanced」の「正準URL」に正規ページのURLを入力しましょう。

注意点として「All in One SEO」には、記事が数ページに分割されている(ページネーションのある)コンテンツ向けのcanonical機能があります。
それが、管理画面の左メニュー「All in One SEO→検索の外観→高度な設定」にある「カノニカルURLをページ送りにしない」という項目。

旧バージョンでは「canonical URL にページネーションを含まない」という項目名でした。
こちらは、記事の1ページ目を正規URLにして、2ページ目以降を重複URLとして1ページ目に正規化できるという機能。

ただし、これはGoogleが推奨していないcanonicalの設定方法です。
くわしくは後述しますが、ページネーションのある記事では、こちらの機能は使わず自己参照canonical(デフォルト機能)を使うようにしましょう。

ページネーションとSEOの関係とは?作り方や実装方法、大規模サイトに設置時の注意点

「スマホサイト」のcanonical設定方法

スマホサイトが別にある場合、canonicalタグを記述するのは「スマホサイトのページ」です。
そして、以下のようにタグにはPCサイトの正規ページURLを指定しましょう。

▼スマホサイトの<head>内
<link rel=”canonical” href=”PCサイトの正規化したいページURL”>

さらに、スマホサイトがあることを明確に伝えるために、通常のPCサイトに「alternateタグ」の記述をおすすめします。
rel=”alternateタグは、スマホサイトの存在を伝えるためのHTMLタグです。

▼PCサイトの<head>内
<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)”  href=”スマホサイトのページURL”>

alternateタグ(Link rel=alternate)の意味とは?記述方法や多言語・スマホサイトなど事例を解説

「AMPページ」でのcanonical設定の方法

AMPの実装の際には、AMPページにcanonicalタグを記述します。
さらに、通常ページには「amphtmlタグ」を記述することで、AMPページの存在を検索エンジンに伝えることができます。

▼ampページ(canonicalタグ)
  <link rel=”canonical” href=”通常ページのURL”>

▼通常ページ(amphtmlタグ)
  <link rel=”amphtml” href=”AMPページのURL”>

▼通常ページ(自己参照canonical)
  <link rel=”canonical” href=”通常ページのURL”>

PDFファイルなど「HTML以外」のcanonical設定の方法

HTML以外のファイル(pdfファイル、画像など)に対しては、HTTPヘッダ(HTTPレスポンスヘッダ)を使用することで、同様にcanonical設定が行えます。

ただし、HTTPヘッダの内容を変更するには、お使いのWebサーバーが「.htaccessファイル」へのアクセスを許可していること、また書き換えやファイルの作成が技術的にできることが大前提です。

そのため、HTTPヘッダによるcanonical設定を考えている方は、まずWebサーバーがアクセスを許可しているかどうか確認してから取り掛かることをおすすめします。

.htaccessとは?書き方や設定方法、読み方、ファイル作成方法を解説

canonicalの有無の確認方法

canonical設定の有無を確認する方法についても覚えておきましょう。
単純に、そのページにcanonicalタグがあるかどうかを調べるのなら「ページのソースから確認する」方法が一番簡単です。

  1. 右クリック→「ページのソースを表示する」(または「Ctrl+U」)
  2. ページ内検索(「Ctrl+F」)で「canonical」と調べる
  3. rel=canonicalタグがマークされる

もうひとつ、canonicalタグの有無にかかわらず、そのページが正規化されているか、そのページの正規URLがどこになっているか、これをチェックする方法も知っておきましょう。
使用するものは、Googleサーチコンソールの「URL検査ツール」です。

  1. Googleサーチコンソール上部の検索ボックスに、調べたいページのURLを入力
  2. 「ページのインデックス登録」をクリックしてボックスを開く
  3. 「ユーザーが指定した正規 URL」と「Google が選択した正規 URL」を確認
  • ユーザーが指定した正規URL
    canonicaタグなどで正規ページに指定しているURL
  • Google が選択した正規 URL
    実際にGoogleが正規ページとしているURL

「ユーザーが指定した正規 URL」と「Google が選択した正規 URL」が同じURLか。
そして、検索結果に表示させたい正しい正規ページかどうか確認しましょう。

URL正規化とは?SEOに必要な理由や最適化のやり方

canonical利用時の注意点

canonicalの設定を行う際に気を付けたい、注意点についても把握しておきましょう。

  1. canonical設定でリダイレクトはされない
  2. タグには相対パスではなく「絶対パス」を入力する
  3. canonicalタグはヒントとして扱われる
  4. ページ内に複数のcanonicalタグを記述しない
  5. サイトマップや内部リンクのURLと正規URLは統一する
  6. ページネーションの1ページ目を正規URLにする必要はない

canonical設定でリダイレクトはされない

ときどきcanonical設定を行えば、正規ページURLへリダイレクトされると思われている方がいますが、これは間違いです。
cnonical設定を行っても、重複ページは残り続けます。
重複ページが不要であれば、canonical設定ではなく、301リダイレクトを行うようにしましょう。

301リダイレクトとは?設定方法・確認方法やSEOとの関係、.htaccessの書き方を解説

タグには相対パスではなく「絶対パス」を入力する

canonicalタグ内で記述する正規ページのURLは「絶対パス」で書きましょう。
絶対パスとは、「https://」から始まる完全なURLです。

対して、現在地を基準にファイルの場所を伝える「相対パス」は、wwwのありなしやhttpとhttpsの違いを伝えることができません。

▼絶対URL
https://example.com/content.html

▼相対URL
/content.html

▼(推奨)「絶対URL」を使ったcanonicalタグ
< link rel=”canonical” href=”https://example.com/content.html” >

▼(非推奨)「相対URL」を使ったcanonicalタグ
< link rel=”canonical” href=”/content.html” >

また、URLの記述ミスも多いため、基本的には絶対パスで書くようにしましょう。

rel=canonicalタグはヒントとして扱われる

canonicalタグは、あくまでヒントとして扱われます。
そのため、Googleがcanonical設定を無視する可能性もあると覚えておきましょう。

その場合は、GoogleサーチコンソールのURL調査ツールで、インデックスされない理由に「重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」といった記載がされます。
Googleによって選ばれた正規URLは「Google が選択した正規 URL」で確認しましょう。

▼Googleが異なるページを正規URLにしている例

ちなみに、Googleサーチコンソールの「▼インデックス作成→ページ」では、指定している正規URLと異なるものが選ばれているページを一覧で見ることができます。

とはいえ、canonical設定は強い効力を持つタグです。
正規URLを間違えて記述したり(httpsでなくhttpのURLにしていたなど)、別のページを正規ページとしていたことで「クローラーが来ない」「インデックスがされない」といったミスも実際起こっています。
canonicalタグを利用する際はよく注意しましょう。

Googleにインデックスされない原因別の対策方法!クローラーが来ない問題の解決方法やインデックスを促進する方法

ページ内に複数のcanonicalタグを記述しない

canonicalタグが1ページに複数ある場合、どの指示に従えばよいか検索エンジンがわからないため、タグは無効となります。

とくにWordPressは、デフォルトで自己参照canonical設定がされているため、別にcanonicalタグを追加する際は注意しましょう。

サイトマップや内部リンクのURLと正規URLは統一する

Googleはサイトマップなど、ほかのURL情報を参考に正規URLを決定します。
そのため、サイトマップ内部リンクで使うURLと、正規化したいページのURLは統一しておきましょう。
でなければ、GoogleがどちらのURLを正規化したいのか理解できない可能性があります。

内部リンクとは?SEOに効果的な張り方や最適化のメリット・コツを徹底解説

ページネーションの1ページ目を正規URLにする必要はない

記事が数ページに区切られている(ページネーションがある)場合に、すべてのページを1ページ目に正規化させる必要はありません。
Googleも各ページの自己参照canonicalを推奨しています。
もちろん、重複コンテンツでないため、Googleもcanonicalタグを無視する可能性が高いといえるでしょう。

ただし、自己参照canonicalも必須というわけではなく、たとえば2ページ目や3ページ目を検索結果に表示させなくてよいというのであれば、1ページ目に向けて正規化してもペナルティなどの問題はないようです。

また、記事に「全文を表示する」といった全文表示のURLが別にあるケースは、全文を表示したURLを正規化することをおすすめします。

ページネーションとSEOの関係とは?作り方や実装方法、大規模サイトに設置時の注意点

canonical設定に関するよくある質問

canonical設定において、よくある質問にお答えします。

多言語サイト(ページ)にcanonical設定は必要?

多言語サイトでもコンテンツの言語が異なれば、重複コンテンツとみなされないのでcanonical設定は不要です。

ただし、言語が同じ、またはコンテンツの大部分の言語が同じ場合は、重複コンテンツと見られる可能性があるため、canonical設定が必要なこともあります。
たとえばアメリカ企業がカナダとイギリスといったほとんど同じ言語を使う国のユーザーにもサービスを提供しており、ページを分けている場合などです。

レスポンシブデザインにcanonical設定は必要?

レスポンシブデザインは、ユーザーの閲覧デバイスに併せて表示を変えるデザインです。
基本的に現在のWebサイトは、レスポンシブデザインが主流となっています。

そのレスポンシブデザインですが、複数のページがあるわけではないので、canonical設定は必要ありません。

レスポンシブデザインとは?作り方のコツやSEOとの関係、CSS実装方法、テンプレート・参考サイトを紹介

モバイルファーストインデックスでも正規URLはPCサイトでよい?

スマホサイトの正規URLには、引き続きPCサイトを指定しましょう。
たしかに、モバイルファーストインデックスになり、基本的にスマホサイトのインデックスが優先されるといわれているものの、この部分は変わらないようです。

常にパソコン版の URL を正規 URL とし、モバイル版の URL をその代替 URL とします。

引用:Google

おそらくGoogleのサイト運営者に対する配慮でしょう。
正規URLをスマホサイトに変える手間を考えたのかもしれません。

モバイルファーストインデックス(MFI)とは?SEOへの影響や対策・確認方法、完全移行した理由をわかりやすく解説

canonicalタグと301リダイレクトの使い分けの仕方は?

基本的に、正規化のほとんどは301リダイレクトで問題ないといわれています。

ただし、301リダイレクトはリダイレクト元になる重複ページが見られなくなります。
つまり、削除するのと同じといえるでしょう。(評価はリダイレクト先に引き継がれる)

重複ページが不要な(ユーザーにとって価値のない)ページであれば、301リダイレクトで問題ありません。

逆に、重複ページを残さなくてはいけない。
見られなくなることでユーザーが困る。
このようなことが考えられるのなら、canonical設定の方が安心でしょう。

canonicalタグとnoindexタグの併用は可能?

noindexタグとは、インデックスしないページ(インデックスからの削除)を伝えるためのHTMLタグです。

canonicalタグとnoindexタグの併用は、自己参照canonicalに限り問題ありません。
ただし、noindexタグの方が優先される点に注意しましょう。

たとえば、WordPressには自己参照canonicalがデフォルトで設定されています。
noindexタグを利用したい場合、そのまま記述しても問題なくnoindexタグの効果を受けることができます。

気を付けたいのは、canonicalタグで示す正規URLが、noindexタグのあるページでないかどうかです。
この場合「canonicaタグの正規URL」=「noindexタグのあるページ」=「インデックスされないページ」という図式になるので、大変なことになります。

noindexタグとの併用は問題ありませんが、正規URLがnoindexページにならないように注意しましょう。

noindexタグとは?設定方法やSEOへの影響、実装ページの確認方法を解説

canonical設定と違うURLが正規化(検索結果に表示)されるのはなぜ?

canonicalタグで指定しているURLとは違うページが正規化されるという場合、2つの理由が考えられます。

  1. Googleがcanonical設定を無視した
  2. canonicalの処理が終わっておらず一時的に表示されている

「1」は、canonicalタグはあくまでヒントとして扱われるため、Googleによって無視されている可能性です。
とはいえ、Googleも基本的にユーザーに適したページを正規ページとするため、そのページが選ばれない理由があると考えるのが自然でしょう。

デバイスに適したページか、httpsのページかどうか、サイトマップのURLと相違はないか。
これらを確認をしたうえで、それでも正規ページに選ばれないのであれば、コンテンツの見直しが必要になるかもしれません。

そして「2」は、canonicalの反映が遅れている可能性です。
canonicalの処理はページがインデックスされた後に行われるため、反映までに時間がかかることがあるようです。
ただ、一時的に別のページが正規化されているように見えるだけなので、この場合はしばらく様子見することで解決するでしょう。

キーワードのカニバリにはcanonical設定すべき?

重複コンテンツ同士の記事が、同じキーワードで順位を争ってしまう、俗に「キーワードのカニバリ」と呼ばれる現象。
このとき、安易にcanonicalタグを使うのはおすすめしません。

意外なキーワードからユーザーが多く流入していたり、CVにつながるキーワード(お宝キーワード)で上位表示していたり。
このような隠れた価値を持つ記事ではないか、まず確認をしましょう。
場合によっては、リライトをして重複ページと差別化することで、記事を活かせる可能性もあります。

canonicalタグを使うと、基本的に正規ページ以外は検索結果に表示されません。
そのため、canonicalタグは、よく検討したうえで使用するようにしましょう。

リライトのやり方とは?事例や効果が出るまでの時間、注意点を解説

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