SEO
公開日2023年6月22日
更新日2024年04月26日
LP(ランディングページ)がSEOに弱い理由とは?サイト一体型LPで上位表示する方法と運用の進め方
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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LP(ランディングページ)とは、自然検索や広告を経由して、ユーザーが最初にアクセスするページです。
ユーザーがWebページに着地する(land)イメージから名づけられました。
自社商品やサービスがある場合、LP(ランディングページ)を設置することで、通常のページと比べて、成約につなげやすいといったメリットがあります。
ただ、LPはどんな時に役立つのか、SEOで上位表示する方法が知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、LP(ランディングページ)がSEOに弱い理由やSEOを行うメリット、サイト一体型LPで上位表示する方法と運用の進め方を解説します。
LPのメリット・デメリットを理解したうえで、必要な場合は本記事を参考に上位表示を目指しましょう。
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LP(ランディングページ)とは
LP(ランディングページ)とは、自然検索や広告などを経由して、ユーザーが最初にアクセスするページのことです。
ユーザーがWebページに着地する(land)イメージから名づけられました。
なお、LP(ランディングページ)には主に2つの意味があります。
- 広義のLP:
ユーザーが最初にアクセスしたページ - 狭義のLP:
自社の商品やサービスに関する情報をまとめた縦長の単体ページ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
広義のLP
広義のLP(ランディングページ)は、ユーザーが最初にアクセスするページのことを意味します。
ランディング(Landing)は、着地するという意味の言葉です。
サイトのトップページであることが多く、いかに自社の商品やサービスの紹介ページに誘導するかが重要になります。
ページの内容を改善すれば、より多くのユーザーを他のページに誘導することができます。
そのため、コンバージョン率(CVR)を高めるにはLP(ランディングページ)をしっかり作りこむことが大切です。
コンバージョン率(CVR)とは?計算方法/求め方や平均値の目安、改善方法を解説
狭義のLP
狭義のLP(ランディングページ)は、自社の商品やサービスに関する情報をまとめた単体ページのことです。
自社の商品やサービスを成約してもらうために、必要な情報を1ページの中に網羅します。
そのため、縦に長いデザインになりやすいのが特徴です。
狭義のLPは、サイトの目的を直接達成するページとなります。
ユーザーにLPで何らかのアクションを取ってもらい、成果につなげるための場所です。
LPの種類
LP(ランディングページ)は主に「サイト一体型」と「ページ完結型」に分けられます。
サイト一体型は、多数の商品・サービスをまとめて掲載し、他のページに誘導するLPを指します。
集客に重きを置いているのが特徴です。
それに対して1ページ完結型は、ユーザーの購買意欲を高めCV(成約)させるページで、CV(成約)に至るまでの要素を1ページに網羅したLPを指します。
CVに重きを置いているのが特徴です。
つまり、サイト一体型は広義の意味のLP、1ページ完結型は狭義の意味のLPということです。
LP(ランディングページ)がSEOに弱いと言われる理由
Webマーケティングをする上でLPを作成するのは効果的ですが、SEOに弱いと言われています。
その主な理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 文字数が少ないから
- ページ数を増やせないから
- 被リンクを獲得しづらいから
1つずつ詳しく見ていきましょう。
文字数が少ないから
1つ目の理由は、文字数が少ないからです。
1ページに情報を網羅している1ページ完結型のLPは、テキストではなく画像を中心に作成されています。
確かに画像中心のページはユーザーにとって見やすくなりますが、SEOではなかなか評価されません。
SEOではテキスト情報が検索順位の評価に大きく影響するため、テキストが明らかに不足していると上位表示されにくくなります。
SEOと文字数は関係ない?長文コンテンツほどSEOに強い理由
ページ数を増やせないから
2つ目の理由は、ページを増やせないからです。
1ページ完結型のLPはコンバージョン率(CVR)を維持するために、別のページに誘導することをあえてしません。
通常、SEO対策をする上では、適切な場所に内部リンクを張り、ユーザーの滞在時間や回遊率アップを目指す必要があります。
一方で、1ページだけのLPは「商品を売る」「CVさせる」という目的なので、ページを増やすのがなかなか難しいです。
結果的にLP単体ではユーザーの悩みや疑問を解決できないと、Googleから判断されやすくなり、SEO対策と相性が悪くなってしまうのです。
SEOのためには何記事必要?ページ数とSEOの関連性や記事数を増やすときの注意点
被リンクを獲得しづらいから
3つ目の理由は、被リンクを獲得しづらいからです。
被リンクとは、外部サイトから自サイトへ向けて貼られるリンクを指します。
多くのサイトから被リンクを獲得できれば、信頼性向上の効果があり、SEOでも評価されやすいサイトになります。
ただし、被リンクを獲得するにはユーザーの役立つ情報等を発信し、外部サイト運営者がその情報に価値を感じてもらう必要があります。
LP(ランディングページ)は、何か有益な情報を発信するコンテンツではなく、商品やサービスを売るためのページです。
そのため、LPでは被リンクを獲得するのが難しいのです。
被リンクとは?増やし方や獲得方法の例、SEOとの関係
LP(ランディングページ)でSEOを行うメリット
ここでは、LP(ランディングページ)でSEOを行うメリットを3つ紹介します。
- ページ移動によるユーザーの離脱が少ない
- ユーザーが知りたい情報を1ページに集約できる
- 理想的な順番でユーザーに情報を伝えられる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
ページ移動によるユーザーの離脱が少ない
1つ目のメリットは、ページ移動によるユーザーの離脱が少ないことです。
どれだけ高品質なコンテンツを作成しても、内部リンクを設置していると、他のページに移動する可能性があります。
購入ボタンや問い合わせフォームに到達するまでに他のページに離脱されてしまうと、アクセスが多くてもなかなか成約には繋げられません。
それに対してLPは、基本的に内部リンクを張らないので、ページ移動による離脱を抑制できます。
結果的に通常のページよりも多くのユーザーを、購入ボタンやお問い合わせフォームまで送り込むことができるのです。
良質なコンテンツとは何か?Googleの定義や作り方のポイントを解説
ユーザーが知りたい情報を1ページに集約できる
2つ目のメリットは、ユーザーが知りたい情報を1ページに集約できることです。
通常のコンテンツでは、Webサイトの回遊率を高めるために、情報が複数のページに分けられています。
複数のページに分けて情報を提供する場合、ユーザーが自由に見たいページを選べるメリットがある半面、ユーザーが自分で目的の情報を探さなければいけないといったデメリットもあります。
その結果、ユーザーにはその分負担がかかり、目的の情報がすぐに見つからなかった場合、すぐにページから離脱してしまうリスクがあるのです。
それに対して、LPでは画面を縦にスクロールするだけで、ユーザーは知りたい情報を全て取得できます。
自然と商品・サービスへの理解度が高まるため、コンバージョンにつなげやすいといったメリットがあります。
理想的な順番でユーザーに情報を伝えられる
3つ目のメリットは、理想的な順番でユーザーに情報を伝えられることです。
通常のWebサイトでは、理想的な順番で情報を閲覧してもらえるとは限りません。
魅力的な情報を掲載しても、伝わる順番が変わるだけで、成果に繋がらないケースも多いです。
LPは1ページ構成ということもあり、ユーザーは基本的に上から順に閲覧してくれます。
そのため、ユーザーの興味を惹き、成約につながるストーリーが作りやすいです。
実際にLPの作り方にはテンプレートがあり、多くのLPは以下のようなストーリーで作られています。
- ファーストビュー:キャッチコピー
- 問題提起:あなたは今こんな悩みはありませんか?
- ベネフィット:商品・サービスの特徴や魅力
- 実績・実例:ベネフィットの根拠
- 客観的な評価・評判:購入者や利用者の口コミ
- FAQ:ユーザーの悩みを解決
- クロージング:今買う理由、期間限定〇月〇日まで等
LPの設置は、ネット上に24時間365日休まず働く営業マンを雇うようなもので、売り上げアップが期待できます。
上記のような順番でLPを作成することで、ユーザーの購買意欲を高めて、コンバージョンにつなげやすくなるのです。
訴求力の高いデザインを作りやすい
4つ目のメリットは、訴求力の高いデザインを作りやすいことです。
通常のページは基本的にテキストベースで作成することが多く、デザイン性だけを考えると優れているとは言えません。
LPはレイアウトに制限がなく、デザイン性の高いページを作れます。
多くのユーザーは膨大なテキストを読むことを嫌う傾向にあり、画像等を使い、瞬間的に商品・サービスの魅力を伝えられるのはLPの強みです。
魅力的な画像や図を利用し、ページを開いた途端にユーザーの目に飛び込んでくるインパクトの強いページになります。
通常のページと比べてもユーザーに伝える訴求力は強いため、コンバージョンにつなげやすいです。
サイト一体型LP(ランディングページ)でSEOを行い上位表示する方法
前述したとおり、1ページ完結型のLPはSEOに弱いですが、サイト一体型LPはSEOに向いています。
ここでは、サイト一体型LP(ランディングページ)でSEO対策を行い上位表示する方法を4つ紹介します。
- コンテンツの質を高める
- 下層コンテンツからトップページに内部リンクを集める
- 定期的に更新して最新情報を保つ
- 被リンクを獲得する
1つずつ詳しく見ていきましょう。
コンテンツの質を高める
サイト一体型LP(ランディングページ)で上位表示するには、Webサイト全体のコンテンツの質を高めることが重要です。
現在のSEO対策は、流入してきたユーザーが満足できる高品質なコンテンツを作ることが大前提となります。
キーワードの検索意図に沿った内容を盛り込むことはもちろん、さらにユーザーを満足させる魅力的なコンテンツを作成することが大切です。
まずは、上位表示されているコンテンツを分析して、上位サイトの内容を全体的に網羅したコンテンツを作成します。
それに加えて、競合サイトにはない独自の内容を追記して、競合サイトとの差別化を図ります。
ただ、他サイトの内容をそのままコピーするのはかえって、SEOでマイナス評価を受けるので、絶対に避けてください。
高品質なコンテンツを増やしていけば、Webサイトの評価が徐々に高まり、アクセスが増えていくでしょう。
良質なコンテンツとは何か?Googleの定義や作り方のポイントを解説
下層コンテンツからトップページ(LP)に内部リンクを集める
高品質な下層コンテンツを増やしていくと、Webサイト自体の評価が徐々に高まっていきます。
下層コンテンツを作成したら、各ページからトップページ(LP)に内部リンクを集めていきましょう。
サイト一体型LPを作成する目的はトップページ(LP)に誘導して、コンバージョン数を増やすことです。
内部リンクを適切に張ることで、下層ページに訪れたユーザーがトップページにたどり着く可能性が高まります。
サイト内の回遊率を高めることで、ユーザーの滞在時間が増えて、SEO評価も高まりやすくなるでしょう。
内部リンクとは?SEOに効果的な張り方や最適化のメリット・コツを徹底解説
定期的に更新して最新情報を保つ
情報は鮮度が重要なので、定期的に更新して最新情報を保ちましょう。
長い間情報が更新されず放置されたサイトは情報が古いと認識され、ページの信頼性が下がります。
古い情報がそのまま掲載されていたり、リンク切れが発生したりしていると、ユーザビリティが低下してしまうため、Googleは更新頻度が低いサイトを嫌う傾向にあるのです。
新しいコンテンツを作成すると同時に、すでに公開されているコンテンツを定期的に情報更新することをおすすめします。
更新頻度とSEOの関係とは?高い・低い場合や更新日の変更による影響を解説
被リンクを獲得する
SEOで上位表示するには、被リンクの獲得も重要です。
「LPがSEOに弱いと言われる理由」という章では、1ページ完結型のLPでは被リンクを獲得しづらいと解説しました。
しかし、サイト一体型LPでは、下層ディレクトリに関連のページを作成することにより、情報発信を行うことができます。
ユーザーにとって役立つコンテンツや調査データなどを発信することで、被リンクを獲得しやすくなります。
被リンクを積極的に獲得して、Googleに評価されるサイトを作成していきましょう。
被リンクとは?増やし方や獲得方法の例、SEOとの関係
LP(ランディングページ)公開後の運用方法やLPOのやり方
LP(ランディングページ)は、公開して終わりではありません。
公開後も様々なデータを分析したり、検証を行いながら、CVRを高めていく対策が必要です。
ここでは、LP(ランディングページ)公開後の運用方法やLPOのやり方を紹介します。
- データ分析をして現状を把握する
- ABテストを行う
- プロのサポートを受ける
1つずつ詳しく見ていきましょう。
データ分析をして現状を把握する
まず最初にやるべきことは、アクセス解析のデータに基づく現状の把握です。
LP(トップページ)のコンバージョン率(CVR)を算出しましょう。
コンバージョン率(%) = コンバージョン数 ÷ LPのアクセス数 ×100
例えば、LPにアクセスが1,000件あり、コンバージョンが50件発生した場合のコンバージョン率は5%です。
例)50 ÷ 1,000 × 100 = 5
キーワードによって異なりますが、リスティング広告と通常キーワードのコンバージョン率の目安は次の通りです。
- リスティング広告:10%前後
- 通常のキーワード:1~3%程度
自社LPのデータを分析して、目安よりも低い場合は、解決するべき課題を見つける必要があるでしょう。
リスティング広告とSEOの違いとは?使い分け方や相乗効果を発揮する併用方法を解説
ABテストを行う
LP公開後は、コンバージョン率(CVR)の最大化をするために、ABテストを実施するのがおすすめです。
ABテストとは、サイトのパフォーマンスを改善させるWebマーケティング手法のひとつです。
元々あるAパターンに対して効果アップするための仮説を立てて、それをもとに作ったBパターンを同じ条件のもと、並走させるテストをすることを言います。
例えば、購入・問い合わせボタンはABテストを行い、最適なボタンを検証します。
ボタンは色や形、コピー、配置場所等を少し変えるだけでクリック率が大きく変わるからです。
多くのボタンをABテストしながら、コンバージョン率の改善につなげていくのです。
ボタン以外にも、ファーストビューの改善やコンテンツの順序など、様々な場所でABテストを行いながら、少しずつLPの完成度を高めていきましょう。
LPOの意味とは?SEO・EFOとの違いや具体的な改善事例、A/Bテストツールを紹介
プロのサポートを受ける
LPを効果的に運用したい場合、プロのサポートを受けることも有効です。
知識が乏しい方が感覚でLPOを行うと、かえって非効率になる場合があります。
専門性の高い知識を持つプロの力を借りることで、効率良く成果を出せる可能性が高まります。
「できるだけ早く成果を出したい」「どこから改善すれば良いかわからない」という方は、プロに依頼するのも一つの選択肢でしょう。
コンバージョン率(CVR)とは?計算方法/求め方や平均値の目安、改善方法を解説
LP(ランディングページ)のSEOの注意点
ここでは、LP(ランディングページ)のSEOの注意点を2つ紹介します。
- 制作にコストと時間がかかる
- SEOによるアクセスは期待しづらい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
制作にコストと時間がかかる
LP(ランディングページ)の作成にはコストと時間がかかります。
コンバージョン数を増やすためには、質の高いLPを作成する必要があります。
Webデザインの知識が乏しい方が、我流で高品質なLPを作成するのは非常に困難です。
多くの場合はホームページ制作会社等のプロに任せることになるでしょう。
制作コストは1ページあたり10万〜30万程度が相場で、お互いのイメージを擦り合わせるために、何度も打ち合わせを行います。
もちろん複数のLPを設置したい場合は、さらに高額なコストがかかってしまいます。
そのため、LP制作は費用対効果に見合うかどうかを慎重に検討してから、プロに依頼することが重要です。
SEOによるアクセスは期待できない
コンバージョンの最大化を目指すのにLPの設置は効果的ですが、前述したとおり、SEOによるアクセスは期待しづらいです。
LPがSEOに弱いと言われる主な理由は以下の3つが考えられます。
- 文字数が少ないから
- ページ数を増やせないから
- 被リンクを獲得しづらいから
LPはユーザーに分かりやすく情報を提供するために、テキストよりも画像を多く使用します。
画像に埋め込まれたテキストは、Googleの検索エンジンが判断しづらく、SEOで良い評価をもらうのが難しいです。
そのため、LPはWeb広告等で利用するものと捉えて、SEOはWebサイトで注力するほうが賢明と言えるでしょう。
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