SEO
公開日2023年11月4日
更新日2023年11月04日
URL最後のトレイリングスラッシュあり・なしの違いとは?必要性や有無が混在する時の対処法
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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サイトのURLの末尾に付く「/」を「トレイリングスラッシュ(Trailing Slash)」と呼びます。
しかし中には、末尾に「/」が表示されないこともあるでしょう。
実際のところ、トレイリングスラッシュはあってもなくても、大きな問題にはなりません。
しかし、サイト全体で統一をしないと、SEOに悪影響を与えてしまいます。
では「/」のあり・なしは、どのように決めたら良いのでしょうか?
この記事では、URL最後のスラッシュの有無の違いや、SEOに与える影響などを解説します。
また、サイト内であり・なしが混在する時の対処法もお伝えするので、参考にしてください。
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URL最後のスラッシュあり・なしの違い
下記のようなURLの場合、それぞれブラウザは、厳密には異なる場所を探します。
- https://co.nobilista.com/ja/
- https://co.nobilista.com/ja
末尾にトレイリングスラッシュがある場合は「ディレクトリ」を探し、ない場合は「ファイル」を探すのです。
ただし現行のブラウザは補正機能が付いているので、どちらの方法でも大きな問題にはなりません。
また、実際のトレイリングスラッシュの扱いは、以下の2つで異なる部分もあります。
- ドメイン名の後
- サブディレクトリの後
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トレイリングスラッシュ(Trailing Slash)の有無でサーバーの処理が異なる
末尾に「/」が付く場合、リクエストを受け取ったサーバーは、そのディレクトリ(フォルダ階層)の中にある「index.html」などの規定ファイルを探します。
例えば、以下のように「/」がつく場合を例に挙げます。
https://www.sample.com/blog/page1/
次のように、「page1」フォルダの中からファイルを見つけ、該当のページを表示するわけです。
https://www.sample.com/blog/page1/index.html
実際のところ、正式なURLはまさに「https://www.sample.com/blog/page1/index.html」ですが、文字列が長くなってしまうので、現在のブラウザ環境では省略されます。
一方、末尾に「/」が付かない場合、リクエストを受け取ったサーバーは、そのファイル自体を探します。
例えば、次の場合、「blog」フォルダの中から「page1」というファイルを探そうとするわけです。
https://www.sample.com/blog/page1
しかし該当するファイルがない場合、自動的に末尾に「/」を付けて再検索をします。
するとアクセス先として「https://www.sample.com/blog/page1/index.html」が見つかるというわけです。
結果として、「/」があってもなくても目的のページが表示されるので、実用上の差はありません。
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ドメイン名に続くトレイリングスラッシュ
トレイリングスラッシュの有無でサーバーの応対が変わると説明しましたが、ドメイン直下の場合は少し 状況が異なります。
ドメインの直後では、トレイリングスラッシュがない場合でも、サーバーは階層の1番高いディレクトリ(ルートディレクトリ)から自動的にドキュメントを探すのです。
つまり、「/」なしのURLでリクエストを受けた場合、サーバーは即座に「https://www.sample.com/」と、トレイリングスラッシュ「有り」の状態に変換します。
例えば、「yahoo!」のトップにアクセスすると、ブラウザには「yahoo.co.jp」など、簡易的なURLが表示されるでしょう。
しかし実際にコピーしてみると、「https://www.yahoo.co.jp/」という、トレイリングスラッシュ「有り」の正規のURLが得られるのです。
このことから、ドメイン名に続くトレイリングスラッシュは、有っても無くてもサーバー側に応対の差は生まれません。
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単独のファイルにはトレイリングスラッシュは付かない
トップディレクトリではなく、その下の階層(サブディレクトリ)のURLの末尾では、トレイリングスラッシュの有無がサーバー側の応対に関わります。
今のようなURLなら、「page1」という書類を探すということです。
https://www.sample.com/blog/page1
先ほどは、そうした書類は存在しないため、末尾に「/」を付けて「page1/index.html」を探すと説明しました。
しかし実際に存在する書類があれば、そこにはトレイリングスラッシュは付きません。
例えば、次のように画像や動画、単独の書類などは末尾が中身を反映させた拡張子となります。
https://www.sample.com/blog/pic1.jpg
https://www.sample.com/blog/report.pdf
https://www.sample.com/blog/event.mp4
また先ほどのページを示す正式なURLである「https://www.sample.com/blog/page1/index.html」も、末尾はトレイリングスラッシュになっていません。
トレイリングスラッシュはフォルダ階層を明示しているものであり、最終的な書類やデータを示すものではないからです。
URL最後のスラッシュの有無がSEOに与える影響
トレイリングスラッシュの有無が混在していると、検索エンジンからの評価において、下記のような問題が発生することがあります。
- 重複コンテンツとみなされる
- クロール効率に悪影響を与える
- 違う内容になっていた場合、ユーザーを混乱させる
ただし現在ではサーバーやブラウザ、検索エンジンの対応能力が高まったことから、SEOに与える影響は極めて小さくなっていると言えるでしょう。
重複コンテンツとみなされる
現在ではほとんど心配することはありませんが、念のためいくつかのパターンについて言及しておきましょう。
まずは、重複コンテンツとして扱われてしまうという危険性です。
トレイリングスラッシュの有無によって、本来は同じページだったものが、2つのURLとして登録されてしまう可能性があります。
すると重複コンテンツと見なされるので、ページやサイトへの評価が落ちてしまうのです。
重複コンテンツを避ける方法とは?判定基準や原因別の対策方法、SEOへの影響を解説
クロール効率に悪影響を与える
検索エンジンがサイトの情報を得るために走らせているのがクローラーです。
クローラーがページを訪問しないと、検索エンジンのデータベースが更新されず、検索結果にも反映されません。
そのため効率的にクローラーを巡回させる事は、特に規模の大きなサイトにとっては、クロールバジェットの問題もあり重要な要素です。
しかし重複コンテンツとなった場合、本来1度の訪問で済む情報収集が、2回に分かれてしまいます。
クローラーがサイト構造を正しく認識できず、クロールの際に混乱してしまうかもしれません。
その結果、検索への反映が遅れたり、クローラーの巡回頻度が下がってしまったりする危険が考えられます。
クローラーとは?意味や仕組み、巡回を促す対策、拒否する方法をわかりやすく解説
ユーザーを混乱させる
重複コンテンツではなく、違う内容になっている可能性も無くはありません。
例えば、以下のような2つのURLが同時に存在している場合です。
- https://www.sample.com/blog/page1/
(正確には「https://www.sample.com/blog/page1/index.html」) - https://www.sample.com/blog/page1
(正確には「https://www.sample.com/blog/page1.html」)
SEO上の問題はありませんが、ユーザーには分かりにくい状態になってしまうでしょう。
URL最後のスラッシュは必要か
ユーザーの利便性や満足度への影響という意味では、トレイリングスラッシュの有無は大きな問題ではありません。
SEO上の問題点も、現在ではほぼ気にしなくて良いと言って良いでしょう。
無難なのは「/」を付ける方法です。
本来のURLの表現では「/」が付いていますし、サーバーが有り無しを変換する手間もありません。
ただし、例えば名刺やチラシなどでURLを表記する場合は、「/」を取った方が見栄えが良くなるでしょう。
特にトップページのURLを使う場合です。
例えば「https://www.yahoo.co.jp/」より「https://www.yahoo.co.jp」の方が、スッキリするのではないでしょうか。
参考:URL末尾のスラッシュについて|Google検索セントラル
URL最後のスラッシュあり・なしが混在する時の対処法
URLの最後にあるスラッシュ(トレイリングスラッシュ)は、有っても無くても大きな差にはなりませんが、同じサイト内で混在するのは好ましくありません。
軽微であってもSEOやユーザビリティに悪影響が出る可能性があるからです。
もし混在している場合は下記のような対処を行いましょう。
- canonicalで正規URLを指定する
- リダイレクト設定を行う(301リダイレクトする)
- WordPressはカスタム設定で決める
- Googleサーチコンソールに結果を反映させる
同じページが表示されるか確認する
前提として、トレイリングスラッシュの有無に関わらず、同じページが表示されるか試してみましょう。
これは、サーバーの変換機能が正常に働いているかの確認です。
ほとんどの場合、同じページが表示されるでしょう。
これはサーバーの設定がうまくいっている証拠ですので、そのまま、混在の解決に進みます。
トレイリングスラッシュ無しのパターンで404エラーが出たら、サーバーの転換機能が働いていない証拠です。
サーバーの設定を見直す必要がありますが、難しい場合は手動で対応を行いましょう。
トレイリングスラッシュの有無で違うページが表示される場合、SEO的な問題はありません。
しかし、URLがほとんど同じため、ユーザに混乱を与えます。
どちらかのURLを変更した上で、改めてトレイリングスラッシュの有無を統一しておくと良いでしょう。
404エラー(Not Found)の意味とは?エラーの原因や解決方法、対処方法を解説
canonicalでURLを正規化する
URLの最後のスラッシュの有無が混在する場合、正規URLを指定する方法の一つとして、canonicalタグを使用する方法があります。
canonicalタグは、検索エンジンに対してWebページにおける正規URLを指定するものです。
正規URLを指定することにより、検索エンジンは重複コンテンツを避け、こちらが優先したいURLをインデックスすることができます。
例えば、canonicalタグは以下のように記述します。
<link rel=”canonical” href=”正規URL”>
正規URLを指定することで、Webページがスラッシュの有無に関係なく同じページとして扱われるようになります。
canonical(カノニカル)とは?設定方法や書き方、重複URLの正規化によるSEOへの影響
リダイレクト設定を行う
先ほどトレイリングスラッシュありなしで2つのURLが同時に存在している場合、片方のURLを修正すべきと書きました。
この場合、修正前のURLにアクセスが来た場合、新しいページに転送させる必要があるでしょう。この時に使われるのが301リダイレクトです。
301リダイレクトは古いページが新しいページに永遠に置き換わったと言うことを検索エンジンに示します。
これにより、重複コンテンツの疑いをかけられることなく、新しいページが検索結果に出るのです。
301リダイレクトも「.htaccess」ファイルに追記します。
下記は「old-page」の内容を「new-page」に引き継いだ場合のサンプルコードです
RewriteEngine On
RewriteRule ^old-page.html$ /new-page.html [R=301,L]
301リダイレクトでは新旧のURLを記述するので、そのままのコピペはできません。
301リダイレクトとは?設定方法・確認方法やSEOとの関係、.htaccessの書き方を解説
WordPressはカスタム設定で決める
サイト制作にWordPressを利用している場合、トレイリングスラッシュの問題は容易に解決できます。
WordPressではURLの設定に関して、末尾にトレイリングスラッシュを使うかどうか、管理パネルから統一して決められるからです。
設定>パーマリンクに移動し、末尾にトレイリングスラッシュを追加するかしないかを設定してください。
トレイリングスラッシュを追加する場合は「/%postname%/」形式を選択、トレイリングスラッシュを削除する場合は「/%postname%」形式を選択します。
途中でトレイリングスラッシュの有無を変更した場合、影響の出たページについては自動で301リダイレクトが適用されるので安心です。
パーマリンクの意味とは?決め方やWordPressのおすすめ設定方法、SEO上の注意点
Googleサーチコンソールに結果を反映させる
サイト側での対応が終わったら、最後に、Googleサーチコンソールに結果を反映させましょう。
まずsitemap.xmlを更新して、Googleに通知してください。
これによりサイトの新しい構造が理解されやすくなり、クローラーも巡回しやすくなります。
その後、クロールエラーが発生していないかどうかを確認します。
エラーが出ていたらガイドに沿って修正し、再度Googleにクロールしてもらいましょう。
Googleサーチコンソールとは?できることや使い方、登録方法・設定方法を解説
トレイリングスラッシュに関するよくある質問
最後に、トレイリングスラッシュ関連の疑問をまとめました。
ブラウザの表示でURLの最後のスラッシュが消えるのはなぜ?
最も顕著なのは、サイトトップの表示でしょう。
例えばyahoo!のサイトトップを開くと、ブラウザのURLボックスでは、「yahoo.co.jp」というシンプルな形で表示されます。
しかし実際にそのURLコピーすると、「https://www.yahoo.co.jp/」という、本来の文字列になるのです。
つまり最後のスラッシュだけでなく「https://www.」も省略されています。
これは表示をシンプルにすることが目的であり、URLの最後のスラッシュが消えるのは、単にそう見せているだけです。
トレイリングスラッシュの「ありなし」は誰が決めますか?
URLの末尾にスラッシュが付くかどうかは、サーバー側の設定で決まります。
そのため根本的に変更しようと思ったら、サーバーにログインして設定を変更する必要がありますが、これは多くのサイト運営者にとって難問でしょう。
サーバー管理者権限を持っていれば変更可能なケースもありますが、実は、そこまでする必要性は高くありません。
重要なのは、トレイリングスラッシュ無しでアクセスしてきたリクエストに対し、トレイリングスラッシュ有りに変換して対応することです。
なおWordPressを使っている場合は、設定画面からトレイリングスラッシュの「ありなし」を選択できます。
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