SEO
公開日2024年8月23日
更新日2024年08月23日
GoogleとYahoo!の違いとは?検索結果や利用者数、利用率からどっちがいいかを解説
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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日本で利用されている検索エンジンと言えば、GoogleとYahoo!の2社でしょう。
そのYahoo!は、2010年からGoogleの検索エンジンを導入しているため、本来であれば両者の検索結果は同じになるはずです。
しかし実際に使ってみると、その内容には差が出ていることもよくあるでしょう。
そこでこの記事では、GoogleとYahooにおけるユーザー層・利用率・デバイスの違いについて、詳しく説明していきます。
そこには両者の社風やビジネスモデルの違いもあるでしょう。
また、SEOをするならGoogleとYahoo!どちらが良いかや、SEOにおける差があるかなども解説します。
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GoogleとYahoo!の違いまとめ
Yahoo!とGoogleは同じ検索アルゴリズムを使っていますが、検索結果画面には多少の違いがあります。
それは、ユーザー層・利用率・利用デバイス、さらには自社サービスの展開などに差があるからです。
例えば、Yahoo!の方が生活的なサービスが多いため結果画面が賑やかになり、ビジネスツールの多いGoogleはシンプルな画面構成になっています。
まずは最初に両者の違いをまとめてみました。
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Yahoo!の特徴
Yahoo!は、1994年にアメリカで設立されました。
当初は手動でWebサイトをカテゴリー分けする「ディレクトリ型検索」でスタート。
そこからショッピングやオークションなどの派生サービスを次々に投入し、業界のトップ企業に成長しました。
ただし日本では、米ヤフーとソフトバンクが設立したヤフー株式会社が「Yahoo! JAPAN」としてサービスを提供し、米ヤフーとの関係性は薄れているのが実情です。
検索アルゴリズムも米ヤフーではマイクロソフトが提供しているbingを採用しており、Googleを採用している日本とは違いがあります。
Yahoo! JAPANではソフトバンクが提供しているサービスとの結び付きが強くなっているのが特徴です。
例えば通信業者のソフトバンクや金融業者のPayPay、EC事業のYahoo!ショッピング、Yahoo!トラベルやYahoo!不動産などのポータル事業との連携が活発になっています。
そうした関係から、主なユーザーには女性や若者が多く、仕事よりもプライベートで使われるケースが多くなっているようです。
サイトとしてもソフトバンクが提供しているサービス情報が関わっており、元の姿である、様々な情報が入った総合ポータルサイトとしてのテイストが残っています。
Googleの特徴
Googleは、米ヤフーに遅れること4年、1998年に同じくアメリカで設立されました。
手作業に頼る「ディレクトリ型検索」ではなく、クローラーがネットを巡回して情報を集める、自動型の検索エンジンとしてスタートしたのが大きな違いです。
さらに検索エンジンに加え、業務用のツールであるGoogle DocsやSpreadsheet、それらを収納するGoogle Driveやオンライン会議に使うGoogle Hangoutなどを次々に提供しました。
Google MapsやGoogle Photos、さらにYouTubeなど、数多くのユーザー参加型のオンラインサービスを揃えています。
またAppleのiOSに対抗し、スマートフォンやタブレット向けOSであるAndroidを開発。
今では世界で最も多くのスマホユーザーを抱えるOS事業者となっています。
最近では生成AIによる検索を実現したSGEや、会話型AIのBardなど、人工知能を使ったサービスでも世界の先端を走るテクノロジー企業です。
そうした関係から、主なユーザーにはビジネスマンが多く、仕事で使われるケースが多くなっています。
そして多くの情報が並ぶ総合ポータルサイトであるYahoo!とは異なり、Googleは検索エンジンとして余計なものを混ぜず、純粋な検索結果に拘った作りをしている企業です。
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GoogleとYahoo!のユーザー層・利用率・デバイスの違い
大きく分けると、両者には下記のような違いがあります。
- ユーザー層:
Googleの方がYahoo!よりも男性比率が高く、年代別ではYahoo!の方が高めにシフトしている。 - 利用率:
ユニークユーザー数はYahoo!の方が多いが、Googleの方が利用時間が長いため、シェア争いではGoogleに軍配。 - デバイス:
殆どの人がスマホを使っているため、デバイス別では大きな差はありませんが、パソコンからの利用はGoogleの方が優勢です。
ユーザー層の違い
Yahoo!が作成している「Yahoo! JAPAN 媒体資料」の最新版では、下記のような情報が公開されています。
男女比 男性:51% 女性:49%
また年代別では、以下のようになっており、男女で大きな違いはありません。
13-20歳:6%
21-29歳:13%
30-39歳:15%
40-49歳:20%
50-64歳:26%
65歳以上:20%
参照:Yahoo! JAPAN 媒体資料(2023年3月版)
Googleの公式資料はありませんが、複数の業者が行っている調査では、10代〜30代の男性が高い比率で利用しているという結果が出ています。
逆に中高年では、Yahoo!の方が優勢です。
この原因として、インターネット元年と言われる1995年頃はYahoo!検索がメインであり、その頃にネットを始めた人たち(現在の50代以上)がそのまま使い続けていることが考えられます。
一方、30代以下では既にGoogleが優位に立っているため、ユーザーも若者が多くなっているという観測です。
またCNET Japanが行った調査(検索サービスに関する調査–ヤフーとグーグル)では、下記のような結果も出ています。
Googleをよく使う人の特徴
- インターネットの利用時間で多いのは2時間以上
- 男性の利用者が多い
- SNSアプリの利用時間も長い
- Amazonと親和性が高い
Yahooをよく使う人の特徴
- インターネット利用時間で多いのは1時間未満
- 女性の利用者が多い
- SNSアプリの利用時間も短かい
- 楽天やYahooショッピングと親和性が高い
Googleは仕事と絡めて使う男性やコアなユーザーが多い一方、Yahoo!はプライベートで使う女性やライトなユーザーが多いという印象です。
利用率の違い
Yahoo! JAPANの月間アクティブユーザー数は公式発表で8,500万人で、国内のネットユーザーの85%に及びます。
方やGoogleは7,000万人程度と想定されているので、利用者数そのものはYahoo!の方が多いのです。
しかしYahoo!ユーザーは利用時間が短いため、利用率で見るとGoogleが圧勝しています。
検索エンジンに関するデータを収集・公開しているStatcounter Grobal Statsによれば、2024年8月時点でのGoogleの利用率は80.59%、Yahoo!は9.91%と、大差が付いています。
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デバイスの違い
利用デバイス別の利用率は、Statcounter Global Statsによれば下記の通りです。
Yahoo! | ||
デスクトップ | 69.74% | 8.79% |
タブレット | 77.01% | 16.88% |
モバイル | 80.23% | 18.16% |
現状ではどのデバイスでもトップはGoogleとなっています。
GoogleとYahoo!の検索結果(SERPs)の違い
同じ検索アルゴリズムを使ってはいますが、提供しているサービスの違いなどから、検索結果(SERPs)には下記のような差が出ています。
Yahoo!では、Yahoo!の提供サービスが優先的に表示されます。
例えば下記のようなサービスです。
- Yahoo!知恵袋
- Yahoo!ニュース
- Yahoo!ショッピング
一方のGoogleでも、次のような自社サービスが検索結果に加わり、ユーザーを個々のサービスに誘導します。
- Google Map
- YouTube
- Googleマイビジネス
さらに検索結果のランキングも、両者が全く同じになるとは限りません。
それは、以下に違いがあるからです。
- クローラーの巡回から反映されるまでの時間
- パーソナライズド検索
広告表示や検索サジェストの内容にも違いが見られます。
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クローラーの情報が反映されるまでの時間差
検索エンジンはクローラーが自動でネットを巡回し情報を集めてきますが、それが結果に反映されるまでの時間が、Yahoo!とGoogleでは異なります。
そのため検索ランキングにも違いが出るのです。
但し殆どの場合、時間経過とともに似たような順位に収まります。
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パーソナライズド検索の影響
Googleではパーソナライズド検索が用意されており、ユーザーの過去の検索履歴や位置情報から、検索結果をその人の状況に最適化させます。
すると個人によって検索ランキングが変わってくるため、当然ながらGoogleとYahoo!でも異なる結果になるわけです。
パーソナライズド検索とは?オフ/無効する設定や正確な検索順位計測の方法、Google/Yahooの違いを解説
ショッピングに関する情報
例えば「キャンプ用品 通販」などで検索すると、Google・Yahoo!ともにおすすめ商品が結果ページに表示されます。
しかしGoogleではAmazonなど広告主の商品が出るのに対し、Yahoo!では自社サービスであるYahoo!ショッピングの商品が出てくるのが違いです。
地図の違い
Google・Yahoo!両者とも、自社で独自の地図サービスを提供しています。
そのためGoogleではGoogle Mapが、Yahoo!ではYahoo!地図が、それぞれ表示されるので結果画面に差が出るのです。
例えば「新宿 焼き肉」で検索した場合、Webサイトの検索結果は同じでも、表示されたマップ内の情報に両者の独自性が生まれます。
・Yahoo!の場合
・Googleの場合
特にGoogleではMEO(地図エンジン最適化)が、ローカル業者では欠かせない対策とされているほどです。
MEOとは?対策のやり方 やGoogleマップで上位表示する仕組み
リスティング広告の違い
検索結果画面には、料金を払って情報を掲載したい業者の広告も掲載されます。
Googleでは「スポンサー」、Yahoo!では「広告」という表記とともに、タイトルタグやサイトのURLが表示されるのです。
こうした広告をリスティング広告と言い、意図が確実な検索ユーザーを、確度の高い見込み客として獲得できます。
しかし実際に掲載される広告には、両社で差が出ることが多いでしょう。
それは、Googleではユーザーの年齢や性別、興味を持っていることなどに基づくパーソナライズド検索が使えるからです。
ターゲットを細かく設定できるため、より効果的な広告を出稿することが可能です。
リスティング広告とSEOの違いとは?使い分け方や相乗効果を発揮する併用方法を解説
時事ニュースの違い
Yahoo!にはYahoo!ニュースがあるため、時事性の高いキーワードで検索した時、自社メディアであるYahoo!ニュースの記事が上位に表示されます。
Googleでも新聞社やテレビ局のページがまとまって表示されますが、いずれも外部サイトへのリンクとなっているのが違いです。
リアルタイム検索の有無
Yahoo!には「リアルタイム検索」のタブがあり、X(旧Twitter)の最新投稿が確認できます。
Googleには、そのようなタブはありません。
検索結果の中にX(旧Twitter)の投稿をまとめて表示させる機能がありますが、必ずしも最新の投稿とは限らないため、ここはYahoo!に一歩譲った形と言えるでしょう。
ヤフオク!やPayPayフリマ
Yahoo!ではYahoo!ショッピング以外にも、物販に関わるサービスを多く提供しています。
Googleの場合、広告主のサイトを並べる位しか出来ませんが、Yahoo!ではヤフオク!やPayPayフリマも検索結果ページに顔を出します。
特にユーザーの欲しいものが中古品と分かれば、ヤフオク!やPayPayフリマが出やすくなるでしょう。
検索サジェストの違い
検索キーワードを打ち込む時に表示されるのが検索サジェストです。
メインとなるキーワードと合わせて検索される確率の高いワードが表示されるのですが、この表示に関するアルゴリズムが両社で異なっています。
特にYahoo!が提供しているYahooサジェストでは、直近の検索数やキーワードの関連度をサジェスト表示に反映させているのが特徴です。
Googleサジェストとは?表示の仕組みや削除方法、ツールを用いてSEOへ活用する方法
GoogleとYahoo!のパーソナライズド検索の違い
パーソナライズド検索は、個人の趣味や嗜好、行動パターンなどから検索結果をカスタマイズさせる機能です。
過去の履歴などからユーザーに合った検索結果を返します。
このパーソナライズド検索はGoogleが取り組んでおり、Yahoo!では採用されていません。
ただし広告表示については、検索アルゴリズムとは関係がないため、普段の履歴が活用されます。
なお、SEO施策などで純粋な検索結果を見たい場合、パーソナライズド検索機能の無効化をしなくてはなりません。
ブラウザのGoogle Chromeでは「シークレットモード」を使うと良いでしょう。
パーソナライズド検索とは?オフ/無効する設定や正確な検索順位計測の方法、Google/Yahooの違いを解説
SEOをするならGoogleとYahoo!どっちがいい?
GoogleとYahoo!は同じアルゴリズムを使っているので、SEO的な対応は1つで済みます。
シェア率の高さや、ランキング基準が明確に公開されていることから、Googleへの対策を基本に考えてください。
Googleでの検索ランキングが上昇すれば、Yahoo!でも同じように上がるからです。
SEOの基本はユーザーが欲しい情報を正しく伝えることですが、コンテンツ作成の際にはGoogleが公開している「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」を重視しましょう。
また検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)にも目を通しておくべきです。
原文は英語版のみですが、中身を紹介している日本語ブログなどは多数あります。
特にE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の重要性と、YMYL(お金や人生に関わる分野では信頼性が必須)は理解しておきましょう。
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日常利用するならGoogleとYahoo!どっちがいい?
利用者としては、GoogleとYahoo!、どちらを使うのが良いでしょうか?
表示される検索順位に変わりがないので、基本的にはどちらを使っても同じです。
強いて言えば、普段の生活スタイルや、使う目的によって向き不向きがあると言えるでしょう。
以下のような人は、Googleを使うのに適しています。
- Googleが提供するツールをよく使っている
- シンプルな検索結果画面が好き
一方で次のような人はYahoo!が適しているでしょう。
- ソフトバンクが提供するサービスをよく使っている
- ネットで買い物をする機会が多い
- リアルタイムな情報が知りたい
Googleを使うと良い人
Googleが適しているのは、下記のようなタイプでしょう。
Googleが提供するツールをよく使っている
普段から次のGoogle環境をよく使っている人は、これらのサービスと連携しやすいGoogle検索を使うのが良いでしょう。
- Gmail
- Google map
- Google DocsやSpreadsheet
- YouTube
同じアカウントで統合的に利用でき、異なる端末からの利用もスムーズだからです。
シンプルな検索結果画面が好き
GoogleとYahoo!の違いは、画面の賑やかさにも現れます。
Googleの検索結果画面は非常にシンプルで、余計な情報がほぼありません。
対してYahoo!にはYahoo!ショッピングの商品や知恵袋など、ソフトバンクのサービスが手掛けるサービスの情報が入ってきます。
それらを余計と感じるならば、Googleの方が合っています。
Yahoo!を使うと良い人
Yahoo!が適しているのは、下記のようなタイプでしょう
ソフトバンクが提供するサービスをよく使っている
普段から次のソフトバンクグループのツールをよく使っている人は、これらのサービスと連携しやすいYahoo!検索を使うのが良いでしょう。
- Y!メール
- PayPay
- Yahoo!知恵袋
- ヤフオク!
最近ではLINEも統合されました。
それぞれのサービスの最新情報やお得情報が結果画面に表示されることもあります。
ネットで買い物をする機会が多い
Yahoo!の関連サービスには次のような物販が多いです。
- Yahoo!ショッピング
- ヤフオク!
- PayPayフリマ
また次のようなWebサービスも充実しています。
- Yahoo!トラベル
- Yahoo!不動産
これらを横断して買い物などをするなら、検索もYahoo!を使うのがおすすめです。
リアルタイムな情報が知りたい
Googleは正しい情報のランキングに定評がありますが、Yahoo!の強みはリアルタイム検索です。
またYahoo!ニュースという独自のメディアも持っています。
そのため、検索したキーワードの最新情報を知りたい人は、Yahoo!を使ってみるのが良いでしょう。
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