SEO
公開日2023年6月9日
更新日2024年07月25日
ローカル検索とは?順位が決まる仕組みや表示順位の調べ方、広告出稿の方法を解説
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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ローカル検索とは、特定の地域や場所に関するキーワードに対して、それに適した検索結果を表示させる仕組みです。
ローカル検索へ最適化することで、店舗の知名度や集客率向上が期待できます。
例えば、新宿で「カフェ」と検索した際は、新宿周辺のカフェが表示されます。
一方、博多で「カフェ」と検索した際は、博多周辺のカフェが自動的に表示されます。
同じ検索キーワードであっても、どこで検索しているかによってユーザーが求めるニーズは異なります。
新宿でカフェと検索したユーザーに対して、博多で人気のカフェを検索結果に表示させても、利便性は向上しません。
ユーザーに、より的確な情報を提供するために、Googleは特定の地域や場所に適した検索結果を表示する「ローカル検索」という仕組みを採用しているのです。
ただ、どのような要因でローカル検索の表示順位が決められているのかわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、ローカル検索順位が決まる仕組みや表示順位の調べ方、広告出稿の方法を解説します。
集客率を上げたい店舗や施設を運営している方は、ぜひ参考にしてください。
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ローカルSEOの対策方法とは?MEOとの違いや効果・メリット、順位が決まる仕組みを解説
ローカル検索とは
ローカル検索とは、特定の地域や場所に関連するキーワードに対して、それに適した検索結果を表示させる仕組みです。
ユーザーの位置情報によって検索結果が変化するのが特徴です。
たとえ同じ検索キーワードであっても、どこで検索しているかによってユーザーが求めるニーズは異なります。
例えば、新宿で「居酒屋」と検索した場合は、新宿周辺の居酒屋一覧が表示されます。
一方、大阪市内で同じく「居酒屋」と検索した場合は、大阪市内の居酒屋が表示されます。
新宿で検索しているユーザーは新宿周辺の情報を求めている一方で、大阪市内で検索しているユーザーは大阪市内の情報を求めているはずです。
ユーザーの利便性を向上させるために、Googleは特定の地域や場所に適した検索結果を表示する「ローカル検索」という仕組みを採用しているのです。
通常検索とローカル検索の違い
通常検索とローカル検索の大まかな違いは次の通りです。
- 通常検索:
どの地域から検索しても表示される結果は変わらない - ローカル検索:
検索する場所によって表示される結果が変わる
通常検索で上位表示を狙うには、特定のキーワードにおけるSEO強化が必要です。
ローカル検索においては、地域や場所を加味したSEO強化が必要と言えます。
このように通常検索とローカル検索では、SEOの戦略も異なります。
これは2014年の「ベニスアップデート」と呼ばれるGoogleアップデートにより、ユーザーの利便性をより考慮した検索結果を表示するようになったことが大きな理由になっています。
SEO対策とMEO対策の違いとは?費用や使い分け、併用のやり方を解説
ローカル検索の重要性
ローカル検索は、特に飲食店や施設など、実店舗経営をしている方にとって重要な役割を持ちます。
ローカル検索で上位に表示されれば、店舗の知名度や集客数をアップできます。
通常検索の場合、知名度が高い有名店や多店舗展開している店舗が上位表示され、地域で小規模展開している店舗が上位に食い込んでいくのは非常に難しいです。
しかし、ローカル検索であれば、限られた範囲内の実店舗のみがライバルになります。
そのため、比較的上位表示させやすく、効果も高い有力な集客施策になるのです。
ローカル検索結果に表示される機能
ローカル検索結果に表示される機能は主に2つあります。
- ローカルパック
- ナレッジパネル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ローカルパック
ローカル検索結果は、基本的に「ローカルパック」と呼ばれる場所に表示されます。
ローカルパックとは、下記のように地図情報とともに表示されるリストのことです。
例えば「新宿 居酒屋」と検索すると、上記のように新宿の居酒屋に関する基本情報がリスト形式で表示されます。
これをローカルパックと言います。
基本的に検索結果の最上部に表示され、飲食店や美容院、宿泊施設などが最たる例です。
ローカルパックには、店舗の名称や住所、写真、レビュー数などが掲載されます。
上位3つの店舗や施設が表示され、「さらに表示」をクリックすることで、その他の店舗や施設一覧が表示される仕組みです。
ローカルパックは優先的に上位表示されるので、店舗経営をしている方はローカルSEO対策の重要性が増していると言えるでしょう。
ローカルSEOの対策方法とは?MEOとの違いや効果・メリット、順位が決まる仕組みを解説
ナレッジパネル
ローカルパックに加えて、ナレッジパネルで表示されるケースもあります。
ナレッジパネルとは、企業名や店舗名などを検索した際に、画面右側に表示されるビジネス情報のことです。
例えば「トヨタ自動車」と検索すると、ナレッジパネルに会社概要や株価、創設者、本部所在地などが表示されます。
ローカルパックと同様に、Webサイトを閲覧しなくても検索結果上でローカル情報の概要がわかります。
ナレッジパネルの内容は、Googleが所有する「ナレッジグラフ」と呼ばれる巨大なデータベースから抽出される仕組みです。
Googleナレッジグラフとは?ナレッジパネルとの違いや表示方法、修正方法を解説
ローカル検索順位を決める要因
ローカル検索の順位を向上させる対策を知る前に、そもそもローカル検索の順位が決まる仕組みを理解することが重要です。
ここでは、ローカル検索順位を決める要因を紹介します。
ローカル検索順位を決める要因は以下の3つです。
- 検索キーワードとの関連性
- 検索地点からの店舗の距離
- ビジネスの知名度(視認性の高さ)
1つずつ詳しく見ていきましょう。
検索キーワードとの関連性
まず1つ目は「検索キーワードとの関連性」です。
ユーザーが検索したキーワードと店舗情報の一致率の高さが関連性として評価されます。
Googleは、ローカル検索における「関連性」について以下のように定義しています。
関連性とは、検索語句とローカルビジネス プロフィールが合致する度合いを指します。
引用:Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法
充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、プロフィールと検索語句との関連性を高めることができます。
検索キーワードと店舗情報の関連性が高いほど、検索結果で上位表示されやすくなります。
例えば「新宿 ラーメン 醤油」とユーザーが検索した場合、店舗情報にこれらと同一のワードが含まれていると、関連性が高いと判断され上位表示されやすくなるのです。
そのため、店舗情報を記載する際は、ユーザーの目線に立って、実際に検索しそうなキーワードを想像することが大切です。
検索地点からの店舗の距離
2つ目は「検索地点からの店舗の距離」です。
具体的にはユーザーが検索した地点と店舗の距離が、距離としての評価になります。
Googleは、ローカル検索における「距離」について以下のように定義しています。
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。
引用:Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法
検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
ローカル検索では、ユーザーの検索地点から店舗までの距離が近いほど、上位表示されやすい傾向にあります。
例えば「渋谷駅 ラーメン」と検索した場合、渋谷駅に近いラーメン店が上位に表示される可能性が高くなるのです。
近くの見込み客を逃さないためにも、店舗や施設の住所を正確に記載しておくことが重要です。
ビジネスの知名度(視認性の高さ)
3つ目は「ビジネスの知名度(視認性の高さ)」です。
店舗や施設が広く知られていることが、知名度(視認性の高さ)としての評価になります。
Googleは、ローカル検索における「ビジネスの知名度(視認性の高さ)」について、以下のように定義しています。
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。
引用:Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法
ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。
たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
誰もが知っている店舗や施設であるほど、ローカル検索で上位表示されやすいということです。
例えば、現在地から近い位置に「全国的に有名なカフェ」と「個人が経営するカフェ」の2つのカフェがあるとします。
このような場合、全国的に有名なカフェが優先的に上位表示されやすくなるのです。
知名度のほかに、口コミ数の多さやスコアも視認性の高さに該当します。
ローカル検索で表示順位を上げるためにも、良い口コミを獲得していくことが重要です。
ローカル検索の表示順位を調べる方法
ここでは、ローカル検索の表示順位を調べる方法を紹介します。
主な手順は以下の4ステップです。
- Google広告にログイン
- 「プランニング」の中の「広告プレビューを診断」を選択
- 検索語句と地域を入力
- 検索結果から表示順位を確認
順を追って詳しく見ていきましょう。
1.Google広告にログイン
まずは、「Google広告」のアカウントにログインします。
Google広告のアカウントを登録していない方は、「公式サイト」から無料登録を済ませてください。
2.「プランニング」の中の「広告プレビューと診断」を選択
Google広告にログインしたら、まずページ上部の「ツールと設定」をクリックします。
すると、下記のようにタブが表示されるので、「プランニング」>「広告プレビューと診断」を選択してください。
3.検索語句と地域を入力
続いて、検索語句と地域を入力します。
ここでは、例として新宿のカフェで表示順位を調べるとします。
- 検索語句:居酒屋
- 地域(住所):新宿区,東京
- 言語:日本語
- デバイス:モバイル
検索語句と地域を入力すると、自動で結果が表示されます。
4.検索結果から表示順位を確認
4つの項目を設定すると、検索結果のプレビューが表示されます。
このプレビューで表示されるものが、実際にローカル検索で表示される順位です。
上位表示させたいキーワードと地域で実際に検索して、現在の順位を確認しましょう。
ローカル検索(ローカルパック)に自社広告を出稿する方法
ローカル検索(ローカルパック)に自社広告を出稿する方法は以下の4ステップです。
- ビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)に登録
- ビジネスプロフィールとGoogle広告を連携させる
- 「住所表示オプション」を設定する
- 検索キーワードを設定する
順を追って詳しく見ていきましょう。
1.ビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)に登録
まずは、ビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録します。
ビジネスプロフィールとは、Googleマップ上に自社の店舗情報を掲載できるツールです。
登録しておけば、ユーザーはマップ上から会社の店舗情報を確認できるようになります。
以下の情報を登録します。
- Googleアカウント情報
- ビジネスの名称
- オーナー(経営者)情報
- 店舗の位置情報(住所)
なお、ビジネスプロフィールの登録自体は無料でできるため、広告出稿の有無にかかわらず、登録しておくと良いでしょう。
Googleアカウント作成方法とは?ログインや追加で複数作る方法、削除方法を解説
2.ビジネスプロフィールとGoogle広告を連携させる
続いて、ビジネスプロフィールとGoogle広告を連携させます。
Google広告の管理画面から「広告表示オプション」→「住所表示オプション」を選択します。
次に「知っているアカウントに必要な情報をリンクする」から、ビジネスプロフィールアカウントを選択し、「続行」ボタンをクリックしてください。
これで、ビジネスプロフィールとGoogle広告の連携が完了です。
なお、ビジネスプロフィールとGoogle広告のアカウントが異なる場合には、アクセス権をリクエストし承認する必要があります。
3.「住所表示オプション」を設定する
続いて、Google広告にて「住所表示オプション」を設定しましょう。
「広告表示オプション」→「住所表示オプション」を選択します。
すると「住所表示オプションの作成」というポップアップが表示されるので、ビジネスプロフィール情報を設定し、広告出稿を行います。
4.検索キーワードを設定する
最後に検索キーワードの設定を行います。
検索キーワードは通常のリスティング広告と同様、ユーザーが検索しやすいキーワードを予測して設定することが大切です。
「新宿 居酒屋」「原宿 美容室」「渋谷 和食」のように、地名+メインのキーワードで登録するのが基本です。
競合の多い地域では「新宿 居酒屋 独り呑み」「新宿 居酒屋 個室」のように複数のキーワードを設定することで、広告効果も高まります。
以上で、検索キーワードの設定とローカル検索広告の出稿が完了です。
ローカル検索に関するよくある質問
ローカル検索に関するよくある質問をまとめました。
ぜひ参考にしてください。
- ローカル検索とMEOはどんな違いがありますか?
- ローカル検索のメリットはなんですか?
- どんな人がローカル検索の対策をするべきですか?
- ローカル検索最適化は業者に依頼するべきですか?
ローカル検索とMEOはどんな違いがありますか?
MEOとは「Map Engine Optimization」の略称で、地図アプリにおいて検索された際に上位に表示されるように最適化することを意味します。
基本的に「ローカル検索」と「MEO」は同じ意味の言葉ですが、日本と海外での呼び方が異なります。
海外では「ローカルSEO」、日本では「MEO」と呼ばれるのが一般的です。
MEOとは?対策のやり方 やGoogleマップで上位表示する仕組み
ローカル検索のメリットはなんですか?
ローカル検索を活用するメリットは主に3つあります。
- インターネットからの集客を増やせる
- 近くにいる見込み客を逃さない
- 店舗の知名度がアップする
ローカル検索により店舗の近くにいるユーザーにアプローチすることで、集客アップが期待できます。
また、店舗の住所や営業時間、口コミ、写真などの情報が掲載されるため、店舗の知名度アップも期待できます。
どんな人がローカル検索の対策をするべきですか?
実店舗を持つオーナーやサイト運営者は、ローカル検索の対策をするべきです。
ローカル検索対策を行うことで、多くのユーザーの目に留まりやすくなり、集客数の増加が期待できます。
まずは「ビジネスプロフィール」に登録して、店舗情報を充実させることから始めましょう。
ローカル検索最適化は業者に依頼すべきですか?
「店舗運営で忙しく、ローカル検索まで手が回らない」と考え、ローカル検索最適化を業者に依頼したいと考える人もいるでしょう。
ローカル検索最適化を数万〜数十万程度で外注することは可能です。
ただ、ローカル検索はユーザーからの距離の近さが検索結果に大きく関係するため、効果の測定が難しいです。
また、たとえ検索上位を取れたとしても、メインとなる商品やサービスが追い付いていないと評価を落としてしまいます。
そのため、ローカル検索の最適化のみを外注するのは慎重に判断するべきでしょう。
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