SEO
公開日2024年10月25日
更新日2024年10月25日
SEOとUI/UXの関係性とは?Googleが求めるユーザービリティ改善方法をわかりやすく解説
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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適切に設計されたUI/UXを備えたサイトは、ユーザーの滞在時間を伸ばし、コンテンツに対する理解度も高めます。
その結果、コンバージョン率にも有効な結果を生み、サイトからの収益を上がるでしょう。
さらにSEO(検索エンジン最適化)の効果を発揮するため、新たな流入を生む可能性も膨らみます。
しかしUIとUXの違いや、それぞれを改善するためのヒントが分からない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、UX/UIの基礎知識や両者の関係性、SEOとの関連などをわかりやすく解説します。
また、UI/UXの良し悪しを評価するために見るべき指標や、SEO観点でUI/UXを改善する方法などもお伝えするので最後までお読みください。
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UI/UXとは
UI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は、サイトでのユーザー体験を高めるために重要となる考え方です。
いずれもデザイン要素に関わるものですが、UIが外見的な機能であるのに対し、UXは利用することによる内面的な体験価値を示します。
UI(ユーザーインターフェイス)とは
UIとは、Webサイトが持つ視覚的な外観や、双方的な機能を持つ要素のことです。
例えば、以下のようにその他ユーザーが操作するグラフィック的な要素が含まれます。
- ボタン
- メニュー
- テキスト
- 画像
- 動画
UIは、ユーザーがWebサイトを操作するために必要なものです。
個々のデザインや大きさのバランス、配置などが悪いと操作にストレスが生まれ、使いにくくなってしまいます。
なるべく直観的でわかりやすいインターフェイスが良いでしょう。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
UXとUIは、ユーザーに素晴らしい操作性を提供するという意味で、同じ目標を共有しています。
しかしより上位の概念となるのはUXです。
UXとは、そもそもユーザーとどのような関係性を持ち、サイトの目標をどうやって達成するかを示す計画であり、UIはそれを実現する視覚的な外観です。
技術的には、UXには以下の要素が含まれますが、それは片面に過ぎず、UIと重複する部分も多々あります。
- サイトの表示速度
- ナビゲーション
- メニュー
- ページのインタラクション
優れたUXは魅力的なユーザー体験を生み出し、それによってサイトでの滞在時間が伸びて直帰率が低下し、コンバージョン率が向上するという結果に繋がらなくてはなりません。
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UIとUXの違い
両者の違いをまとめると、下記のように言えるでしょう。
- UIはWebサイトの見た目を美しくし、UXはWebサイトを便利にします
- UIはユーザーの感情を快適にし、UXはユーザーの目標達成を支援します
- UIは視覚的なデザインを扱い、UXはブランドや製品、サービスなど全般を扱います
どんなに見栄えの良いデザイン(優れたUI)を備えていても、使い勝手の悪いサイト(貧弱なUX)では、得られる収益は限定的になるでしょう。
逆に、どんなにユーザーフレンドリーなサイト(優れたUX)でも、魅力のないビジュアル(貧弱なUI)ではユーザーを遠ざけてしまいます。
SEOとUI/UXの関係性
UIとUXは、どちらもSEOに大きな影響を与えます。
UIデザインが優れていれば、サイトの使い勝手が良くなるため、ユーザーからの評価が向上します。
その結果、直帰率が下がって滞在時間が長くなり、ユーザーエンゲージメントも高まるでしょう。
一方、UXデザインが優れていれば、ユーザーとのやりとりは有意義なものとなります。
ユーザーは課題を解決でき、商品やサービスの購入にも繋がるでしょう。
このように、UIやUXが優れていればWebサイトのパフォーマンスが高まりますが、それは検索エンジンからの評価にも関わる要素です。
そのためSEO的にも有効に働くのです。
中でも、次の点に関心を持ちましょう。
- SEO+UI/UX
- グラフィック
- 可読性
- レスポンシブ
- CTA
SEO+UI/UX
SEOはサイトに流入を促すために有効であり、ユーザーの関心と検索エンジンの関心は、基本的に一致しています。
ユーザーの悩みや課題、疑問を解決できることが重要です。
SEOとUI/UXは、いずれか一方が欠けても正しく機能しません。
それらの目的はサイト内が的確に構造化され、欲しい情報に簡単にたどり着けるようになっていることです。
SEOを極めるためには優れたUI/UXが必要であり、UI/UXを極めるためにはSEO的な視点がなくてはなりません。
特にUIだけが先行してしまうと、SEO的な要素が失われてしまいます。
あらかじめUXにSEOを含ませておき、それをUIに落とし込む作業が必要です。
ページの表示速度なども重要なSEO的要素といえるでしょう。
SEOとUX/UIを連携させ、最終的にユーザーの要望に応えるサイトを作ってください。
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グラフィック
グラフィックはWebサイトを魅力的にするために必須であり、第一印象を決定付ける要素となります。
それは美観というだけではなく、コンテンツ内容を正しく理解してもらうためにも必要です。
グラフィックの中にデータやテキストを加えることも出来ますし、それ自身を分かりやすいインフォメーションとして置くことも出来ます。
画像のaltタグもSEOに有効です。
ただしグラフィックの容量が大きいとページの表示速度が落ちてしまうことがあるので、適切な処理をしておくことが必要でしょう。
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可読性
可読性にはテキストのサイズや色、フォントの種類などが関わります。
行間を適切に空けたり、一文の文字数を一定に収めることも大切です。
また、SEO的な視点から言うのであれば、ファーストビューで何が見えるかにも注意が必要となるでしょう。
スクロールしないと見えない位置に重要なキーワードやメニューがあると、ユーザーはそれを見逃してしまうかもしれません。
重要な要素は、可能な限り、スクロールをする前のファーストビューに出しておかねばなりません。
そのために、UI/UXをしっかり設計しておくことが必要です。
レスポンシブ
今やほとんどのWebサイトでアクセスの過半数がモバイル端末になっています。
どのようなデバイスで見られても最適なデザインを提供する、レスポンシブなWebサイトは常識化していると言えるでしょう。
PC向けのWebサイトをモバイル化するのではなく、まずはモバイル向けに最適化してからPCでも見られる画面を作る「モバイルファースト」も時代の趨勢です。
モバイル端末での操作性は、キーボードを使う事が前提のPCとは全く異なります。
そのためUX視点でしっかり設計していくことが必要です。
レスポンシブデザインとは?作り方のコツやSEOとの関係、CSS実装方法、テンプレート・参考サイトを紹介
CTA
CTAは「Call To Action」の略で、ユーザーに問い合わせなどの具体的な行動を起こさせることが目的となります。
成功指標となるコンバージョン率にも繋がる、重要なものと言えるでしょう。
CTA単体では、問い合わせをしやすいデザインやコピーライティング、その表示方法などが重要となります。
つまりUI分野での勝負です。
しかしCTAは、それ以前のページから繋がる最後のピースとも言えます。
どのような流れでCTAに至るとユーザーは行動をしやすくなるのか?
それを決定付けるのはUXです。
検索キーワードからのファーストビュー、それに続くスクロール部分や次のページへの誘導などを正しく設計しましょう。
UI/UXの良し悪しを評価するために見るべき指標
UI/UXでは、数値化しにくいデザイン的な要素もあるのですが、測定可能な指標もあります。
例えば、以下のようなものです。
- コアウェブバイタル評価(Googleが定めたページの表示指標)
- 直帰率
- コンバージョン率
- 顧客満足度
- ユーザーのタスク
- ヒートマップ
コアウェブバイタル評価(Googleが定めたページの表示指標)
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)はGoogleが定めた指標で、ウェブバイタル(Web Vitals)の中に含まれます。
ウェブバイタルは、優れたUXを実現するために作られたツールや指標ですが、数が多いため優先順位などが混乱してしまいました。
そこで、ウェブバイタルの中で特に重要な共通指標として提案されたものが「コアウェブバイタル」です。
コアウェブバイタルは、Googleが重要視している「ページの表示速度(LCP)」「インタラクティブ性(FID)」「視覚要素の安定性(CLS)」の3つで構成されます。
- LCP(Largest Contentful Paint):
直訳すると「最大コンテンツの描画」。画像や動画など、ページの中で最大(最も有意義)コンテンツが表示されるまでの時間を測る指標です。数値は秒で示され、値が小さいほどUXが良いと解釈されます。 - FID(First Input Delay):
直訳すると「初回入力遅延」。クリックやボタンの押下など、ユーザーがそのページで最初に行った操作に、ブラウザが応答する時間を測る指標です。数値はミリ秒で示され、値が小さいほどUXが良いと解釈されます。 - CLS(Cumulative Layout Shift):
直訳すると「累積レイアウト変更」。ページの読み込み時に想定外のレイアウトの変更がどれだけ発生したかを測る指標です。数値は独自の「レイアウトシフトスコア」で示され、値が小さいほどUXが良いと解釈されます。
ユーザーがページで何かの操作をしようとした時、想定外の動きが起きると、操作が満足に行えません。
結果、UXが悪化してしまうため、数値は0.1未満であることが理想です。
CLSの値が悪い場合、画像や広告のサイズを指定して表示領域を確定させるなどの改善をします。
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直帰率
直帰率は、Webサイトにアクセスしたが、最初のページだけで離脱してしまったユーザーの割合です。
ユーザーの滞在時間が長いほどコンテンツへの理解が深まり、エンゲージメントが向上します。
Webサイト内で自分が欲しい情報に出会える可能性も高まるでしょう。
逆に直帰率が高いと、WebサイトのUXに問題がある可能性が高くなり、SEOにも悪影響を与えてしまいます。
直帰率とは?離脱率との違いやSEOへの影響、目安・平均値を紹介
コンバージョン率
ユーザーに何らかの行動をさせるのがサイトの目的であれば、それを端的に示すものがコンバージョン率でしょう。
実際にコンバージョン率を重要な成果指標として使っている企業も多いはずです。
ここで注意が必要なのは、期待されるコンバージョン率は業種によって大きな違いがあるということ。
自社のコンバージョン率が同じ業界の中でどの程度の位置にいるのか、把握しておくことが必要です。
コンバージョン率(CVR)とは?計算方法/求め方や平均値の目安、改善方法を解説
顧客満足度
顧客満足度は一般的な商品やサービスでよく使われる指標であり、Webサイトでも活用できます。
満足度の低いサイトからは、大きな収益は望みにくいでしょう。
ただし多くの指標と同様に、単に数値として見るのではなく、その裏に隠れている理由や意識も十分に理解しなくてはなりません。
ユーザーが低い評価を下した点について、深く掘り下げるために注意深くヒアリングを実施してみてください。
ユーザーのタスク
ユーザーのタスクとは、ユーザーがすべき行動に対してどの程度の達成率やエラーが生じたかを示す指標です。
コンバージョン率とも近しいのですが、よりテストをしやすいように設計され、結果までのプロセスを追いかけるものと言えます。
例えば「サイトで花を10本買う」「最新のプレスリリースを見つける」「指定されたレシピを見つける」などをタスクとして、それをユーザーに試してもらうなどの調査方法があります。
UXはそうしたユーザーのタスクを支援するために存在します。
実際にタスクに関わる指標として、下記のようなものがあるでしょう。
- タスクの成功率:タスクを完了できたユーザーの割合
- タスクにかかった時間:タスクを正常に完了するためにかかった時間
- 検索とナビゲーションの比率:タスクを完了するために使った機能
- ユーザーエラー率:タスクの実行中にエラーを犯したユーザーの割合
- 達成難易度:タスクの達成しやすさを数値化したもの
ヒートマップ
ヒートマップは、ページ上でのマウスの動きやクリック、スクロールなどを記録して表示させたものです。
ユーザーが実際にどのようにサイト内を移動し、操作をしたかが分かるので、ユーザー行動を深く掘り下げて理解できます。
例えば、ユーザーがスクロールを途中でやめていたら、ページが長すぎる可能性があるでしょう。
クリックされないバナーやリンクは削除してしまった方がスッキリするかもしれません。
ヒートマップ分析ツールおすすめ4選!見方・使い方や分析方法、有料・無料別に比較!
SEO観点でUI/UXを改善する方法
SEOではユーザーの利便性を高めるために、サイトやレイアウト、コンテンツ内容などを構造化する必要性があります。
それをUI/UXに落とし込んで改善するには、下記のようなことに留意しましょう。
- サイトの目的に合った設計にする
- 構造をわかりやすく保つ
- より少ないクリック数
- 適切なレイアウトとユーザビリティ
- UXライティング
- 内部リンクを慎重に計画する
サイトの目的に合った設計にする
サイトがどのような目的を持っているかによって、望まれるUI/UXは大きく変わります。
例えば商品を販売しているECサイトでは、商品説明やレビュー、注文ボタンは必須でしょう。
ニュースサイトであれば関連記事や著者情報、旅行サイトであれば出発地と目的地の設定など、必要な要素は変わるのです。
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構造をわかりやすく保つ
シンプルな構造は、SEOやユーザーエクスペリエンスの向上に繋がります。
UX/UIの観点から見れば、ユーザーが必要な情報をすばやく見つけることに役立つからです。
SEO上でもGoogleのクローラーがページを見つけやすくなるので、インデックスまでの時間が短縮されるでしょう。
構造がシンプルであれば、ナビゲーションもしやすくなります。
多くのユーザーはサイトに設置されたナビゲーションを活用して、欲しい情報にたどり着くのです。
サイトの構造を決める時は、コンテンツとのやり取りをユーザーがシンプルに行えるよう、検討しましょう。
不要な要素が多いと構造が複雑になり、UXが低下してしまいます。
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より少ないクリック数
優れた構造とナビゲーションがあれば、ユーザーは目的とする情報に少ないクリック数で到達できます。
必要なクリックの回数が増えてしまうと、ユーザーはその途中で諦めてしまうでしょう。
目標としては、サイトのトップから4クリック未満で必要な情報にアクセスできるようにしてください。
そのためにはページをカテゴリごとにグループ化し、内部リンクも最適化させた状態を保ちます。
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適切なレイアウトとユーザビリティ
適切に設計されたレイアウトは、ユーザーが求める情報を見つけやすくし、コンテンツへの理解度も向上させます。
見出しと本文、画像のバランスなども重要です。
サイト中での統一感は利便性を高め、魅力的な書体や調和性のある配色は視覚的な魅力を高めます。
さらに、CTAボタンやフォームなどを効果的にデザインし、戦略的に配置すればユーザーを望ましい行動に誘導できるでしょう。
Googleのクローラーも正しくコンテンツを理解できるようになります。
UXライティング
検索エンジン向けに特化したライティング手法をSEOライティングと言いますが、同様にUXに特化した手法がUXライティングです。
もっとも、それらの基本は共通であり、Googleが定める基準に従って書くことになります。
特に最近では、Googleの検索結果ページで表示される情報量が増えており、それらは各Webサイトから引っ張られて来たものです。
つまりWebサイトでのテキストやコピーが効果的であるほど、検索結果ページに露出される可能性が高くなります。
UXライティングで望まれるのは、下記のようなことです。
- 見出しは構造化して分かりやすくする
- 見出しの階層を厳格に(h2見出しをh3の下に置かないなど)
- やさしい言葉を使い、専門用語はなるべく避ける
- 能動態で書く
- 明確な言葉で書く
- 一文の長さは控えめにする
SEOライティングの基礎とは?初心者向けに書き方やコツ、手順を紹介
内部リンクを慎重に計画する
内部リンクはサイト内に有力なネットワークが構成でき、回遊性を高めつつ、ユーザーが意図する目的に達する可能性を秘めています。
例えば、関連記事へのリンクは積極的に設置しましょう。
サイトの滞在時間の増加に繋がるのでSEO的な意味も出ますし、ユーザーも新しい情報に触れられます。
そこから問い合わせや購入などのアクションに繋がることもあるでしょう。
ただし闇雲にリンクを貼ってもクリックされなければ意味がありません。
どのような誘導が良いか慎重に計画するようにしてください。
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