SEO
公開日2023年1月9日
更新日2024年04月26日
常時SSL化(https)はSEOに効果あり!検索順位との関係性やSSL化されていないサイトがどうなるのか解説
甲斐龍之介
SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動。
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常時SSL化(https)とは、インターネット上のデータ通信を暗号化することです。
SSL化(https)が進む前のhttpサイトは、セキュリティ上の脆弱性が問題視されていました。
httpが抱えていたセキュリティ問題を解消するために誕生したのが、SSL化(https)です。
実際にGoogleが、SSL化を検索順位の評価基準の一つとして含めると明言しています。
つまり、SSL化をしないことはセキュリティ上の問題だけでなく、SEO的にもマイナスになってしまうのです。
本記事では常時SSL化(https)とSEOの関係性やSSL化されていないサイトがどうなるのかを解説します。
常時SSL化の導入方法も解説しますので、常時SSL化を行っていない方は、ぜひ最後までご覧ください。
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常時SSL化(https)とは
常時SSL化(https)とは、インターネット上のデータ通信を暗号化することです。
セキュリティを向上させるために行うもので、SSL化することで、URLが「http」から「https」に変わります。
SSL化されていない状況では、サイトに訪れたユーザーの名前やクレジットカード番号など、個人情報を盗まれるリスクがあります。
これまで常時SSL化は、クレジットカードの決済など個人情報を入力するページでしか導入されていませんでした。
しかし現在では、セキュリティ向上のために、あらゆるWebサイトで常時SSL化が進められています。
常時SSL化と共有SS化の2種類がある
SSLには、常時SSLと共有SSLの2種類があります。
- 常時SSL化:
サイト全体をSSL化する - 共有SSL化:
特定のページのみSSL化する
以前までは、低コストで導入できる「共有SSL化」が主流でした。
クレジットカード決済のページなど、ユーザーが個人情報を入力する場面しかSSL化をする必要がなかったからです。
しかし、現在ではサイト全体のセキュリティを向上させるために、サイト全体をSSL化する「常時SSL化」が主流になっています。
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SSL化とSEOの関係
常時SSL化を行うことは、SEOにも大きな影響を与えます。
実際に、Googleは2014年にWebサイトが常時SSL化されているかどうかを、順位決定の要素の1つとすることを発表しました。
以下は、Googleの検索セントラルブログの一部を引用したものです。
セキュリティは Google の最優先事項です。
引用:Google Search Central Blog
Google は過去数か月にわたり、暗号化された安全な接続をサイトで使用していることを検索のランキング アルゴリズムのシグナルとして考慮するテストを実施してきました。
このテストで十分な結果が得られたため、Google はランキング シグナルとして HTTPS を使用することにしました。
この発表により、多くのWebサイトが常時SSL化を進めているのです。
一方で、常時SSL化を行っていないWebサイトは安全性が低いとみなされ、検索順位が下がりやすくなるのです。
SEOにおけるSSL化のメリット
GoogleがSSL化を推奨していることからも、SSL化はSEO対策に欠かせない施策です。
ここでは、SEOにおけるSSL化のメリットを4つ紹介します。
- 検索エンジンに評価されやすくなる
- 警告表示によるユーザー離脱を防ぐ
- サイトのセキュリティ向上
- サイトの表示が早くなる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
検索エンジンに評価されやすくなる
常時SSL化をすることで、検索エンジンに評価されやすくなります。
なぜなら、SSL化することでセキュリティ強化に繋がり、ユーザーにとって有益と判断されるからです。
前述したとおり、Google公式も検索順位の評価要因として、常時SSL化を含めることを明言しています。
SSL化したことで、検索順位が一気に伸びる可能性は低いです。
SSL化は「検索順位を上げる施策」というよりも、「検索順位を下げない施策」というイメージです。
サーバーに関する理解がある方に頼めば行える施策なので、できるだけ早めにSSL化をしておきましょう。
検索順位を1位に上げる方法とは?順位が決まる仕組みや調べ方も解説
警告表示によるユーザー離脱を防ぐ
SSL化することで、警告表示によるユーザー離脱を防げます。
SSL化されていないサイトを開くと、「このサイトへの接続は保護されていません」という警告文が表示されます。
このような警告文が表示されると、不安に感じてサイトをすぐに閉じてしまうユーザーも多いです。
どれだけ有益なサイトであったとしても、SSL化されていないサイトは、無意識にユーザーを逃している可能性があるのです。
SSL化を行えば、警告表示によるユーザー離脱を防ぐことができるでしょう。
サイトのセキュリティ向上
SSL化をすることで、サイトのセキュリティ向上が期待できます。
URLが「http」から始まる常時SSL化されていない状態のWebサイトは、通信が暗号化されておらず、通信データの盗聴・改ざんのリスクがあります。
常時SSL化することで、通信が暗号化されるので、ユーザーも安心してWebサイトに訪問できるようになるのです。
少しでもセキュリティに不安があると、ユーザーはすぐに離れてしまうので、SSL化は必須と言えるでしょう。
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サイトの表示が早くなる
SSL化することで、サイトの表示速度が早くなります。
なぜなら、SSL化を行えば、通信速度の高速化を図れる「HTTP/2プロトコル」を利用できるからです。
Google公式でも、モバイル検索におけるサイトの表示速度を、検索順位の評価基準の一つとすると明言しています。
検索ユーザーはできるだけ早く質問に対する答えを見つけたいと考えています。
引用:Google Search Central Blog
研究によると、ユーザーはページの読み込み速度を非常に気にかけています。
読み込み速度はこれまでもランキング シグナルとして使用されていましたが、デスクトップ検索を対象としていました。
そこで 2018 年 7 月より、ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用することになりました。
また、サイトの表示速度が遅いと、直帰率や離脱率が大幅に上がってしまいます。
Googleの調査によると、モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかると、53%のユーザーが離脱してしまいます。
SSL化を行うことで、サイト表示速度が上がるとともに、SEO評価が上がることも期待できるでしょう。
Webサイト表示速度の改善方法とは?読み込みスピードを計測するツールや数値の目安を紹介
SEOにおけるSSL化の注意点
SSL化することは、SEOでもメリットが多いですが、注意点もあります。
ここでは、SEOにおけるSSL化の注意点を3つ紹介します。
- httpとhttpsは別サイト扱い
- SSL化直後は順位が不安定になる(下がる)ことがある
- SNSのシェアボタンがリセットされる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
httpとhttpsは別サイト扱い
サイト内容がそのままでSSL化したとしても、httpとhttpsのサイトは別サイト扱いになります。
そのため、サイトの引っ越し作業(301リダイレクト)をしないと、Googleに正しく評価されない可能性があります。
サイトの引っ越し作業(301リダイレクト)については、後述しますので、参考にしてください。
301リダイレクトとは?設定方法・確認方法やSEOとの関係、.htaccessの書き方を解説
SSL化直後は検索順位が不安定になる(下がる)ことがある
SSL化直後は、検索順位が下がったりと、不安定になることがあります。
なぜなら、常時SSL化を行うことでURLが変更されるため、Googleのインデックス登録に時間がかかるからです。
このことから、Googleのインデックス登録が終わるまで、一時的に検索順位が不安定になることもあります。
ただ、あくまで一時的なことであり、インデックス登録が完了すれば、また順位が安定し始めます。
SSL化直後は順位が不安定になりやすいですが、不安に感じる必要はないでしょう。
なお、SSL化を含め、検索順位が下がってしまった時の対処法は以下の記事で解説します。
ぜひお読みください。
検索順位が下がった原因と対策を解説!順位急落後や変動中にやってはいけないこと
SNSのシェアボタンがリセットされる
SSL化した後は、サイトのURLが変更されるので、SNSのシェアボタンもリセットされます。
特に、TwitterやFacebookといったSNSで記事を拡散されていた場合は、注意が必要です。
なぜなら、SNSシェアが多い記事とゼロの記事では、ユーザーの行動に違いが出る可能性があるからです。
例えば、SNSシェアが多い記事では、それだけで有益なサイトと評価されやすく、サイトの滞在時間も伸びやすくなります。
ただ、SNSのシェアボタン数がSEOに直接大きな影響を与える可能性は低いです。
それよりも、SSL化をしないことによる損失の方が大きいです。
SNSシェアボタンがリセットされるのは痛いですが、SEOを考えるとできるだけ早くSSL化をした方が効果的でしょう。
常時SSL化の導入方法や基礎知識
常時SSL化を行うには、SSL証明書の購入が必要です。
ここでは、SSL証明書の種類や費用、常時SSL化の導入方法をご紹介します。
常時SSL化の導入方法は以下の3ステップです。
- 導入するSSL証明書を選ぶ
- SSL証明書を購入してインストール
- URLを変更する
順を追って詳しく見ていきましょう。
SSL証明書の種類や費用
常時SSL化するために、SSL証明書の購入が必要ですが、SSL証明書は3種類あります。
SSL証明書によって信頼度や費用が異なるため、慎重に選ぶことが大切です。
証明書の種類 | 信頼度 | 内容 | 年間費用 |
DV証明書 | 低 | 通信の暗号化に特化 | 無料~数万円 |
OV証明書 | 中 | Webサイトの運営会社の 実在を証明 | 5万円前後 |
EV証明書 | 高 | Webサイトの運営会社の 実在を厳格に認証 | 20万円~ |
最終的には予算との相談になりますが、SEO対策として常時SSL化をするなら、できるだけEV証明書を選ぶことをおすすめします。
導入方法①:導入するSSL証明書を選ぶ
常時SSL化を導入するには、SSL証明が必要になります。
SSL証明書の役割は、以下の2つです。
- SSL証明書に含まれる鍵(公開鍵・共通鍵)で通信を暗号化する
- 通信先のサーバーが実在することを認証局が証明する
運営者の実在が認証されることで、ユーザーは安心して個人情報などのデータを送信できるようになります。
なお、前述したとおり、SSL証明書は3種類あります。
年間20万円程度の費用がかかりますが、必要経費だと割り切って、信頼度が高いEV証明書の導入がおすすめです。
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導入方法②:SSL証明書を購入してインストール
導入するSSL証明を選んだら、SSL証明書を購入してインストールしましょう。
SSL証明書を購入するには、認証局への申し込みが必要です。
代表的な認証局としては「シマンテック」や「GlobalSign」、「セコム」などがあります。
認証局にてSSL証明書を申し込むと、認証局による審査が行われるので、結果が出るまで待ちましょう。
審査は基本的に書類審査ですが、EV証明書では電話審査の場合もあります。
審査が通過すると、SSL証明書が発行されます。
発行されたSSL証明書をWebサイトのサーバーにインストールすれば完了です。
導入方法③:URLを変更する
SSL化を行った後は、サイト内の内部リンクのURLをすべて「https」に変更しましょう。
前述したとおり「http」と「https」は別サイト扱いになります。
WordPressで変更する場合、WordPressのトップページから「設定」→「一般設定」から変更できます。
「http」から「https」に変更し、設定を保存するだけです。
具体的なURL変更手順については、こちらの記事を参考にしてください。
URLを変更しないとSEOにも悪影響が出ますので、忘れずに変更しましょう。
WordPressのSEO対策設定のやり方とは?初心者向けにプラグインや投稿設定を方法を解説
常時SSL化をした後のWebサイト側の設定
常時SSL化をした後は、Webサイト側で以下3つの設定を行いましょう。
301リダイレクトとは、URLが変更された際に新しいURLへ転送するための手続きです。
常時SSL化後に301リダイレクトをしないと、SEOの評価が分散されてしまいます。
301リダイレクトを設定すれば、元のサイトの評価を新しいサイトでも引き継ぐことができます。
つまり、SEOの評価がリセットされないというメリットがあるのです。
301リダイレクト設定を行うには、まず「.htaccessファイル」を作成します。
下記の記述を保存して、WordPressのサーバー上にアップロードすれば、完了です。
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*) (httpsから始まるURL)$1 [R=301,L]
301リダイレクト設定を行わないと、SEOでマイナスになるので、必ず設定しましょう。
301リダイレクトとは?設定方法・確認方法やSEOとの関係、.htaccessの書き方を解説
canonicalタグの確認
続いて、canonicalタグの確認をしましょう。
canonicalタグとは、サイト内で評価される正規のURLを、Googleの検索エンジンに認識させるタグです。
SSL化した後も、このcanonicalタグがSSL化前のURLになっていると、SEOの評価が分散し、検索順位も下がってしまいます。
SEO評価を下げないためにも、常時SSL化後は、canonicalタグを常時SSL化後のURLに変更しましょう。
canonical(カノニカル)とは?設定方法や書き方、重複URLの正規化によるSEOへの影響
Google Search Consoleへの再登録
最後に、Google Seach Consoleの再登録も行いましょう。
SSL化前とSSL化後では、URLが異なるため、Google Search Consoleを再登録しないと正しい数値が確認できません。
SSL化後のURLでは未登録の状態なので、再登録しましょう。
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