SEO

更新日2023年10月25日

トラックバックとは何?やり方やメリット・デメリットを解説

甲斐龍之介

SEOツール「Nobilista(ノビリスタ)」の事業責任者。株式会社IIPにて取締役兼SEO担当者。中小企業庁が設置した経営相談所、福岡県よろず支援拠点にてSEOコンサルタントとしても活動

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SEOに強いサイトを作る上で、被リンクを獲得することは非常に重要です。

その被リンクを獲得する方法として、トラックバックという手法があります。
トラックバックとは、他社サイトのページ内容を自社サイトで引用・参照した際に、引用元サイトに引用・参照した旨を通知する機能です。

通知を受け取った引用・参照元サイトの運営者がトラックバックを承認すれば、そのサイトに自社サイトのリンクが設置されるという仕組みです。
被リンク獲得方法として以前までは効果的でしたが、現在はスパム行為とみなされSEOでマイナス評価を受ける恐れがあるので、推奨されていません。

本記事では、トラックバックの概要ピンバックとの違いメリット・デメリット使用ルール設定方法を解説します。
トラックバックを無効化したい方向けに、WordPressでトラックバックを無効化する方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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トラックバックとは

トラックバックとは、他社サイトの記事内容を自分のサイトで引用・参照した際に、引用元に引用・参照した旨を通知する機能です。

本来、自社サイトで引用・参照を使ったとき引用・参照元のリンクを張っても、引用元の運営者に気付かれることはありません。
トラックバックを送信することで、引用元のサイト運営者に対して、自社サイトで引用・参照したことを伝えることができるのです。

また、引用・参照元のサイト運営者がそのトラックバックを承認すると、引用・参照元のサイトに自社サイトのリンクが設置される仕組みもあります。
トラックバックは主にこの被リンクを獲得できる手法として、頻繁に活用されていました。

ただ、現在はSEOスパム行為の温床になっているため、トラックバックの送信は推奨しません。

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トラックバックの仕組み

引用・参照元のサイトにトラックバックを送信し、自社サイトのリンクが設置されるまでの流れは以下の通りです。

  1. 引用・参照元のトラックバックURLをトラックバック入力欄に入力する
  2. 記事を公開する
  3. 引用・参照元にPingが送信され、引用・参照元に通知される
  4. 引用・参照元のサイト運営者がトラックバックを承認する
  5. 引用・参照ページに自社サイトのURLが表示される

トラックバックの設定は手動で行う必要があります。

なお、引用・参照元のサイトに自社サイトのリンクが張られる、いわゆる被リンクを獲得できるのはトラックバックが承認された場合のみです。
引用元のサイトがトラックバックを拒否する設定をしていたり、個別のトラックバックを拒否すると、引用元のサイトに自社サイトのリンクが張られることはありません。

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トラックバックとピンバックの違い

トラックバックの類似機能として「ピンバック」があります。
ピンバックとはトラックバックと同じように、引用・参照元サイトに引用・参照した旨を伝える機能です。

トラックバックとの違いは、自動で通知が送信される点です。
そのため、トラックバックのようにURLを入力する手間がかかりません。

ピンバックはWordPressの初期設定で備わっており、すぐに使用できます。
ただ、双方のサイトがWordPressを使用しており、かつピンバック機能がオンになっていることが使用する条件です。

トラックバックを利用するメリット・デメリット

現在では利用することがほとんどないトラックバック機能ですが、そんなトラックバックにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、トラックバックを送信する側のメリット・デメリット、受信する側のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

  1. 送信元のメリット
  2. 送信元のデメリット
  3. 受信元のメリット
  4. 受信元のデメリット

順番に詳しく見ていきましょう。

送信元のメリット

トラックバックを送信する側のメリットは次の3つです。

  • 引用・参照元サイトから被リンクを獲得できる
  • 引用・参照元サイトからのアクセス流入が期待できる
  • サイト運営者とのコミュニケーションの手間が軽減できる

もしも引用・参照元サイトからトラックバックが承認されれば被リンクを獲得できます。
これがトラックバックを送信する一番のメリットでしょう。

引用・参照元サイトに自社サイトのリンクが張られることで、アクセス流入アップも期待できます。
自社サイトの集客力が低い場合でも、相手サイトの集客が高ければ多くのユーザーが流れ込んでくる可能性があります。

送信元のデメリット

一方、トラックバックを送信する側のデメリットは次の3つです。

  • 引用・参照元のサイト運営者からスパム行為だと思われる
  • トラックバックを無効化しているサイトには送信できない
  • ページを引用・参照するたびにトラックバックを手動で送信する必要がある

トラックバックの恩恵を受けられるのは、あくまで引用・参照元サイトの運営者がトラックバックを承認した場合のみです。
トラックバックを送信しても、相手サイトの運営者からトラックバックを拒否あるいは無視されると恩恵を受けられません。

また、現在はトラックバックを送信することがスパム行為とみなされるため、送信することは推奨しません。

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受信元のメリット

続いて、トラックバックを受信する側(引用・参照元サイト)のメリットを紹介します。
主なメリットは次の2つです。

  • 自社サイトのページへの反響を把握できる
  • 自社サイトの影響力を可視化できる

トラックバックの受信側は、公開したページの反響が把握できるメリットがあります。
通常の引用・参照の場合、他サイトで引用・参照されたことがわかりません。

一方、トラックバックの受信数が多いほど、そのページに対する反響が大きかったと認識できるのです。

また、記事のトラックバック欄にリストが表示されることで、自社サイトに影響力があったことを、他のユーザーにアピールできるメリットもあります。

受信元のデメリット

一方、トラックバックを受信する側のデメリットは次の2つです。

  • トラックバックスパムの被害に遭う可能性がある
  • 通知が多くてストレスになる可能性がある

トラックバック受信側の一番のデメリットは、トラックバックスパムの被害です。

トラックバックスパムとは、トラックバックを送信したページとは全く関係のないページへ誘導するスパム行為を指します。
引用・参照元の集客力を悪用し、関係ない商品等を購入させる目的がほとんどです。

トラックバックを受信した側が直接被害に遭うわけではありませんが、そのような悪質なトラックバックを放置していると、サイトのイメージがダウンしてしまう可能性があります。
このような理由から、トラックバックを無効化するサイトが多くなっていったのです。

また、トラックバックは他サイトで引用・参照された際に毎回通知されるため、ストレスになる可能性があります。
特に集客力が高いサイトはトラックバックを狙われやすいので、早めに無効化しておいた方が良いでしょう。

トラックバックの使用ルール

トラックバックは引用・参照する際にコミュニケーションの手間を減らしてくれる機能です。
しかし、使用する際は必ず以下4つのルールを守らなければいけません。

  1. 記事内容と引用・参照元に関連性がある場合のみ使う
  2. 引用・参照元ページのURLを自社サイトに設置する
  3. 自社サイト内で引用・参照元ページについて記載する
  4. 自社サイトへの誘導目的で使わない

1つずつ詳しく見ていきましょう。

記事内容と引用・参照元に関連性がある場合のみ使う

トラックバックは、自社サイトの記事内容と引用・参照元の記事に関連性がある場合のみ使用します。

本来の引用・参照は、自社サイトの記事に信頼性・根拠(≒E-E-A-T)を持たすためのものです。
自社サイトの記事内容と全く関係のないページからのトラックバックは、トラックバックスパムだとみなされてしまいます。

通常の引用・参照ではこのようなことはほとんどありませんが、トラックバックは被リンク獲得に繋がることから、関連性のない記事で使用されるケースも多いです。
関連性のない記事を引用・参照して、トラックバックを送信する行為はマナー違反なので、絶対に避けましょう。

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引用・参照元ページのURLを自社サイトに設置する

トラックバックを送信する際は、引用・参照元ページのURLを自社サイトに設置するのが基本ルールです。

引用・参照元ページのURLを設置しなくてもトラックバック自体の送信は可能です。
ただし、他サイトのコンテンツを引用・参照する場合は、どのページから引用してきたのかを明確にしておかなければ著作権違反になってしまいます。

上記のように引用・参照したサイトのURLは必ず記載しましょう。

引用タグ(blockquote)とは?使い方やSEOとの関係、ブログで引用するときのルール

自社サイト内で引用・参照元ページについて記載する

トラックバックを送信する際は、引用・参照したページについて触れるようにしましょう。
自社サイト内で引用・参照元ページについて言及することで、その引用・参照が集客目的ではなく、記事の質を高めるために必要な引用・参照だということを伝えることができます。

コンテンツの信頼性や質を高めるためには、他のサイトの文章を引用するべき場合もあるので、引用・参照することが悪いわけではありません。
引用・参照元ページについてしっかり記載すれば、トラックバックスパムとみなされるリスクを避けることもできます。

自社サイトへの誘導目的で使わない

トラックバックは、自社サイトへの誘導目的で使ってはいけません。
誘導目的で無関係なトラックバックを送信すると、スパム行為とみなされるリスクがあります。

繰り返しになりますが、他サイトの記事を引用するのは、自社サイトの記事をより良質なコンテンツにするためです。
ただ、メリットでも紹介したように、トラックバックが承認されると被リンク獲得やアクセスアップなどが期待できてしまいます。
その結果、本来のトラックバックとは違う目的で活用する人がいるのも事実です。

とはいえ、現在では検索エンジンのクロール技術が発達したことで、トラックバックを悪用した行為はスパム行為として認識できるようになっています。
誘導目的のトラックバックは、SEOでプラスに働くことはないので絶対にやめましょう。

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トラックバックの設定方法

ここでは、WordPressでトラックバックを設定する方法を紹介します。

  1. WordPressの管理画面で「投稿」をクリックする
  2. 画面下部の「トラックバック送信」入力欄にトラックバックURLを入力する
  3. 記事を公開・更新する

推奨はしませんが、知識として知っておくと良いでしょう。

なお、トラックバックはWordPressのクラシックエディタでのみ設定可能です。
ブロックエディタでは設定できないのでご注意ください。

WordPressのSEO対策設定のやり方とは?初心者向けにプラグインや投稿設定を方法を解説

WordPressの管理画面で「投稿」をクリックする

まずは、WordPressの管理画面で「投稿」をクリックし、トラックバックを送信する記事を選択します。
編集画面の右上にある「表示オプション」タブをクリックし、「トラックバック送信」にチェックを入れてください。

画面下部の「トラックバック送信」入力欄にトラックバックURLを入力する

続いて、画面下部に表示される「トラックバック送信」入力欄にトラックバックURLを入力します。

表示オプションで「トラックバック送信」にチェックを入れていないと、そもそも「トラックバック送信」という欄が表示されません。

もしも「トラックバック送信」入力欄が表示されない場合は、表示オプションをご確認ください。

記事を公開・更新する

最後に記事を公開・更新すれば、引用・参照元サイトにトラックバックが送信されます。
あとは、引用・参照元サイトの運営者がトラックバックを承認してくれることを待ちましょう。

トラックバックが承認されれば自社サイトのリンクが引用・参照元サイトに表示されます。

トラックバックの設定は必要か?

ここまでで、トラックバックは優れた機能だと感じた方もいるかもしれません。
たしかに一昔前までは優れた機能でしたが、現在のSEOでは不要です。

その理由について詳しく見ていきましょう。

現在はスパムの温床になっているため推奨しない

トラックバックは引用・参照元のサイトから承認されれば、簡単に被リンクを獲得できます。
被リンクが多いサイトは検索エンジンからの評価を上げることにもつながったため、トラックバックは積極的に使われていました。

しかし、Google等の検索エンジンのクロール技術が発達したことで、明らかに検索順位を操作するためのトラックバックはSEOスパム行為である認識できるようになったのです。
スパム行為と認識されると、サイト全体の評価を下げることにもつながってしまいます。

また、現在のSEOでは被リンクの数よりも質が重要視されており、自社サイトと関連性の低いサイトからの被リンクは、SEOの評価にほとんど影響しなくなりました。

さらに、多くの無料ブログサービスでは、トラックバックスパム機能として自動で張られるリンクに「nofollow」が設定されています。
そのため、検索エンジンはリンクが張られていると認識されず、SEO効果を高めるリンク獲得はできません。

このように、現在のSEOにおいてトラックバックを送信するという行為は百害あって一利なしです。
トラックバックは過去のものであり、現在使用することは推奨しません。

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WordPressでトラックバックを無効化する方法

トラックバックを受け付けたくない場合には、WordPress上で無効化しておくことをおすすめします。
無効化する方法には、サイト全体で行う方法と個別ページで行う方法の2つがあります。

  1. サイト全体でトラックバックを無効化するやり方
  2. 個別ページでトラックバックを無効化するやり方

それぞれ順番に見ていきましょう。

サイト全体でトラックバックを無効化するやり方

まずは、サイト全体でトラックバックを無効化する方法を紹介します。
WodPressの管理画面から左メニューの「設定」→「ディスカッション」をクリックします。

続いて、ディスカッションの投稿設定から「投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる」と「新しい投稿に対し他のブログからの通知(ピンバック・トラックバック)を受け付ける」のチェックを外します。

最後に画面下にスクロールして「変更を保存」をクリックすれば、トラックバックの機能が無効化されます。

個別ページでトラックバックを無効化するやり方

続いて、個別ページでトラックバックを無効化するやり方を紹介します。
個別ページでのトラックバックの無効化は、記事の編集画面から設定していきます。

画面右側の「ディスカッション」タブで「ピンバックとトラックバックを許可」のチェックを外すだけです。

チェックを外した状態で記事の保存、公開すればトラックバックの機能が無効化されます。

トラックバックに関するよくある質問

トラックバックに関するよくある質問をまとめました。
ぜひ参考にしてください。

トラックバックとピンバックの違いは何ですか?

トラックバックの類似機能としてピンバックがあります。

  • トラックバック
    引用・参照した旨を手動で伝える機能
  • ピンバック
    引用・参照した旨を自動で伝える機能

ピンバックはいわゆるトラックバックの自動版です。
トラックバックのように、URLを入力する手間がかからないのが特徴です。

ただ、お互いのサイトがWordPressでなければ利用できません。

トラックバックの送信にSEO効果はありますか?

トラックバックを送信することにSEO効果はありません。
逆に関連性の低いページからトラックバックを大量に送信すると、スパム行為とみなされ、サイトの評価を下げる可能性があります。

現在は多くのサイトがトラックバックを無効化しており、承認されるケースはほとんどありません。
手間や時間をかけるのも無駄なので、トラックバックを送信する行為は推奨しません。

トラックバックの設定は不要ですか?

はい、現在はトラックバックの設定を推奨していません。
以前は被リンク獲得を目的に使われていた手法ですが、スパムの温床になっています。

現在はSEOで逆効果になる可能性が高いので、設定しないのが無難です。

トラックバックは無効化できますか?

はい、WordPressからトラックバックを無効化できます。

サイト全体でトラックバックを無効化する場合は、まず「設定」→「ディスカッション」を選択します。
ディスカッションの投稿設定から「投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる」と「新しい投稿に対し他のブログからの通知(ピンバック・トラックバック)を受け付ける」のチェックを外すだけです。

個別ページでトラックバックを無効化する場合は、まず記事の編集画面を開きます。
画面右側の「ディスカッション」タブで「ピンバックとトラックバックを許可」のチェックを外せば、無効化できます。

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